タイ観光客数が10年ぶりに減少へ。バーツ高や国境紛争、地震・洪水が影響
観光客が10年ぶりの減少を記録
2025年12月30日、タイ観光スポーツ省が統計を発表しました。
2025年の外国人旅行者数が、パンデミック期間(2020〜2022年)を除き、過去10年間で初めて減少に転じたことが確認されました。
- 総数(1/1〜12/28):3,260万人
- 前年同期比:7.29% 減少
(2024年同時期:3,550万人)
タイのGDPの約5分の1(20%)を占める観光産業にとって、最も収益が見込めるハイシーズン(11月〜2月)に数字を落とすという、極めて深刻な事態となっています。
なぜ減ったのか?重なった「複数の要因」
今回の減少は単なる需要の減退ではなく、「経済」「安全保障」「自然災害」という複数の逆風が同時に吹き荒れたことによる複合的な危機(Multiple Crises)であると分析されています。
① 記録的なバーツ高による「割高感」
外国人旅行者にとって、タイ旅行はもはや「安くてお得」ではなくなりつつあります。
2025年12月下旬時点で1ドル=31〜32バーツの水準まで上昇。年初来で対ドル9.4%の上昇を記録し、アジア地域通貨の中で最も強い動きを見せました。
この結果、より通貨が安く割安感のあるベトナムやインドネシアへ、予算重視の旅行者層が流出しています。
② 国境紛争と欧米の渡航警告
12月初旬、タイ・カンボジア国境(トラート県・サケーオ県など)で砲撃や空爆を含む紛争が再燃しました。
これを受け、米国、英国、EU諸国などが「国境から50km圏内への渡航回避」を勧告。戦闘は局地的であり、すでに停戦合意が署名されましたが、欧米からの予約キャンセルという実害はハイシーズンを直撃しました。
③ 自然災害(洪水・地震)への不安
今年は自然災害の影響も色濃く残りました。
- 洪水被害: 北部チェンライやチェンマイなどで発生した大規模な洪水被害により、復旧が進んでいない地域への観光客の足が遠のきました。
- 地震への懸念: 3月頃の地震報道やタイ北部や近隣国での地震活動の報道が続き、旅行者の心理的な不安要素となりました。
現場の悲鳴:カオサン通りは稼働率低下
バックパッカーの聖地、バンコクの「カオサン通り」もこの影響を直撃しています。
- ホテル稼働率:70〜80%
(例年の年末年始はほぼ満室) - 予約状況:例年より約30%減
カオサン通りビジネス協会のサンガー会長は、「COVID-19規制緩和以降、最も厳しい時期だ」と危機感を露わにしています。
まとめ
「観光立国タイ」が直面した10年ぶりの減少。2026年は、バーツ高対策と安全への信頼回復、そして政治と自然災害リスクへの対応が、観光客を呼び戻すための絶対条件となりそうです。日本も観光立国タイのインバウンド戦略から学ぶ点もきっとあるはずです。
2025年12月30日 16:45(現地時間) |著者: Keita Satou
出典・参考リンク
- Investing.com
- Reuters
- Thai Examiner
この記事を書いた人
keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
著者のプロフィール
- ライター紹介:https://enjoy-bkk.com/about/
- Facebook:https://www.facebook.com/thaimlinebkk
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