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タイ 歴史的な仏塔が崩落 ナコンパノム県のプラタート・ノンターン

左側に崩落前のプラタート・ノンターン仏塔が立ち、右側には崩落後の瓦礫となった現場と、悲しむ地元住民の姿が写っている。上部には「歴史的な仏塔が崩落 タイ・ナコンパノム県 プラタート・ノンターン」というテキストと右下に出典:https://www.naewna.com/
Thaim Line Bangkok

【タイ】築121年の仏塔が豪雨で崩落。ナコンパノム県の歴史的建造物、再建へ

出典:https://www.naewna.com/

2025年10月12日午前9時40分ごろ、タイ東北部ナコンパノム県タウーテーン郡にあるワット・プラタートの仏塔「プラタート・ノンターン(พระธาตุโนนตาล)」が全壊しました。建立から121年、地域の信仰の象徴として親しまれてきた歴史的建造物の崩壊は、タイ社会に大きな衝撃を与えています。

  • 概要: 10月12日午前、美術局登録古跡である築121年の仏塔が全壊した。
  • 原因: 長雨による構造の含水と経年劣化が主因と見られ、以前から確認されていた亀裂が豪雨で臨界に達した可能性が高い。
  • 被害: 人的被害はなかったが、文化財としての損失は甚大。内部からは仏像や宝飾品などが発見・保全されている。
  • 今後の対応: 文化省と美術局が主導し、「原形踏襲での復元」を基本方針として、約2,000万バーツを投じて再建計画を進める。
  • 現状: 現場は遺物保全のため立ち入りが規制されている。

仏塔は村の象徴。移住開拓(19世紀後半)で集落が形成された後、僧侶と住民の寄進で建立。地域信仰の核として法会・祭礼が営まれてきました。

地図

崩壊の原因:長雨と経年劣化か

美術局の暫定的な見解によると、崩壊の主な原因は、長期間続いた雨による構造物への浸水と、レンガと漆喰で造られた塔の経年劣化と見られています。実際、この仏塔は2019年ごろから基礎の沈下や亀裂が確認されており、修復計画が持ち上がっていました。崩壊のわずか4日前には、修復工事の安全を祈願する儀式が行われたばかりであり、本格的な着手の矢先に崩壊した形となります。

人的被害はなく、内部の仏像などは無事

突然の崩壊でしたが、幸いにも人的な被害は報告されていません。崩壊した瓦礫の中から、塔の内部に納められていた仏像や宝飾品、古い仏具などが発見され、県や警察、美術局によって保全作業が進められています。

今後の対応:「原形踏襲」での復元へ

文化省と美術局は、崩壊した仏塔について「原形を踏襲して復元する」という基本方針を表明しました。復旧には約2,000万バーツ(約8,400万円)の費用が見込まれており、今後、残された部材の調査や記録保存を進めた上で、具体的な再建計画が検討されます。

まとめ:地域の象徴の再建に向けて

日本人にも馴染み深い仏教寺院の崩落事故。一般的な観光寺院ではなく地元民の信仰の象徴として存在していたようです。日本でいう檀家をかかえる地元のお寺みたいなイメージでしょうか。それだけに地元住民のショックは大きいことでしょう。

19世紀後半に移住してきた人々が、僧侶への寄進によって建立したこの仏塔は、1世紀以上にわたり地域の信仰の中心であり、村の象徴でした。現在、現場は文化財の保全と安全確保のため立ち入りが規制されています。

この記事を書いた人

keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

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タイムラインバンコク編集部は、バンコクに在住する経験豊富な編集者とライターからなる専門チームです。日本人メンバーだけでなく、日本語能力試験N1を持つタイ人メンバーも在籍しており、多様な視点から情報を捉えることを大切にしています。 インターネット上の情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、独自の取材・調査を行うことを信条としています。グルメ、ビューティー、最新ニュースからカルチャーまで、バンコクで暮らす人、訪れる人にとって本当に価値のある、正確で信頼できる情報を厳選してお届けします。日本のメディアに情報提供することもあります。
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