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タイ版の闇バイトか「運び屋」に仕立て上げられたタイ人女性たち。福岡空港42kgの薬物密輸事件 

タイ版「闇バイト」の危険性を警告する画像。高額な報酬をうたうアルバイト募集の看板と、タイの街並みのイラスト。「タイでも闇バイトか 福岡で麻薬密輸 タイ女性3名逮捕」のテキスト入り。
Thaim Line Bangkok

2025年9月9日、タイのバンコクから福岡空港に到着したタイ国籍の女3人(23歳、25歳、25歳)が、麻薬の一種であるケタミン約42kg(末端価格約25億2000万円)を営利目的で密輸しようとしたとして、麻薬精神安定剤取締法違反の疑いで逮捕・起訴されました。ケタミンの押収量としては、全国の税関で過去最大となります。

押収されたケタミンの画像
出典:https://news.tnc.co.jp/news/articles/NID2025092227299

巧妙な密輸手口

ケタミンは、3人がそれぞれ預けた大型スーツケースの中に、おむつやスナック菓子の袋に偽装されて隠されていました。バンコクから福岡空港に到着した際、税関検査で発見されました。

逮捕された女性たちの供述

逮捕・起訴されたタイ国籍の女3人(23歳、25歳、25歳)は、捜査当局に対し「中身は何か知らなかった」「お菓子や雑貨だと思っていた」などと供述し、容疑を一部否認していると報じられています。

しかし、こうした「知らなかった」という供述は、報酬と引き換えに荷物を運ぶ「運び屋」が、組織から口裏を合わせるよう指示される際の典型的な手口でもあります。警察は、彼女たちが役割を自覚していた可能性も視野に、背後にいる指示役や国際的な密売組織の全容解明を急いでいます。

まとめ:巧妙化する日タイ間の麻薬ルートと「闇バイト」の影

ケタミンの押収量として全国過去最大となった今回の事件。しかし、これは氷山の一角かもしれません。数週間前には日本の高校生らがタイから麻薬を密輸しようとして逮捕されており、短期間に同種の事件が続くことは、背後にタイと日本を結ぶ確立された麻薬ルートが存在する可能性を強く示唆しています。

注目すべきは、若者が安易に「運び屋」として利用される手口です。日本で問題となっている「闇バイト」のように、高額報酬を謳い文句に若者を勧誘するアプリやSNSがタイにも存在する可能性が考えられます。「中身は知らない」という供述も、こうした手口の常套句です。

こうした状況を裏付けるかのように、先日、タイ警察の幹部が大阪府警を訪問し、最新技術を用いた国際的な共同捜査体制の強化について協議したばかりです。巧妙化するリクルート手口と麻薬ルートの根源を、両国警察が連携して断ち切ることができるのか。今後の捜査の進展が注視されます。


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keita satouFacebook

出典

産経新聞, Infoseekニュース (配信元: FBS福岡放送)

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タイムラインバンコク編集部は、バンコクに在住する経験豊富な編集者とライターからなる専門チームです。日本人メンバーだけでなく、日本語能力試験N1を持つタイ人メンバーも在籍しており、多様な視点から情報を捉えることを大切にしています。 インターネット上の情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、独自の取材・調査を行うことを信条としています。グルメ、ビューティー、最新ニュースからカルチャーまで、バンコクで暮らす人、訪れる人にとって本当に価値のある、正確で信頼できる情報を厳選してお届けします。日本のメディアに情報提供することもあります。
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