【タイ服喪期間】事業者・在住者・旅行者への最新情報と注意点
【免責事項】
本記事に記載されている情報は、2025年10月25日 正午(12:00 バンコク時間)時点で確認できた公式発表や主要報道に基づいています。タイの服喪期間に関する規制や要請、イベントの開催状況等は今後変更される可能性があります。必ず最新の公式情報(タイ政府、関係省庁、イベント主催者等からの発表)をご確認いただくようお願いいたします。
シリキット王太后の崩御に伴う服喪に関する方針
在タイ日本大使館

2025年10月24日にタイのシリキット王太后陛下が崩御されたことを受け、タイは現在、国全体が深い悲しみに包まれ、服喪期間に入っています。
この状況を受け、タイで事業をされている方、お住まいの方、そしてこれからタイへの旅行を計画されている方々から、「普段の生活やビジネス、観光にどのような影響があるのか?」という疑問が多く寄せられています。
この記事では、現時点(10月25日正午)で判明している政府からの指示・要請内容と、それに基づく娯楽施設、店舗営業、イベント開催などへの影響、そして私たちが留意すべき点について、最新情報をまとめます。
政府発表:服喪期間と「協力要請」の内容 (10/25 12時時点)
まず、タイ政府から発表されている公式な指示・要請(10月25日時点)は以下の通りです。
- 政府機関・公務員:
- 官公庁、国営企業、学校などは、30日間、半旗を掲揚します。
- 公務員に対しては、1年間、喪に服し適切な服装(黒または白が基本)を着用するよう指示(または協力要請)が出ています。
- 一般国民・民間企業: こちらに対しては、強制力のある命令ではありませんが、「協力要請(お願い)」という形で以下の点が求められています。
- 各自の判断で、王太后陛下への哀悼の意を表すこと。
- 90日間は、黒い服など適切な(地味な)服装を着用すること。
- 15日間(10月25日から起算して~11月8日頃まで)は、「過度な娯楽活動(祭り、騒々しい音楽イベント、派手なパーティーなど)」を自粛すること。
ポイントは、一般市民や民間企業に対しては法律による強制ではなく、あくまで「国民感情に配慮し、協力をお願いします」というスタンスである点です。
バー・カラオケ・ナイトライフ施設の営業は? (10/25 12時時点)
多くの人が気になる夜の娯楽施設の営業についてです。
- 現状: 政府からバー、クラブ、カラオケ店などに対し、具体的な営業時間短縮命令や営業停止命令は出ていません。
- 予想される状況: 多くの店舗は営業を続ける可能性が高いですが、「協力要請」を踏まえ、特に最初の15日間は以下のような自主的な「控えめな運営」を行う店舗が多くなると予想されます。
- 音楽の音量を下げる、静かな選曲にする。
- 予定されていたライブ演奏やDJイベントなどを中止・延期する。
- 派手なネオンや照明を落とす。
- 自主的に営業時間を短縮する(特に深夜帯)。
- 過去の事例: 2016年のプミポン前国王陛下崩御の際は、最初の約1ヶ月間、多くの娯楽施設が自粛ムードとなりました。今回も最初の15日間以降も、ある程度の期間は同様の雰囲気が続く可能性があります。
- アドバイス: 行きたいお店が決まっている場合は、訪問前にお店のFacebookやInstagramなどで最新の営業情報を確認するのが最も確実です。「通常営業」と書かれていても、音楽や雰囲気が普段より静かになっている可能性は考慮しておきましょう。
飲食店・ショッピングモール・サービス業の営業は? (10/25 12時時点)
日常生活に必要な店舗やサービスの営業状況です。
- 現状: 政府からの具体的な規制はありません。
- 予想される状況: レストラン、カフェ、食堂、ショッピングモール、デパート、スーパーマーケット、コンビニ、マッサージ店、スパなどは、基本的に通常通り営業する可能性が極めて高いです。
- ただし: 店内のBGMがなくなったり、静かな曲調になったり、スタッフが黒いリボンを着用したり、店舗によっては一時的に営業時間を調整したりするなど、哀悼の意を示すための配慮が見られる可能性があります。
イベントへの影響は? (ハロウィン・ロイクラトンなど / 10/25 12時時点)
多くの人が楽しみにしている季節のイベント、特に間近に迫ったハロウィンやロイクラトンへの影響について、現時点での見通しを解説します。
大前提として、政府は10月25日から15日間、「過度な娯楽活動の自粛」を国民・民間企業に要請しています。この期間(~11月8日頃まで)に該当するイベントは、その性質によって影響度が異なると考えられます。
1. ハロウィン(10月31日)
- 影響の見通し: ハロウィン(10月31日)は、政府が要請する「15日間の娯楽活動自粛期間」の真っ只中にあたります。ハロウィンは本質的に「娯楽・パーティー」の要素が極めて強いイベントであるため、自粛要請の影響を最も強く受けると考えられます。
- 具体的な影響予測:
- カオサン通りやシーロム通りなどで例年見られるような大規模な路上パーティーやパレード、商業施設での大々的な販促イベントなどは、中止または延期される可能性が極めて高いです。
- バーやクラブで開催予定だったハロウィンテーマのパーティーについても、開催されたとしても音楽のボリュームを抑える、派手な装飾や仮装コンテストなどを自粛するなど、大幅に規模縮小・内容変更されるか、中止となる可能性が高いでしょう。
- 個人宅などでの私的な小規模な集まりは行われるかもしれませんが、公の場での派手な仮装や騒がしい振る舞いは控えるべき社会的な雰囲気となるでしょう。
2. ロイクラトン祭り(11月5日予定)
- 影響の見通し: ロイクラトン(11月5日予定)も「15日間の娯楽活動自粛期間」に含まれます。しかし、ロイクラトンは単なる娯楽ではなく、タイの重要な伝統文化・宗教行事としての側面も強く持っています。
- 具体的な影響予測:
- 灯籠流し(ロイクラトン)自体: 川の女神への感謝や厄払いという宗教的・文化的な意味合いが強いため、公園や寺院、川沿いなどで灯籠を流すという行為自体は、例年通り行われる可能性が高いと考えられます。(先日BMAが発表した公園開放も、この部分については継続される可能性が高いですが、最終確認は必要です)。
- 付随する「娯楽」要素: ただし、祭りに付随して各地で開催される予定だった大規模なコンサート、花火大会、美人コンテスト(ナーンノッパマート)、派手なパレードなどは、「過度な娯楽活動」とみなされ、中止、規模縮小、またはより厳粛な形式に変更される可能性が高いと考えられます。
- 全体的な雰囲気: 例年のような賑やかなお祭り騒ぎというよりは、より静かで伝統的な側面を重視した、厳かな雰囲気で執り行われることが予想されます。
【重要】
上記はあくまで現時点での予測であり、政府からの明確な中止命令が出ているわけではありません。個別のイベントや店舗の対応については、状況が変わる可能性も十分にあります必ず、参加を予定しているイベントの主催者や、訪問予定の店舗からの公式発表(ウェブサイト、SNSなど)を直前まで確認するようにしてください。
【FAQ】服喪期間中のよくある質問 (10/25 12時時点)
Q1: 服装は必ず黒か白でないといけませんか?
A: 一般の方や旅行者への服装の強制はありません。しかし、政府は国民に対し90日間、哀悼の意を示す適切な服装(黒など地味な色)を着用するよう協力をお願いしています。特に王宮周辺や政府関連施設、寺院などを訪れる際は、敬意を示すために落ち着いた色合いで露出の少ない服装を心がけることが強く推奨されます。
Q2: 旅行中に観光地は閉まっていますか?
A: ほとんどの観光地(寺院、博物館、公園、ショッピングモールなど)は通常通り開いている可能性が高いです。ただし、王宮や関連施設など、王室と直接関わりの深い場所については、儀式などのために一時的に閉鎖されたり、入場時間が変更されたりする可能性があります。訪問前には公式サイトなどで確認することをおすすめします。
Q3: レストランやバーでお酒は飲めますか?
A: 現時点(10/25 12時)で、政府からアルコール販売を禁止する命令(禁酒令)は出ていません。したがって、多くのレストランやバーでは通常通りお酒を提供していると考えられます。ただし、特に最初の15日間は、店舗によっては音楽を控えたり、雰囲気を落ち着かせたりする自主的な配慮を行っている場合があります。
Q4: イベント(ハロウィン、ロイクラトン)は中止になりますか?
A: 政府は15日間の娯楽活動自粛を要請しています。これにより、ハロウィンの大規模パーティーは中止・延期の可能性が高いです。ロイクラトン(11月5日予定)もこの期間に含まれるため、灯篭流し自体は行われる可能性がありますが、関連する派手な催しは縮小・中止される可能性があります。必ず主催者の最新情報を確認してください。
Q5: この状況(自粛ムード)はいつまで続きますか?
A: 政府が娯楽活動の自粛を要請しているのは15日間、国民に適切な服装を要請しているのは90日間です。社会全体の自粛ムードがどの程度、どのくらいの期間続くかは現時点では断言できませんが、少なくとも最初の15日間~1ヶ月程度は、娯楽関連を中心に通常とは異なる雰囲気になる可能性があります。状況は徐々に落ち着いていくと考えられますが、タイ国民の感情に配慮した行動が大切です。
Q6: 閉鎖される寺院や施設はありますか?
A: 王宮およびエメラルド寺院の一時閉鎖 シリキット王太后陛下のご安置に関する王室儀式のため、王宮(The Grand Palace)およびエメラルド寺院(Wat Phra Kaew)は、以下の期間、一般の参拝・観光客の立ち入りができません。
- 閉鎖期間: 2025年10月26日(日)~ 11月8日(土)
旅行者・在住者が留意すべきマナー
繰り返しになりますが、タイ国民全体が深い悲しみの中にいることを理解し、敬意と配慮を持った行動を心がけることが大切です。
- 服装: 強制ではありませんが、公共の場ではなるべく黒・白・グレーなど落ち着いた色合い、露出の少ない服装を選ぶと良いでしょう(特に最初の90日間)。
- 言動: 公共の場で大声で騒いだり、飲酒して酩酊したりするなど、TPOをわきまえない行動は厳に慎むべきです(特に最初の15日間)。
- SNS: 王室に対する敬意は絶対です。不敬な内容や不確かな噂の投稿・拡散は絶対に避けてください(不敬罪に問われる可能性もあります)。
まとめ
シリキット王太后陛下のご逝去に伴い、タイは服喪期間に入りました。この記事では2025年10月25日正午時点での、事業者、在住者、旅行者への影響についてまとめました。
プミポン前国王がご逝去された際の経験談です 露出の多い服装はNG 黒の服が推奨されました。 露店で喪章が販売されており、それをつけて会議や仕事に向かっていました。
現時点では、日常生活やビジネス、観光への強制的な規制は限定的ですが、政府からの「協力要請」(特に最初の15日間の娯楽自粛、90日間の服装配慮)を理解し、尊重することが重要です。
状況は日々変化する可能性もありますので、タイ政府や関係機関、イベント主催者などからの最新の公式情報を常に確認するようにしてください。そして何よりも、タイ国民の深い悲しみに寄り添い、敬意と配慮を持った節度ある行動を心がけましょう。
出典・参考サイト
- タイ首相府 (Office of the Prime Minister)
- タイ政府広報局 (Public Relations Department)
- バンコク都庁 (BMA)
- タイ国政府観光庁 (TAT)
- Bangkok Post, Khaosod English, Time Out Bangkok 等 主要メディア
- 在タイ日本大使館
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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最終更新日:2025年10月29日 シリキット王太后の崩御に伴う服喪に関する方針在タイ日本大使館からの情報を追加 タイトル修正

