MENU

【タイ駐在者向け】e-WorkPermit開始!タイ政府が外国人向けデジタルID計画を本格化

スマートフォンにタイのデジタル労働許可証(e-WorkPermit)が表示され、その上部に「タイ在住者に朗報 デジタルワークパーミット e-WorkPermit開始」というテキストが記載された画像。
keita satou

【タイ駐在者向け】e-WorkPermit開始!タイ政府が外国人向けデジタルID計画を本格化

タイで働くすべての外国人にとって朗報です。2025年10月6日、タイ労働省は、これまで非常に煩雑だった労働許可証(ワークパーミット)の手続きを完全にオンライン化する新プラットフォーム「e-WorkPermit」を正式に発表しました。さらに政府は、タイ在住外国人全体を対象とした「デジタルID」の発行も計画しており、タイの行政サービスのデジタル化が外国人にとっても本格的に始動します。

本記事では、まず直近で利用可能になる「e-WorkPermit」の詳細と、その先に見据える国家戦略「デジタルID計画」の全容を詳しく解説します。

10月13日稼働開始!「デジタル労働許可証(e-WorkPermit)」とは

「e-WorkPermit」は、タイ労働省雇用局が管轄する、外国人労働許可証の申請・管理手続きをオンライン上で完結させるための新システムです。公式サイトは eworkpermit.doe.go.th で、10月13日(月)から正式に稼働を開始します。

公式サイト

何が変わる?役所への訪問が原則不要に

ピパット労働大臣によると、このシステムの最大のメリットは「ワンストップ・サービス」の実現です。

  • 24時間・どこからでもアクセス可能: 平日の日中に労働局へ出向く必要がなくなります。
  • 完全なペーパーレス化: 申請、書類提出、手数料支払い、許可証受け取りまで全てオンラインで完結。
  • プロセスの迅速化: 申請から承認までの時間が大幅に短縮されます。

国家戦略「デジタルID計画 第2期」が始動

e-WorkPermitの導入は、デジタル経済社会省(DES)が主導する、より大きな国家戦略の一部です。政府は2025年から2027年までの「デジタルID計画 第2期」を承認し、その中で初めてタイに居住する外国人や企業法人を対象に含めることを発表しました。

① 2027年までの目標:外国人・法人対応と行政サービスの拡大

この計画では、デジタルIDで利用可能な電子政府サービスを現在の約400から1,000件へと拡大することを目指しています。最大の目玉は、これまで対象外だった在タイ外国人(推定400〜500万人)と、企業などの法人を新たにデジタルIDの対象とすることです。

② 外国人向けデジタルIDの具体的なロードマップ

電子取引開発機構(ETDA)は、外国人のIDシステムはタイ国民より複雑であると認識しており、実現には入国管理局、労働省、タイ投資委員会(BOI)など複数省庁の連携が不可欠としています。計画では、2026年内に制度設計のための調査を完了させ、2027年から本格的な開発段階へ移行する予定です。

③ 背景にある79億バーツの国家予算と「Pao Tang」アプリの成功

この壮大な計画を支えるため、2025年度だけで79.6億バーツ(約334億円)もの国家予算が割り当てられています。政府がここまでデジタル化を急ぐ背景には、1人1万バーツのデジタル給付金配布に使われた政府公式アプリ「Pao Tang」の成功があります。この政策により、デジタルID登録者は2,000万人から一気に4,000万人超へと倍増しました。

まとめ:タイのデジタル・ガバメント化が加速

e-WorkPermitの開始は、タイで働く外国人にとって、時間と手間を大幅に削減する目前の大きな一歩です。そして、その先にある外国人向けデジタルID計画は、ビザや各種行政手続きのあり方を根本から変える可能性を秘めています。将来的には、出生証明書などをスマホで管理する「デジタル・ドキュメント・ウォレット」構想や、「国家AIセンター」の設立も検討されており、タイのデジタル化の波は今後ますます加速していきそうです。

この記事を書いた人

keita satou:タイムラインバンコク編集部。バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

著者のプロフィール詳細はこちら

関連記事

about me
Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
記事URLをコピーしました