バンコクの市場 特定の野菜から100%寄生虫を検出。野菜別汚染リストとおすすめの洗い方
現地メディアが報じた調査結果によると、バンコクの市場で販売されている一部の生野菜から、驚くべき高確率で「寄生虫」が検出されたとのことです。
特に特定の野菜からは、なんと100%の確率で検出されたというデータも。今回は、調査された全15種類の野菜の汚染状況リストと、私たちが実践すべき「正しい野菜の洗い方」について解説します。
【全15種】バンコク生野菜の寄生虫汚染リスト
この調査は、バンコク都内で流通している生野菜15種類を対象に行われました。以下は、寄生虫が検出された割合ごとのリストです。
危険度MAX:検出率100%
- 🌿ホーラパー(タイスイートバジル):100%
グリーンカレーや炒め物、ボートヌードルの付け合わせで定番のハーブですが、生食は極めてリスクが高いという結果が出ました。
高リスク:検出率50〜60%
- 🌿パクチー(コリアンダー):60%
- 🌿サラネエ(ミント):60%
- 🍅トマト:50%
- 🍀バイブアボック(ツボクサ):50%
中リスク:検出率25〜45%
- 🥬白菜:45%
- 🌿パクチーファラン(オオバコエンドロ):35%
- サラダリーフ(レタス類):35%
- 🌿パクチーローム(セリ):25%
低リスク・安全圏:検出率0〜15%
- 🥒いんげん豆(十六ささげ):15%
- 🌿空芯菜:10%
- 🥬キャベツ:10%
- 🥬レタス(Iceberg Lettuce):5%
- 🥬カナー(カイラン菜):5%
- 🥒きゅうり:0%
水道水の水洗いの場合
タイ(バンコク首都圏)の水道水は、浄水場を出る時点ではWHO(世界保健機関)の水質基準をクリアしており、「飲めるレベル」とされています。 しかし、蛇口から出る水が汚れていることが多く、これが最大のリスク要因です。
- コンドミニアムの貯水タンク: タイの住宅(コンドミニアムやアパート)は、一度屋上や地下のタンクに水を溜めてから各部屋に送ります。このタンクの管理がずさん(清掃不足、蓋の破損)だと、ボウフラ、藻、最悪の場合は小動物の死骸などが混入し、大腸菌などが繁殖するリスクがあります。
- 熱帯のタイでは、雑菌の繁殖を防ぐために日本よりも高濃度の塩素が含まれていることが多いです。
- 配管の老朽化: 浄水場から各家庭に届くまでの水道管が古く、サビ、重金属、砂、泥が混入することがあります。
浄水器やウォーターサーバーの水洗い
多くの在住者が「浄水器やウォーターサーバーの水で洗っているから大丈夫」と思っているかもしれませんが、研究によるとそれだけでは不十分な可能性が高いです。
寄生虫の卵は粘着力が強く、ただ綺麗な水に浸すだけでは落ちません。以下の3ステップ洗浄を推奨します。
- ステップ1:流水で物理的に洗う(おすすめ)
葉を一枚ずつちぎり、水道水の流水(蛇口からの水)でこすり洗いします。物理的な力が最も重要です。 - ステップ2:洗浄剤で「つけ置き」
重曹(水20Lに大さじ1)、お酢(濃度5〜10%)、または野菜用洗剤を混ぜた水に10〜15分つけ置きします。 - ステップ3:仕上げに「浄水」
最後に口に入る直前のすすぎとして、浄水器の水を使用します。
まとめ
今回の調査結果はあくまで「生食」の場合のリスクです。加熱調理すれば寄生虫は死滅するため、過度に恐れる必要はありません。
ついついコスパを重視して最近は屋台での野菜を購入する人が増えています。また屋台料理に付属されている生野菜も、衛生管理が不透明な場合があります。お腹が弱い方や不安な方は、生で食べるのを避けるか、スープの熱でしっかり加熱してから食べることを強くお勧めします。旅行者は現地の雰囲気を味わう為に屋台を好む人も多いですが、駐在者などは上記の理由を元にできるだけ清潔そうなお店を探す人が多くいるのも事実です。外食時も信頼できる飲食店での食事をおすすめします。
一人暮らしなのであまり水は必要ないと思うかもしれませんが、野菜を洗ったりする際には必要なので浄水器やウォーターサーバーの利用をおすすめします。
この記事の出典
- Kapook: Vegetable Parasite Survey
- Journal of Dept of Medical Sciences Vol.66 No.3
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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