2025年9月、タイバーツは対米ドルで月間+0.4%以上上昇し、アジアの主要通貨の中でトップクラスの上昇率を記録しました。円安に悩む日本人旅行者や在住者にとっては、さらなる逆風とも言えるこの状況。本記事では、アジア全体の通貨動向と比較しながら、バーツ高の要因と現地へのリアルな影響を解説します。
アジア通貨の明暗分かれる、9月の為替市場
2025年9月 アジア通貨上昇率トップ3
- 1位:台湾ドル (TWD): 月間上昇率 約+0.6%
- 2位:タイバーツ (THB): 月間上昇率 約+0.4%
- 3位:韓国ウォン (KRW): 月間上昇率 約+0.3%
2025年9月 アジア通貨下落率トップ3
- 1位:インドルピー (INR): 月間下落率 約-0.5%
- 2位:日本円 (JPY): 月間下落率 約-0.4%
- 3位:マレーシアリンギット (MYR): 月間下落率 約-0.2%
タイバーツが上昇した理由
- 政情の安定化: アナンティン新首相の就任と新内閣の発足により、数ヶ月にわたる政治的な不透明感が払拭され、海外投資家の信頼が回復しました。
- 海外からの直接投資(FDI)の流入: 生産拠点を中国から東南アジアへ移す「チャイナ・プラスワン」の動きが加速しており、タイがその主要な受け皿の一つとなっています。
- 経常収支の黒字: 観光業の回復と輸出が堅調であることが、バーツ高の圧力となっています。
「現地の声」:バーツ高がもたらすバンコクのリアルな変化
- 「週末のショッピングモール、明らかに中国人の観光客が減った気がする…」
- 「観光地もいつもより混雑がすくなく快適だった」
- 「バーツ高だけど、輸入品が一向に安くなっておらずまったくバーツ高の恩恵を感じることができない。」
- 「むしろスーパーなどでは日に日に物価の上昇を感じる」
等の現地の声やネットでの書き込みを見かけます。
まとめ:バーツ高はチャンス?増加するプロモーションを狙え
「国内旅行のキャンペーンや高級レストランやホテルのプロモーションをうまく活用すれば、いつもより贅沢ができる」といったタイ人やタイ在住者の声も一方でみかけます。
バーツ高による旅行費用の割高感を打ち消すため、現在、多くのホテル、航空会社、飲食店が積極的なプロモーションを展開しています。「賢く情報を集めれば、むしろ以前よりお得に旅行できるチャンス」という声も上がっています。
この記事を書いた人
keita satou :(タイムラインバンコク編集部)
出典
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