タイで問題視される闇ガイド 旅行会社の社員がリスクについて解説
タイの人気観光地パタヤで、
旅行者の安全を揺るがすニュースが
立て続けに報じられました。
一つは、無免許の外国人ガイドの逮捕ニュース。
もう一つは、ツアーボートの転覆事故ニュースです。
これらは一見すると別の事件ですが、
根底には共通の問題が潜んでいます。
それは、旅行者を危険に晒す
「違法・無登録の観光サービス」の存在です。
またタイ政府も明確にタイでのツアーは、
タイ人のみ
ガイド資格所持者のみが可能
と声明を出しています。
本記事では、バンコク在住10年以上、
タイの旅行ライセンスを持つ法人に勤務する筆者が、
特にトラブルの多い「闇ガイド」の実態と、
旅行者が知るべきリスクを徹底解説します。
結論:外国人の観光ガイドは法律で禁止
まず最も重要な結論から。
タイの法律では、観光ガイドは
タイ国民の雇用を守るための保護職業に
指定されています。
これは、日本人も含め、外国人が
観光地で歴史や文化を解説し、
報酬を得ることが固く禁じられている、
ということを意味します。
【重要】正規ガイドと闇ガイドの簡単な見分け方
1. 「公式ガイドライセンス」の提示を求める
タイの正規観光ガイドは、必ず顔写真、氏名、
ライセンス番号が記載された**公式のライセンスカード**を
携帯しています。名刺や会社の紹介状だけでは、
正規の資格証明にはなりません。
2. 観光地で「誰が」解説するかを見る
王宮や寺院といった有料の観光施設内で、
歴史や文化を主体的に解説できるのは、
タイ国籍の正規ガイドだけです。
日本人が解説し、タイ人が黙って付き添っている場合は
違法の可能性が非常に高いです。
3. SNSでの「格安個人ガイド」に注意
SNSなどで個人が募集しているケースは、
無免許である可能性が高いです。
正規の旅行会社を通さない個人契約は、
事故の際に保険が適用されず、極めて危険です。
旅行者が違法サービスを利用する深刻なリスク
- 事故・トラブル時の【無保険】リスク 🆘
正規業者は賠償責任保険への加入が義務ですが、
違法業者は100%無保険です。
万が一事故に遭った場合、
治療費はすべて自己負担となります。 - 詐欺や金銭トラブルのリスク 💸
法外な料金請求や、提携の土産物店への
強引な連行といった詐欺被害の典型です。 - 安全基準の欠如と緊急時対応の不備 🚑
悪天候でも出航するボートのように、
違法業者は安全基準を軽視しがちです。
闇ガイドと闇ツアーに関する よくある質問
Q1. そもそも、外国人がタイで観光ガイドをできますか?
A1. いいえ、できません。
タイの法律で、観光ガイドはタイ国籍者のみに認められた保護職業です。
Q2. 「闇ガイド」や「闇ツアー」とは何ですか?
A2. 国に無登録の事業者や、無免許のガイドのことです。
- 闇ガイド: 無許可で活動する外国人ガイドや、彼らにライセンスを貸すタイ人協力者のことです。
- 闇ツアー: 正規の旅行業ライセンスを持たずにツアーを企画・催行する事業者のことです。
Q3. 闇ガイドや闇ツアーを利用する最大のリスクは何ですか?
A3. 主に、保険、金銭、安全に関わる深刻なリスクがあります。
- 無保険のリスク: 事故の際、治療費や損害は全て自己負担になります。
- 金銭トラブル: 法外な料金請求などの詐欺リスクがあります。
- 安全基準の欠如: 悪天候でもボートを出すなど、安全が軽視されがちです。
Q4. ガイド紹介サイトに日本人がいますが、大丈夫ですか?
A4. その日本人が行う役割と、ツアー全体の合法性の確認が必要です。
多くは旅のサポートを行う「コーディネーター」で、役割自体は合法です。ただし、その方がタイの正規旅行会社の枠組みで活動しているかを確認することが重要です。
Q5. SNSで在住日本人に「個人旅行のアテンド」をお願いするのは違法ですか?
A5. 行為によります。「サポート」か「ガイド」かで見極める必要があります。
レストラン予約や通訳といった**旅のサポート(アテンド)**は問題ありません。しかし、その方が**有料の観光施設で歴史や文化の解説を始めた場合**、違法な「ガイド」行為と見なされる可能性があります。
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
タイ在住10年以上のライター。
旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわら
ライターも行う。
SNS総フォロワーは7万人以上。
(Facebook)
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最終更新日:2025年10月27日 最新情報を追記

