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Android Box(幽霊ボックス)販売業者を逮捕。違法に映画やサッカーを配信か ACEが告発

タイで問題となっている海賊版Android Box(幽霊ボックス)を象徴する画像。テレビのリモコンと黒いボックスの上に、海賊版を示すドクロと交差した剣のマークが赤く描かれている。
Thaim Line Bangkok

2025年9月30日、タイ警察中央捜査局(CIB)は、タイ北部ウッタラディット県で、Android Boxを不正に改造した「幽霊ボックス(กล่องผี)」を販売し、有料コンテンツを違法配信していたとして43歳の男性を逮捕しました。この摘発は「幽霊ボックスの伝説を終焉させる」作戦と名付けられています。

摘発の背景:
ソニー、Amazonも加盟する国際団体「ACE」が告発

今回の摘発の背景には、世界最大級の海賊版対策の連合体である「アライアンス・フォー・クリエイティビティ・アンド・エンターテインメント(ACE)」からの正式な告発がありました。ACEには、ソニー・ピクチャーズ、Amazon (Prime Video)、Apple (Apple TV+)、Netflixといった世界の名だたるコンテンツ企業が加盟しており、自社の映画やオリジナルドラマがタイ国内の「幽霊ボックス」を通じて不正に視聴されている実態を突き止め、タイ警察に告発していました。

「幽霊ボックス」とは何か?

「幽霊ボックス」とは、Android Boxに違法なソフトウェアをインストールし、通常は有料の映画、ドラマ、スポーツ中継(プレミアリーグなど)を無料で、あるいは非常に安い月額料金で視聴できるようにした海賊版視聴ボックスのことです。

Android Boxとは、テレビのHDMI端子に接続するだけで、そのテレビを「スマートテレビ」のように多機能化できる、手のひらサイズの小型デバイスです。

Android OSを搭載しており、Google PlayストアからYouTube、Netflix、Amazon Prime Videoといった正規の動画配信アプリをダウンロードして、大画面で楽しむことができます。その他にも、インターネットを閲覧したり、ゲームをプレイしたりすることも可能です。

つまり、正規のAndroid Box自体は合法的な製品です。今回の事件で問題となっている「幽霊ボックス」は、この合法的なデバイスに、有料コンテンツを無料で視聴できる「不正なソフトウェア」をインストールして販売していた、という点が決定的に違います。

購入者の危険な末路:
単なる違法視聴では済まされない4つのリスク

  • マルウェア感染のリスク: 個人情報(クレジットカード情報、銀行口座のID/パスワードなど)を盗み出すマルウェアやスパイウェアが仕込まれている可能性が非常に高いです。
  • 法的リスク: 販売者が主に罰せられますが、視聴者も著作権侵害の幇助と見なされる可能性はゼロではありません。
  • 突然のサービス停止: 運営者が逮捕されれば、サービスは即日停止します。支払った料金は返金されません。
  • 品質の低さ: 映像が頻繁に途切れる、画質が悪いなど、視聴体験の質は保証されません。

過去にも相次ぐ同様の摘発事例

今回の摘発は氷山の一角です。タイ警察はこれまでにも、「FWIPTV」(2023年)や「Hooligan TV」(2024年)といった同様の違法ストリーミングサービスを何度も摘発しており、業者と警察との間で「いたちごっこ」が続いています。


この記事を書いた人

keita satou (タイムラインバンコク編集部)

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