【スキャンダル】タイに実在したVIP刑務所 エアコン完備の檻の中に美人のモデルが自由に出入り
2025年11月、タイ社会に激震が走りました。
バンコク特別刑務所(Bangkok Remand Prison)で行われた法務省の抜き打ち視察により、中国系「灰色ビジネス(Grey Business)」グループの受刑者たちが、塀の中で王侯貴族のような生活を送っていたことが発覚。
エアコンやスマートフォンの使用に留まらず、「中国からモデル美女を空輸」し、刑務所内の秘密部屋で接待を受けていたという、映画でもあり得ないような汚職の実態が明らかになりました。
事件の全貌:法務大臣による電撃視察
事態が動いたのは2025年11月。ルッタポン・ナワラット法務大臣率いる特別チームが、バンコク特別刑務所の「第8区画(Zone 8)」を急襲しました。
そこは、本来あるべき刑務所の姿とはかけ離れた、選ばれし犯罪者たちのための「VIPリゾート」と化していました。
発覚した「VIP待遇」の衝撃的な中身
公式報道や現地メディア(Matichon, Bangkok Post等)によって明らかになった実態は、以下の通りです。
- 違法な居住エリアの改造:
本来は更生のための「旧・大工工場(作業場)」として登録されている場所が、中国人受刑者グループ専用の居住スペースに改造されていました。
一般の受刑者がすし詰めで生活する中、彼らは広々としたスペースを占有していました。 - 家電完備の個室:
蒸し暑い監房とは無縁の、エアコン・冷蔵庫・高級家電が揃えられた快適な住環境。 - 使用人の雇用:
タイ人受刑者を「使用人」として雇用し、身の回りの世話をさせて多額の報酬を支払っていた。 - 豪華な食事:
一般受刑者の食事とは一線を画す、外部から手配された豪華な食事が提供されていた。 - 犯罪組織の再結集:
ボスクラスと幹部だけが特別区画に集められ、指揮系統が温存されていた恐れがある。
「モデルを空輸」階段下の秘密部屋で行われていたこと
今回の事件で最もタイ国民の怒りを買っているのが、女性に関する特別待遇です。
調査によると、刑務所内の階段下に作られた「秘密部屋(Hidden Room)」が存在し、そこで中国人受刑者と外部女性との密会や性的サービスが常態化していたとされています。
さらに驚くべきことに、一部の女性は「中国からわざわざ空輸されたモデル美女」であったと報じられており、その手配力と財力が刑務所の壁を無効化していた事実が浮き彫りになりました。
当局の対応:命令「233/2568」の発動
この惨状を目の当たりにした法務省は、即座に正式命令「233/2568号」を発令しました。
- 即時更迭:
刑務所長および関係職員14名(報道により計15〜19名)を即座に更迭・異動処分。 - 刑事責任の追及:
単なる規律違反ではなく、巨額の賄賂を受け取っていた汚職事件として、警察・省庁が連携し捜査を開始。 - 公式声明:
「不正容認は絶対に許さず、刑事責任を厳正に追及する」との強いメッセージを発表。 - 外部機関の介入:
単なる規律違反にとどまらず、背後に巨額の金銭授受(賄賂)があったと見られるため、DSI(特捜局)およびAMLO(マネーロンダリング防止取締局)が捜査に加わりました。刑務官への資金の流れを徹底的に洗う方針です。
まとめ
バンコクで長く暮らしていると、富裕層や権力者が賄賂や階級によって優遇される出来事やニュースにはある種「免疫」ができてしまうものですが、今回の件は次元が違います。
10年ほど前に麻薬関連で逮捕された日本人がすぐに釈放されたという噂を聞いたことはありますが、それ以上の衝撃です。
刑務所という国の統制下にある場所で、外国人犯罪グループがタイ人受刑者を金で顎で使い、海外から女性を呼んで遊んでいた。これはタイの司法制度、ひいては国家の尊厳に対する侮辱と言えるでしょう。まるで都市伝説のような話です。
「チャイニーズ・グレービジネス」の影響力が、ここまで深く、物理的にも精神的にもタイ社会を侵食していることに、強い危機感を覚えずにはいられません。
この記事の出典
本記事は以下の現地報道および公式発表を基に作成しました。
- Thai Examiner: Corruption at Bangkok Remand Prison
- Line Today 速報(タイ語)
- Thai Newsroom: Panel probing ex-prison chief
- The Thaiger: Bangkok prison scrutinised for bribes
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
タイムラインバンコク編集部
Facebook(keita satou)
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