MENU

タイでコブラに咬まれ同日2人死亡 バンコク近郊サムットプラカーンとパトゥムターニで

タイのコブラ咬傷死亡事故に関する記事アイキャッチ画像。「タイでコブラに咬まれ同日2人死亡 バンコク近郊サムットプラカーンとパトゥムターニで」というテキスト。背景は警告標識とコブラのAI生成イラスト。(AI IMAGE)
keita satou

2025年10月23日(木)、タイ・バンコク首都圏(近郊県)において、猛毒を持つコブラに咬まれて死亡するという痛ましい事故が、一日のうちに異なる場所で2件発生しました。

奇しくも雨季が明け、乾季(涼季)に入ったばかりの時期であり、ヘビが民家に侵入しやすくなる季節です。改めて、タイに滞在する上での注意喚起が必要です。報道されている2件の事故の詳細と、万が一の際の対処法についてまとめます。

【サムットプラカーン県】自宅作業中にコブラに咬まれ死亡

  • 発生日時: 2025年10月23日(木)午前6:40頃(咬傷)、午前9時頃(発見)
  • 場所: サムットプラカーン県 バーンサーオトン地区 民家2階 作業部屋
  • 被害者: 39歳 男性(ナイ・マイさん)
  • 状況: 自宅2階の作業部屋に侵入した体長約1メートルのコブラを自力で捕まえようとした際、左手首を咬まれたとみられる。約2時間半後に同居する祖母(74歳)によって遺体が発見された。咬傷部位には明確な毒牙の痕があった。
  • 最後の連絡: 咬まれた直後、男性は祖母に電話。「おばあちゃん、僕のこと愛してる?」と尋ねた後、「実はコブラに咬まれた。何かあれば後のこと頼む」と告げ、通話が途絶えたという。
  • 現場: 救助隊到着時、現場にはまだコブラが残っており、隊員によって捕獲された。

出典:Sanook News, The Thaiger, Thai PBS (2025/10/23配信)

【パトゥムターニー県】深夜のトイレでコブラに咬まれ死亡

  • 発生日時: 2025年10月23日(木)午前3時頃
  • 場所: パトゥムターニー県 ラムルークカー郡 住宅内トイレ
  • 被害者: 41歳 男性
  • 状況: 深夜、トイレに入った際、便器の中に潜んでいたコブラに気づかず左足の太ももを咬まれた。
  • 最後の連絡: 激痛の中、寝室に戻り、別の県に住む母親に電話。「ヘビに咬まれた」と助けを求め、別れを告げた後に意識を失ったとされる。
  • 現場: 母親からの連絡で駆けつけた親戚・救助隊によって死亡が確認された。現場でコブラも捕獲された。

出典:Thaich.net, SNS速報等

両事故の共通点:最期の電話と毒の早さ

今回発生した2件の事故には、偶然にも被害者が咬まれた直後に近親者(祖母、母親)に電話で連絡を取り、別れを告げていたという、非常に痛ましい共通点があります。

どちらのケースも、助けが到着する前にコブラの強力な神経毒が回り、短時間で死に至ったと推測されています。コブラの毒がいかに危険であるかを改めて示す事例となりました。

事故の背景:雨季明けはヘビの活動期

タイでは、雨季が明けて乾季(涼季)に入る時期(10月~11月)になると、気温の変化や餌を求めて、ヘビ類が活動を活発化させます。涼しい場所や水を求めて民家に侵入するケースが増加し、特にトイレや台所などの水回り、庭の茂みなどで遭遇する危険性が高まります。

タイ保健省や各自治体は、住民に対し以下のような注意を呼びかけています。

  • トイレを使用する前には、便器の中や周辺にヘビがいないか確認する。
  • 夜間に屋外を歩く際は、懐中電灯などで足元を照らす。
  • 家の周りの茂みや草むらを定期的に手入れし、ヘビの隠れ場所をなくす。
  • ドアや窓の隙間を塞ぐなど、ヘビの侵入経路を断つ。

もしコブラに咬まれたら?【重要】

万が一、コブラ(または毒蛇)に咬まれてしまった場合、その毒は非常に強力で、迅速かつ適切な応急処置と医療機関での治療が生死を分けます。

行うべきこと:

  • 落ち着くこと: パニックになると心拍数が上がり、毒の回りが早まります。
  • 患部を動かさない: 咬まれた手や足を心臓より低い位置に保ち、できるだけ動かさないようにします。副木などで固定するのも有効です。
  • ヘビの種類を確認(安全な場合のみ): どのようなヘビに咬まれたか分かると、病院での治療(血清の選択)に役立ちます。可能であれば、安全な距離からヘビの特徴を覚えるか、写真を撮ります。無理に捕まえようとしたり、追いかけたりするのは絶対にやめてください。
  • すぐに助けを呼ぶ: **タイの救急車「1669」**に電話するか、周りの人に助けを求め、**一刻も早く病院へ**向かいます。
  • 観光客の場合: タイ語での連絡が難しい場合は、**観光警察「1155」**(英語対応可)に電話して助けを求めることも有効です。

やってはいけないこと:

  • ❌ 傷口を縛る(強く縛ると血流が止まり、組織が壊死する危険性)
  • ❌ 傷口を切開する(感染症のリスクを高める)
  • ❌ 傷口から毒を口で吸い出す(吸った人の口内に傷があると危険、効果も限定的)
  • ❌ アルコールを飲む(血行を促進し、毒の回りを早める)

まとめ

2025年10月23日、バンコク近郊のサムットプラカーン県とパトゥムターニー県で、同日に2人の方がコブラに咬まれて亡くなるという、大変痛ましい事故が発生しました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

雨季が明け、過ごしやすい季節になる一方で、ヘビとの遭遇リスクが高まる時期でもあります。タイにお住まいの方、旅行で訪れる方は、ヘビが潜んでいそうな場所(トイレ、茂み、水回りなど)への警戒を怠らず、ご自身の安全確保に努めてください。

そして、万が一咬まれてしまった場合に備え、正しい応急処置と緊急連絡先(救急1669、観光警察1155)を覚えておくことが非常に重要です。

出典・参考サイト

  • Sanook News
  • The Thaiger
  • Thai PBS
  • Thaich.net
  • タイ保健省 (Department of Disease Control)

この記事を書いた人

keita satou(タイムラインバンコク編集部)

バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

関連記事

about me
Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
記事URLをコピーしました