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Thaim Line Bangkok
Thaim Line Bkk(タイムライン バンコク)
タイの金融が、世界でも先進的な一歩を踏み出します。世界銀行をはじめ、アメリカや中国といった経済大国もデジタル債券の実証実験を進めていますが、国家規模での本格的な一般販売はまだ稀であり、タイがこの分野のパイオニアとなる可能性があります。
そんな中、タイ政府はブロックチェーン技術を活用した同国初のデジタル国債「G-Token(ガ-トークン)」の発行を閣議決定しました。日本では現在、円と価値が連動するJPYC(ステーブルコイン)の認可が話題ですが、このG-Tokenは決済を目的としたステーブルコインとは全く異なる「投資用トークン」です。
予想利回りは年利2.5%以上と、現在の日本の国債を大幅に上回る水準です。この記事では、タイで誕生する新しい投資の形「G-Token」の全貌と、私たち日本人にとっての可能性を徹底解説します。
G-Tokenとは、従来の国債をデジタル化したもので、ブロックチェーン技術を用いて発行・取引されます。これにより、すべての取引が透明性を持ち、迅速に行われるのが特徴です。
重要なのは、これはビットコインのような暗号資産(仮想通貨)ではなく、また、かつて議論された「デジタルウォレット」政策とも全く関係がないという点です。あくまで政府が元本と利息の支払いを約束する、安全性を重視した投資商品です。
G-Tokenの最大の魅力は、その利回りの高さです。日本の代表的な安全資産である個人向け国債と比較してみましょう。
| 投資対象 | 期間 | 予想利回り(年利) |
|---|---|---|
| タイ G-Token | 1〜3年 | 約2.5% 〜 |
| 日本の国債 | 1年 | 約0.7% |
| 日本の国債 | 3年 | 約0.9% |
(日本国債の利回りは2025年8月時点の市場データ)
もちろん、タイバーツと日本円の為替変動リスクは考慮する必要がありますが、「タイ政府が保証する」という高い安全性を持ちながら、日本の国債の約3倍以上という利回り差は、非常に魅力的と言えるでしょう。
「ブロックチェーン」「デジタル資産」と聞くと、多くの方が「仮想通貨」を思い浮かべるかもしれません。しかし、G-Tokenを正しく理解するためには、それぞれの言葉の違いを知ることが重要です。
| 項目 | 仮想通貨 (例: ビットコイン) |
投資トークン (例: G-Token) |
ステーブルコイン (例: JPYC) |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | 全体の総称 | 仮想通貨の一種 | トークンの一種 |
| 価値の裏付け | なし(需要と供給のみ) | あり(国債、株、権利など) | あり(日本円、米ドルなど) |
| 目的 | 決済、価値の保存、投機 | 投資、資金調達、権利証明 | 安定した決済、送金 |
| 価格変動 | 非常に激しい | 比較的穏やか | ほぼ変動しない |
G-Tokenは、タイ政府の国債という明確な「価値の裏付け」を持つ投資トークンです。目的は、国にお金を貸して利息を得ることであり、価格が乱高下する投機目的の仮想通貨とは全く異なります。
一方、日本で話題のJPYCは、常に価値が「1 JPYC ≒ 1円」となるように設計されたステーブルコインです。その目的は、価格の安定性を活かした決済や送金であり、利息を得るための投資商品ではありません。
このように、G-Tokenは安全性を重視した新しい「投資」の形であり、他のデジタル資産とは性質が大きく異なることを理解しておくことが重要です。
今回タイが発行するデジタル国債のG-TOKEN
日本でもJPYCの認可などで話題になっているステーブルコイン
そしてビットコインなどの仮想通貨との違いをまとめました
タイ政府が打ち出したデジタル国債「G-Token」は、国の資金調調達を近代化し、国民に新しい投資の道を開く、まさに金融革命とも言える試みです。
最低数百バーツという低価格から、スマホ一つで手軽に国のプロジェクトに参入できる点は、これまで投資に縁がなかった人々にとって大きな魅力となるでしょう。
このような政府による債券のデジタル化は、世界でもまだ先進的な取り組みです。2018年に世界銀行が試験的な発行を行いましたが、国家規模での本格的な導入はまだ稀であり、タイがこの分野のパイオニアとなる可能性があります。
しかし、その成功には、サイバーセキュリティの確保や、デジタルに不慣れな層へのサポートなど、乗り越えるべき課題も少なくありません。私たち在住者や投資家は、このタイの大きな挑戦に期待を寄せつつ、発表される詳細な情報を冷静に見極め、そのメリットとリスクを十分に理解した上で参加を検討する必要があるでしょう。
keitasatoさん タイ在住ライター
バンコク在住10年以上。Facebook(フォロワー1700人)をはじめ、複数のSNSを運用(そうフォロワー7万人以上)。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。