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タイのデジタル給付金「コンラクルン・プラス」が再開へ。 “一人半分ずつ”の新制度を解説

AI生成のイラスト。「タイのデジタル給付金 コンラクルン・プラス」というタイトル文字と、タイの市場でPao Tangアプリや現金を使って買い物をする人々の賑やかな様子。
Thaim Line Bangkok

タイの人気経済対策「コンラクルン」が帰ってくる!「プラス」で何が変わる?登録・利用方法を解説

アナンティン新政権は、国民の生活費負担の軽減と内需の活性化を目的として、新たな経済対策「コン・ラ・クルン・プラス(คนละครึ่งพลัส)」の導入を正式に発表しました。これは、過去に国民から絶大な人気を博した「コン・ラ・クルン(割り勘)」政策のアップグレード版で、日本人にとっては「政府が費用の一部を負担するデジタル商品券」と考えると分かりやすい制度です。

本記事では、現在報じられている制度の概要、使い方、そして登録前に知っておくべき注意点について詳しく解説します。

新経済対策「コン・ラ・クルン・プラス」の概要

  • 登録期間: 2025年10月20日(月)〜 10月26日(日)
  • 利用期間: 2025年10月29日(水)〜 12月31日(火)
  • 対象規模: 最大2,000万人
  • 支援金額: 1人あたり2,000バーツの補助金(納税者は2,400バーツの優遇案も)

誰が対象?参加できる人の条件

参加できる人
  • タイ国籍を持っていること。
  • 登録時点で16歳以上であること。(従来は18歳以上でしたが、2025年版は16歳以上に引き下げられる見込みです)
参加できない人
  • タイ国籍を持たない外国人
  • 政府の福祉カード(生活困窮者向けカード)を持っている人。(専用の別制度があります)
  • その他、同時期に実施される他の政府補助金プロジェクトに参加している人。(併用が認められない場合があります)

具体的な使い方と仕組み

この制度では、補助金が政府の公式アプリ「Pao Tang(パオタン)」内のデジタルウォレットに付与されます。参加店舗での支払い時にこの制度を利用すると、政府が代金の一部をリアルタイムで負担してくれます。

過去の制度では政府と利用者の負担は50%ずつでしたが、今回の「プラス」では、納税登録者などを対象に政府負担が60%、自己負担が40%となる新しい優遇比率が導入されると報じられています。ただし、政府が負担する金額には1日あたり150バーツといった上限が設けられる見込みです。

登録方法と注意点

新規の参加登録は、専用の公式サイトを通じて行われます。ただし、注意が必要です。

過去のキャンペーンで使われていた `www.คนละครึ่ง.com` というサイトは、2025年9月時点でドメインが期限切れとなっており、現在は政府とは無関係の第三者が保有している可能性があります。安全のため、この古いURLには絶対にアクセスしないでください。

新しい登録サイトの正式なURLは、登録期間が近づき次第、タイ財務省やクルンタイ銀行、そして大手メディアから改めて公式に発表されます。必ず、信頼できる情報源からの新しい案内を待って登録するようにしてください。

「Pao Tang(เป๋าตัง)」アプリについて

実際に補助金を利用する際は、クルンタイ銀行の公式アプリ「Pao Tang」が必要です。詳細は以下の公式サイトからご確認ください。

注意点と未確定な情報

現時点ではまだ正式発表されていない、あるいは情報が錯綜している点もあります。

  • 予算規模の表記揺れ: 報道によって「4,400億バーツ」と「440億バーツ」の表記が混在しており、正確な予算額は政府の公式発表を待つ必要があります。
  • 補助比率の確定性: 納税者優遇(60/40負担)などが最終決定されるかはまだ未確定です。
  • 対象外の品目: 従来の制度と同様、アルコール、タバコ、宝くじ、ガソリンなどは補助の対象外となる可能性が高いです。

まとめ:年末商戦を狙った大型景気刺激策

日本でいうところのマイナポイントカードとデジタル商品券制度に似たイメージのこの政策。タイの最低賃金が400バーツ/日というのを考えると約5日分の最低賃金の給付金を為替換算ではなく実質的な価値での日本円換算だと5万円程度の支給金が目安になるかもしれません。日本の場合は納税者であれば外国人でも給付するケースもおおいですが、タイでは原則タイ人限定の施策が多いのが対照的かもしれません。

今回の「コン・ラ・クルン・プラス」は、年末の消費が最も盛り上がる時期に集中的に実施することで、個人消費を直接的に刺激し、中小企業を支援することが最大の狙いです。2022年9月〜10月に実施された前回のフェーズ5では、約212億バーツの予算で約2,402万人が利用した実績があり、今回も同規模以上の経済効果が期待されています。

輸出の伸び悩みなどが懸念されるタイ経済を下支えする重要な役割が期待される「コン・ラ・クルン・プラス」。詳細の公式発表が待たれます。

この記事を書いた人

keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

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出典・参考サイト
  • Thairath
  • Matichon
  • Bangkok Post

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タイムラインバンコク編集部は、バンコクに在住する経験豊富な編集者とライターからなる専門チームです。日本人メンバーだけでなく、日本語能力試験N1を持つタイ人メンバーも在籍しており、多様な視点から情報を捉えることを大切にしています。 インターネット上の情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、独自の取材・調査を行うことを信条としています。グルメ、ビューティー、最新ニュースからカルチャーまで、バンコクで暮らす人、訪れる人にとって本当に価値のある、正確で信頼できる情報を厳選してお届けします。日本のメディアに情報提供することもあります。
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