【タイ・カンボジア国境紛争】停戦協議はわずか35分!協議は難航し避難民100万人の願いむなしく越年へ
わずか35分で終了した「停戦協議」
2025年12月24日、タイとカンボジアの国境紛争解決に向けた「国境一般委員会(GBC)」の事務レベル協議が、タイ東部チャンタブリー県で開始されました。
しかし、タイのNation TVなどの報道によると、初日の会合は開始からわずか35分ほどで終了しました。両国の溝は深く、停戦合意への道のりは険しいまま「越年」する可能性が高まっています。
最新の協議状況まとめ
- 日時:12月24日 午後4時30分〜(初日)
- 場所:チャンタブリー県バーン・パッカード国境検問所
- 現状:カンボジア側が停戦を書簡で要請するも、実質的な進展なく短時間で散会。26日まで事務協議を続け、27日の国防相会談を目指す。
カンボジア側の要求も開催地も変更ならず
協議の開催自体も危ぶまれていました。カンボジア国防省は直前まで、「戦闘が続く国境付近は危険だ」として、中立地であるマレーシア(クアラルンプール)での開催を要求していました。
これに対しタイ側は「会場は以前から決まっており安全は確保できる」と譲らず、最終的にカンボジア側が折れる形でチャンタブリー開催が実現しました。この外交的な駆け引きも、協議の空気を重くしています。
また「GBCメカニズムの下で停戦協議を行いたい」との発言もタイ側は条件をつきつけました。
タイが突きつける「真の停戦」3つの条件
「とりあえず戦闘を止めよう」というカンボジアに対し、タイ側は「単なる宣言だけでは意味がない」と強硬な姿勢を崩していません。シハサック外相は、以下の3つの条件をクリアしない限り、曖昧な合意には署名しないと警告しています。
- 1. 敵対行為の停止宣言:カンボジア側がまず明確に宣言すること。
- 2. 検証メカニズムの導入:第三者を含む監視団などが、本当に停戦が守られているか確認できる仕組みを作ること。
- 3. 地雷除去への協力:紛争の火種となり、民間人被害を出している地雷の除去に誠実に協力すること。
拡大する被害:避難民は100万人規模へ
外交交渉が難航する間も、国境地帯では戦闘が続いています。12月8日の再燃以降、状況は悪化の一途をたどっています。
- 軍事衝突:タイ軍によるF-16戦闘機の空爆と、カンボジア軍によるBM-21ロケット弾数千発の応酬。
- 人的被害:国境の両側で少なくとも44人が死亡(カンボジア民間人含む)。
- 避難民:カンボジア側で約54万5千人、タイ側で約40万人、合計約95〜100万人が家を追われています。
まとめ:平和な越年は絶望的か
ASEANや中国、そして米国(トランプ政権)からの圧力もあり、両国はテーブルには着きました。しかし、「35分」という協議時間が示す通り、実質的な歩み寄りは見られません。現在では国連やフランスなども停戦を要求しています。
27日に予定されている国防相会談で奇跡的な合意に至らなければ、国境地帯の住民は砲撃の音に怯えながら2026年を迎えることになります。お互いの納得いく着地点を見出すのは困難でカンボジアではすでに観光地での観光客の減少も目立ち始めています。
タイ旅行、特に陸路での国境越え(アランヤプラテートやチャンタブリー方面)を計画されている方は、最新の情勢に十分ご注意ください。
2025年12月25日 10:15(現地時間) |著者: Keita Satou
この記事の出典・参考
- Nation Thailand
- Reuters
- Bloomberg
この記事を書いた人
keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

