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タイの日本食レストラン数が調査開始以来初の減少へ タイの大手メディアも大きく報道

バンコクの夜の街角にある、提灯が並んだ日本食レストランの外観イメージ。手前を歩行者が通り過ぎている。画像上部には「タイの日本食レストラン 調査開始以来初の減少 タイ大手メディアも大きく報道」のテキスト、右下に「AI IMAGE」の表記がある。
keita satou

2026年1月20日、日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所は「2025年度タイ国日本食レストラン調査」を発表しました 。2007年の調査開始以来、一貫して増え続けてきた 日本食レストランの店舗数が、約20年目にして初めて「純減」に転じたことが明らかになり、タイ現地の大手メディアもこの歴史的な転換点を大きく報じています 。

1. 衝撃の数字:初めての「マイナス成長」

今回の調査で、タイ全土の日本食レストラン数は5,781店舗となり、前年(5,916店舗)から135店舗(2.2%減)の減少となりました 。これまで右肩上がりだった市場が、ついに「淘汰・成熟期」に入ったことを裏付けています。

エリア 店舗数 前年比
バンコク 2,609店舗 2.4%減
バンコク近郊5県 846店舗 3.1%減
その他地方 2,326店舗 1.9%減
出典:ジェトロ・バンコク事務所 2025年度調査データ

2. 明暗を分けた業種:「ラーメン」増、「焼肉」激減

市場全体が縮小する中、ジャンルによって勝敗が鮮明に分かれています 。

  • 🍜 ラーメン(+2.6%):
    専門店としての質と、手頃な価格設定がタイ人の支持を集めています 。
  • 🍵 カフェ・喫茶(+6.4%):
    和スイーツや抹茶ブームが続き、最も伸びている業態です 。
  • 🥩 焼肉(-9.0%):
    減少率が最も高く、高単価な店からタイ式焼肉(ムーガカタ)等へ客が流出しています 。
  • 🍚 丼もの(-8.6%):
    競合過多やデリバリー需要の落ち着きにより、苦戦が続いています 。

3. 店舗減少の分析(タイの大手メディアとJETRO)

大手メディア「Nation Thailand」やジェトロの分析では、単なる不景気以上の構造的変化が指摘されています 。

  • 市場の飽和と差別化の難化:
    コンビニ等でも手軽に日本食が買えるようになり、「日本食」という看板だけでは集客できなくなっています 。
  • コスト高と購買力の低下:
    原材料費や人件費の高騰に加え、タイの家計債務問題による「コスパ重視(客単価の低下)」が直撃しています 。
  • 日本人駐在員の減少:
    主要顧客層である駐在員の減少や、円安による接待需要の縮小も高級店に影響を与えています 。

まとめ

タイの日本食市場は「出せば売れる」時代を終え、日本の都市と同様に本物の味を提供する「専門店」か、圧倒的な「コスパ」を誇る店と特別な体験を提供できる超高級店だけが生き残る二極化が進んでいます 。タイの大手メディアがトップニュースとして掲載していることがタイ人の日本食レストランへの関心の高さが伺えます。

また15年程前からはじまった日本人によるタイ進出ブームも経営者が長年の経営で高齢化による撤退という事例もすくなくありません。

サイクルが早いと言われるバンコクの飲食業界。日本旅行などで本物を知ったタイ人を満足させることができるお店が生き残っていくかもしれません。


この記事を書いた人

タイムラインバンコク編集部keitasatouのアイコン

keita satou : バンコク在住10年以上。最新ニュースを現地目線で発信するライター。Facebook等SNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。

出典

  • JETRO
  • The Nation Thailand
about me
Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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