タイの飲食トレンド 抹茶が300%増 デリバリーデータからの最新分析 2025年版
タイ人の今の食のトレンドの最新データを日本語で解説します。
タイのフードデリバリー大手「LINE MAN Wongnai」が、2025年の利用データを基にした食のトレンド分析を発表しました。そこから見えてきたのは、健康やトレンドを意識した「新しい贅沢」と、昔ながらの刺激を求める「変わらぬ味覚」が共存する、興味深い消費行動です。
今回は、デリバリーデータが語る2025年のタイの食トレンドを3つのポイントで解説します。
1. 抹茶(Matcha):注文数が300%増

2025年を象徴するドリンクは間違いなく「抹茶」です。
LINE MANのデータによると、抹茶ドリンクの注文数は前年比で驚異の300%増を記録し、年間約650万杯に達しました。
「手頃な贅沢」としての定着
1杯100〜250バーツ(約430〜1,080円)と決して安くはない価格帯ですが、タイの消費者はこれを「健康志向」や「ライフスタイルの一部」として受け入れています。
いわゆる「Affordable Luxury(手頃な贅沢)」としての地位を確立しました。
この影響で、より安価な「アイスグリーンミルクティー」の注文数も伸びており、ついに定番のブラックコーヒーを抜いてトップの座に就いています。
2. タイ人の定番激辛メニュー:
激辛ソムタムがフライドチキンを抜く

おしゃれな抹茶が流行る一方で、タイ人の「辛味愛」は揺るぎません。
長年デリバリー界の王者だったフライドチキンを抜き、2025年に最も注文された料理となったのは「ソムタム・プー・プラーラー」でした。
- 注文数:年間800万食以上
- 特徴:塩漬け蟹(プー)と発酵魚エキス(プラーラー)を使った、強烈な匂いと激辛が特徴の東北料理。
関連ワードである「ソムタム」「ヤム(和え物)」「麻辣(マーラー)」の検索数も累計1,600万回を突破しており、刺激的なローカルフードへの回帰が鮮明になっています。
3. タイの国民的ファストフード:
「ぶっかけ飯」が6500万食

トレンドとは別に、日常食として圧倒的な強さを見せたのが「カオ・ラート・ギャン(カレーぶっかけ飯)」です。
このカテゴリーの注文は年間6,500万回を超え、前年比で8%増加しました。
人気の理由:
物価高が続く中、「早い・安い・腹持ちが良い」という実用性が支持されています。豚揚げ、煮卵(カイパロー)、レッドカレーなどが人気メニューです。
その他:塩パンとプレミアム・タイティー
他にもユニークな流行が生まれています。
- 塩パン(Shio Pan):日本発祥のトレンド。1年間で取扱店が2,000店以上も新規オープンしました。
- ガイジョー(蟹肉揚げ春巻き):スナックとしてもおかずとしても人気が急上昇。
- プレミアム・タイティー:茶葉の産地にこだわった高級版が登場し、新たな市場を作っています。
まとめ:二極化する「タイ人の胃袋」
2025年のデータから見えるのは、タイ人の消費行動の面白い「二極化」です。抹茶にかんしては、大手のドリンクチェーンからも専用カテゴリーが充実するほどで最早メニューのバリエーションは日本以上かもしれません。またセブンイレブンのコンビニスイーツでも抹茶系のスイーツやお菓子をたくさん見かけます。
一方で「抹茶」のような健康的で高級感のあるものにお金を惜しまず、もう一方では「ソムタム・プー・プラーラー」のような強烈で安価なローカルフードを愛し続ける。またぶっかけ飯もデリバリーにマッチした低価格で高カロリーな満腹感を得られる食事です。
タイ旅行に来た際は、日本人もタイの抹茶製品のバリエーションを楽しんで見てはいかがでしょうか
2025年12月13日 12:15(現地時間) |著者: Keita Satou
この記事の出典
- Nation Thailand: Delivery Trends
- ThaiPR.net: LINE MAN Report
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
タイムラインバンコク編集部
Facebook(keita satou)

