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タイ陸軍がゴム弾と催涙ガスでカンボジア人の群衆を制圧 タイ・カンボジア国境付近で負傷者約28人

スマートフォンに表示された「ONLINE NEWS」画面とタイの地図、上部には「国境付近で負傷者約28人 タイ陸軍がゴム弾と催涙ガスでカンボジア人の群衆を制圧」のテキスト
Thaim Line Bangkok

2025年9月17日
タイ陸軍がゴム弾と催涙ガスでカンボジア人の群衆を制圧

昨日2025年9月17日(水)にサケーオ県のタイ・カンボジア国境付近で発生した衝突事案について、その後のタイ陸軍の対応と詳細情報をお伝えします。この衝突では、カンボジア人の群衆がタイ領内への侵入を試み、タイ陸軍が非致死性兵器で制圧。報道によると、約28人の負傷者が出ています。

事件の概要

  • 発生日時: 2025年9月17日(水)午後
  • 場所: サケーオ県アランヤプラテートとカンボジアのポイペトを結ぶ国境検問所周辺
  • 発端: タイ側が国境の主権を示すために設置した有刺鉄線を、数百人とされるカンボジア人の群衆が破壊し、タイ領内へ侵入しようと試みました。

タイ陸軍および国境警備隊の対応

タイ陸軍および国境警備警察は、状況をエスカレートさせないことを最優先しつつも、国境の主権を守るために以下の措置を取りました。

  • 段階的な警告: 当初、部隊は拡声器などを用いて、群衆に対してタイ領内に入らないよう、また有刺鉄線を破壊しないよう繰り返し警告しました。
  • 群衆制圧装備の使用(非致死性兵器): 警告にもかかわらず群衆が投石などの行為を始め、有刺鉄線を突破しようとしたため、治安部隊は状況を鎮圧するためにゴム弾と催涙ガスを使用しました。これは、殺傷能力のない「非致死性兵器」であり、国際的な基準に則った群衆管理の一環です。
  • 部隊の増強と監視体制の強化: 衝突後、タイ陸軍第2管区(タイ東北部を管轄)は、当該地域の部隊を増強し、監視体制を24時間体制で強化しています。これには、歩兵部隊によるパトロールのほか、監視塔やCCTV(監視カメラ)による常時監視が含まれます。

陸軍の公式見解と目的

  • 陸軍報道官の声明: タイ陸軍の報道官は、「今回の対応は、国家の主権を守るための必要最低限の措置であった」と発表。また、「我々は状況をエスカレートさせることを望んでおらず、外交ルートを通じた平和的な解決を支持する」と述べています。
  • 抑止力の維持: 現在の部隊の展開は、さらなる越境や衝突を防ぐための抑止力として機能しており、陸軍は状況を厳密に監視し、いかなる挑発行為にも冷静かつ断固として対応する構えです。

まとめ

この衝突の背景には、両国間の国境画定が完全には終わっていないエリアの領有権問題や、カンボジア側に拠点を置くオンライン詐欺グループの取り締まりをタイが強化していることへの反発など、複雑な要因が絡んでいるとみられています。7月末には無条件停戦に合意した両国間に再び亀裂が入らない事を願います。

出典

  • Bangkok Post
  • The Nation Thailand
  • Thairath

この記事を書いた人

keitasatou:タイムラインバンコク編集者
バンコク在住10年以上ライター、バンコクで複数のSNSを運用しておりフォロワー総数は7万人以上。ライターという特殊な職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。Facebook

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タイムラインバンコク編集部は、バンコクに在住する経験豊富な編集者とライターからなる専門チームです。日本人メンバーだけでなく、日本語能力試験N1を持つタイ人メンバーも在籍しており、多様な視点から情報を捉えることを大切にしています。 インターネット上の情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、独自の取材・調査を行うことを信条としています。グルメ、ビューティー、最新ニュースからカルチャーまで、バンコクで暮らす人、訪れる人にとって本当に価値のある、正確で信頼できる情報を厳選してお届けします。日本のメディアに情報提供することもあります。
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