タイ・カンボジア国境紛争で日系企業8社が操業停止、駐在員は緊急退避へ
タイとカンボジアの国境紛争が、ついに「小競り合い」のレベルを超え、日系企業の経済活動に直接的な打撃を与え始めました。2025年12月19日現在、現地の状況は緊迫しており、物流や生産ラインへの影響が懸念されています。
カンボジアでの「日系企業の操業停止」の詳細と、なぜこの地域(ポイペト)が重要なのか、ビジネスや生活への影響を緊急解説します。
1. 日系企業8社が操業停止
12月19日までの報道および現地情報によると、国境紛争の影響で以下の事態が発生しています。
- 工場の稼働停止:カンボジア北西部「ポイペト(Poipet)」周辺の経済特区(SEZ)などに進出している日系企業(自動車部品、電子部品メーカーなど)のうち、少なくとも8社が操業を一時停止しました。
- 駐在員の緊急退避:国境付近に居住する日本人駐在員は、戦闘地域から離れたカンボジアの首都プノンペンや、安全な地域へ退避を完了しています。
2. なぜ「ポイペト」が爆撃されるのか?

「なぜ国境の街がこれほどニュースになるのか?」
その理由は、ポイペトが「タイ・プラス・ワン」と呼ばれるビジネスモデルの要衝だからです。バンコクからシェムリアップやプノンペンへ陸路で行き来する際の主要な経由地です。
サプライチェーンの分断
ポイペトはタイのアランヤプラテートと国境を接しており、「タイ側から部品を運び込み、カンボジア側の安価な人件費で組み立て、再びタイへ戻して輸出する」という流れが出来上がっています。
今回の紛争で国境検問所が機能不全に陥ったことで、このサプライチェーンが物理的に切断されました。
3. 物理的リスクの増大:空爆の衝撃
事態を決定的に悪化させたのが、12月19日に報じられた「空爆」の情報です。
- タイ空軍による空爆:これまでの地上部隊による砲撃戦に加え、タイ空軍がポイペト周辺を空爆したと報じられています。
- 被害状況の食い違い:カンボジア側は「避難民キャンプ近くまで爆撃された」と主張し、タイ側は「軍事拠点のみを攻撃した」と反論しています。
空からの攻撃が行われたことで、工場施設への誤爆リスクや従業員の心理的不安が限界に達し、各社が操業停止を決断したと考えられます。
ポイペトにはカジノがありタイからのギャンブル目的の訪問者が多いことで知られています。アンコールワットのあるシェリムアップからは150km程度の距離です。
4. 今後の懸念と私たちへの影響
この紛争は「遠くの出来事」ではありません。タイ在住者やビジネスマンにとって、以下のリスクが差し迫っています。また陸路は現在双方向ともに入出国が禁止されています。くれぐれも紛争地域に近づかないようにしてください。
想定されるリスク
- 物流の長期停止:部品供給が止まることで、タイ国内の完成車メーカーや親工場の生産ラインにも影響が波及する恐れがあります。
- 事業見直し:停戦の目処が立たない場合、カンボジアからの撤退や生産拠点の移管を迫られる企業が出てくる可能性があります。
- 観光への影響:アンコールワット(シェムリアップ)への観光は、現時点では極めてハイリスクです。陸路移動は絶対に避けてください。
2025年12月19日 10:00(現地時間) |著者: Keita Satou
この記事の出典・参考
本記事は以下の報道および公式情報を基に作成しました。
- Yahoo!ニュース
- FNNプライムオンライン
- TBS NEWS DIG
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
タイムラインバンコク編集部
Facebook(keita satou)
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