2025年11月21日より、タイ銀行(BOT)から新しい50バーツおよび100バーツ紙幣の発行・流通が開始されました。
今回の新紙幣は、従来の「紙」ではなく「ポリマー(プラスチック系素材)」を採用しているのが最大の特徴です。2022年に発行された20バーツ札に続くポリマー化となります。
出典:BANK OF THAILAND
なぜ「ポリマー(プラスチック)」に変わるのか?
タイ銀行がポリマー素材への切り替えを進める主な理由は以下の通りです。
- 耐久性の向上:
紙製の約4倍の耐久性を持ち、湿気や汚れに強いため、平均で約8年間使用できるとされています。紙幣の寿命が延びることで、再生産コストと環境負荷の削減にもつながります。
- 衛生面:
汚れや湿気を吸収しにくいため、手で触れる機会の多い小額紙幣(20, 50, 100B)を清潔に保つことができます。
- 偽造防止:
透明ウィンドウ(透かし窓)や変色インクなど、ポリマーならではの最新の偽造防止技術を導入しています。
新紙幣の特徴・見分け方
デザインの基本構成(国王陛下の肖像画や色味)は従来の紙幣を踏襲していますが、質感と技術が異なります。
- 触り心地:
ツルツルとしたプラスチック特有の感触です。
- 透明ウィンドウ:
紙幣の一部に透明な窓があり、両面から透けて見えます。ここに額面(50または100)の数字がエンボス加工されています。
- 変色インク:
傾けると色が変化する特殊インクが採用されており、偽造防止効果が高められています。
- 視覚障害者向け機能:
額面を識別するための点字のような凸版印刷や、紙幣の両端に識別用の斜線(ストライプ)が隆起印刷で追加されています。
私たちの生活への影響と注意点
新紙幣の流通に伴い、生活への影響と注意点をまとめました。
- ATM・自販機:
本日(11月21日)より、タイ国内のATMおよびCDM(現金自動預け払い機)で、新しい100バーツ・ポリマー札の取り扱いが開始されます。対応済みの自販機や券売機でも利用可能です。
- 旧紙幣は?:
従来の紙製の50・100バーツ札も引き続き「法定通貨」として問題なく使用できます。無理に交換する必要はありません。
- 注意点:
ポリマー紙幣は折り目がつきにくいため、財布の中でかさばったり、折り畳んだ後に勝手に開いてしまったりすることがあります。また、熱に弱いため、アイロンや高熱源の近くには置かないようご注意ください。
まとめ
以前から20バーツ札はポリマー素材に変わっており、現在は通常の紙幣とポリマー紙幣両方を違和感なく使用している現状です。おそらく今回の50バーツと100バーツ札も同様になると思われます。熱に弱いというのは今回の記事を執筆するにあたりはじめて知りました。みなさんもご注意ください。
タイの紙幣事情が進化し、より衛生的で丈夫なものになります。旅行者や在住者の皆様は、しばらくの間は新旧の紙幣が混在することになりますが、どちらも有効ですので戸惑わずにご利用ください。
この記事の出典
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。