2025.12.02

犬を飲み込んだ巨大ニシキヘビを捕獲タイコンケン

keita satou

タイ東北部コンケン県で、衝撃的なニュースが報じられました。

犬を丸ごと飲み込んだ直後の巨大なニシキヘビが、動きが鈍くなっているところをレスキュー隊によって捕獲されました。大手メディア等が報じました。

ホテル裏手に出現した「動けない大蛇」

事件が起きたのは、コンケン県ムアンポン郡（Muang Phon district）のチャルンスック通り（Charoensuk Road）にあるホテルの裏手です。

数日前から付近で目撃されていた巨大なニシキヘビが、雑木林で発見されました。しかし、ヘビは異様なほど動きが鈍かったといいます。

口元に見えていた「捕食痕」

発見時、ヘビの喉元には飲み込まれた獲物(犬)の一部が見えており、直前に犬を捕食したことは明らかでした。

ヘビの大きさ：体長約3メートル（報道によっては4メートル）。この地域で発見されたニシキヘビとしては過去最大級です。
捕獲状況：満腹で動きが取れなくなっていたため、ムアンポン財団のレスキュー隊員ら約10人がかりで比較的容易に捕獲されました。

森に放された直後、獲物を吐き出す

捕獲されたヘビは、人里離れた森へ運ばれ、自然に返されました。

その際、ヘビは飲み込んでいた獲物を吐き出しました。出てきたのは、死んだ茶色の犬でした。ヘビは身の危険を感じたり、素早く動く必要がある時、飲み込んだ獲物を吐き出す習性があります。

タイに生息する蛇

タイには200種類以上の蛇が生息していますが、日常生活や旅行中に遭遇する可能性がある「主な種類」は、大きく「危険な毒蛇」、「街中でよく見る巨大な蛇（ニシキヘビ）」、「身近な無毒/微毒の蛇」の3つに分類できます。

危険な毒蛇（絶対に近づかない）

キングコブラ (King Cobra / Ngu Chong-ang): 世界最大の毒蛇。森林だけでなく、郊外の茂みにも生息。威嚇時に首を持ち上げフード（えら）を広げます。
タイコブラ (Monocled Cobra / Ngu Hao): フードの裏に目玉模様（モノクル）があるのが特徴。非常に攻撃的で、都市部の水路沿いや古い住宅地にも生息しています。
ドクハキコブラ (Spitting Cobra): 毒を飛ばして目に入ると失明の危険があります。
マルオアマガサヘビ (Banded Krait / Ngu Sam-liam): 黒と黄色の太い縞模様が特徴。動きは遅いですが猛毒です。
マレーアマガサヘビ (Malayan Krait): 黒と白の縞模様。夜行性で、夜間に噛まれる被害が多いです。
マレーマムシ (Malayan Pit Viper): 落ち葉のような茶色の模様。保護色で気づきにくく、噛まれると患部が壊死する恐れがあります。
アオハブ (Green Pit Viper / Ngu Khiao Hang Mai): 鮮やかな緑色で、尻尾の先が赤茶色。木の上にいることが多く、庭木の手入れ中に噛まれる事故が多いです（バンコクでもよく出ます）。

街中でよく見る巨大な蛇

ミメニシキヘビ (Reticulated Python / Ngu Luam):バンコク都心部でも非常に一般的です。排水溝や運河を移動し、野良犬、猫、ネズミを捕食します。トイレから出てくるニュースになるのは大抵この種類です。

身近な無毒・微毒の蛇（比較的安全）

ゴールデンツリースネーク (Golden Tree Snake / Ngu Khiao Phra In):特徴: 緑色に黒い模様が入った細長い蛇。非常に素早く動き、木や塀を登ります。
危険度: 微毒ですが人間にはほぼ無害。「飛び跳ねる」ように移動することもあります。家の中に入ってきてヤモリを食べることがあります。
サンビームヘビ (Sunbeam Snake):
特徴: 光に当たると鱗が虹色に輝く美しい蛇。地中に潜ることが多く、大人しいです。
ラットスネーク (Rat Snake / Ngu Sing):
特徴: ネズミを食べる益獣として扱われることもありますが、動きが速く、追い詰めると噛みつくことがあります。

2024年だけでバンコク都内で約10,000件以上の“ヘビ捕獲通報”あり。最も多いのはニシキヘビ（Python reticulatus）で全体の約65％です

まとめ

幸いなことに、今回の捕獲劇でレスキュー隊員にもヘビにも怪我はありませんでした。

タイでは地方に限らず、バンコク郊外でもニシキヘビ（パイソン）やコブラが出没することは珍しくありません。ゴルフをする方やアウトドアが趣味の方は、屋外での庭や茂み付近での散歩には十分注意してください。またコンドミニアムではなく一軒家を賃貸している人も注意が必要です。

この記事の出典

Bangkok Post

この記事を書いた人

keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook（フォワー1700人）や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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