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【タイ生活情報】果物や野菜は良く洗った方がよい理由を解説 残留農薬や寄生虫について

タイのスーパーに並ぶ新鮮な野菜。残留農薬や寄生虫のリスクを避けるための正しい洗い方について解説する記事のサムネイル画像。
Thaim Line Bangkok

果物や野菜の天国 タイ

タイの伝統的な市場(タラート)に並ぶ色とりどりの新鮮な野菜。輸入品や密輸品が紛れ込む可能性もあり、安全に食べるには洗浄が重要となる。
市場やスーパーには、色鮮やかで新鮮な野菜や果物が一年中あふれています。この豊かな恵みを日々の食卓で楽しめるのは、タイ生活の大きな魅力です。

しかしその一方で、安心して口にするためには知っておきたいのが「残留農薬」と「寄生虫」のリスクです。

なぜタイでは特に野菜や果物を良く洗う必要があるのか?
ここではタイの果物や野菜について解説します。
タイの市場に並ぶマンゴーなどの南国フルーツ。残留農薬のリスクがあるため、皮をむく果物でも食べる前には表面を洗うことが推奨されることを示す画像。

【理由その1】避けては通れない「残留農薬」の問題

タイでは、消費者団体「Thai-PAN」などが定期的に市販の青果物の残留農薬検査を行っています。残念ながら、これらの調査ではスーパーや市場で販売されている一部の野菜や果物から、タイ国内や輸出先の安全基準値を超える農薬が検出されることが度々報告されています。
  • 2024年10月:モダン・トレード/スーパー等で販売されている24サンプル中、23サンプルで法律の許容限度(MRL)を超える農薬残留が検出(95.8%)。複数の禁止薬物や「規定なし」の残留農薬が含まれていた。
  • 2024年12月:Thai-PANのテストで、多くの果物サンプルにおいて有害残留物質が安全基準を超過。具体的品種・数量は出展にて確認
  • 2025年7月:消費者団体がスーパー/モダン・トレード等で販売されるShine Muscatでの残留農薬超過のリスクを再警告。過去のデータを受けての提案など。
もちろん、すべての野菜や果物が危険というわけではありません。しかし、こうしたリスクが存在することを理解し、「食べる前によく洗う」という自衛策を講じることが非常に重要になります。
出典
モダン・トレードとは:スーパーマーケット、コンビニエンスストア、デパート、ショッピングモールなどの、企業資本によって経営される近代的な小売形態を指します。

【理由その2】生食文化と隣り合わせの「寄生虫」リスク

外食では不足しがちな、野菜やサラダこれらも健康にいい反面、寄生虫の感染源となる可能性があります。

土壌で栽培される野菜には、寄生虫の卵が付着していることがあり、洗浄が不十分なまま口にすることで体内に取り込んでしまう危険性があります。寄生虫は加熱すれば死滅しますが、生で食べる機会が多いタイの食文化だからこそ、食べる前の洗浄が感染予防の最も効果的な手段となります。

【理由その3】輸入品と密輸品がもたらすリスク

私たちの食卓にのぼる野菜や果物は、タイ産だけではありません。特に近年は中国や近隣諸国からの輸入品も多く流通しています。これらの中には、新たなリスクが潜んでいる可能性があります。
  • 輸入品のリスク タイ産業連盟(FTI)などが指摘しているように、輸入品の一部からタイでは使用が禁止されている農薬や、基準値を超える化学物質が検出されることがあります。輸出元の国の基準とタイの安全基準が異なるために起こる問題です。シャインマスカットなどの人気の果物で問題が発覚したこともあります。
  • 密輸品のリスク さらに深刻なのが、正規の検疫や検査を通らずに国境を越えてくる密輸された農産物や農薬です。どのような環境で育てられ、どんな農薬が使われたか全く不明なため、安全性のリスクは計り知れません。また、違法に持ち込まれた安価で危険な農薬がタイ国内の農家で使われてしまうことも、全体の食品安全を脅かす大きな原因となっています。
消費者にとって、産地を正確に把握し、これらのリスクを完全に見分けるのは困難です。だからこそ、産地に関わらず、すべての野菜や果物を「食べる前によく洗う」という基本の対策がより一層重要になるのです。

【正しい洗い方】
家庭でできる!農薬・寄生虫対策の基本

では、具体的にどう洗えば良いのでしょうか。いつもの手順に一手間加えるだけで、リスクを大幅に減らすことができます。

ステップ1:まずは物理的に除去!「流水でのこすり洗い」

キッチンシンクでトマトを流水で洗っている様子。タイの野菜の残留農薬や寄生虫を落とすための基本的な洗浄方法を示す画像。
残留農薬や寄生虫を落とす第一歩は、流水でしっかりこすり洗いすることです
基本中の基本ですが、非常に重要です。ボウルに溜めた水ではなく、必ず流水を使い、手で優しくこすり洗いしてください。これにより、表面の泥やホコリと一緒に、多くの農薬や寄生虫の卵を物理的に洗い流すことができます。

ステップ2:効果を高める「浸け置き洗い」

さらに念入りに対策したい場合、タイのスーパーで簡単に手に入るアイテムを使った「浸け置き」が効果的です。
重曹(ベーキングソーダ)で農薬対策
  • 方法: 水1リットルに対し、大さじ1杯程度の重曹を溶かし、10〜15分浸け置く。
  • 効果: 表面に付着したワックスや、一部の残留農薬を分解・除去する効果が期待できます。
お酢で殺菌・寄生虫対策
  • 方法: 水とお酢を10:1の割合で混ぜ、5〜10分浸け置く。
  • 効果: 殺菌効果が期待でき、寄生虫の卵を落としやすくします。野菜がシャキッとする効果も。
※浸け置きの後は…
どちらの方法でも、最後は必ずきれいな流水でしっかりとすすぎ、重曹やお酢を洗い流してください。

【種類別】洗浄のポイント

  • 葉物・ハーブ類 (パクチー、レタスなど): 根元に土が残りやすいので、一枚ずつ丁寧に洗いましょう。
  • 皮ごと食べる果物 (リンゴ、ぶどうなど): ぶどうは房から外して一粒ずつ洗うのが理想的です。
  • 皮をむく果物 (マンゴー、柑橘類など): 切る前に必ず皮の表面を洗いましょう。 皮に付着した農薬や雑菌が、包丁を通じて果肉に付着するのを防ぎます。

なぜ残留農薬がなくならないのか?日本との違い

農薬の噴霧器を背負い、自転車に乗るタイの農家。タイの残留農薬問題の背景にある、農家の現状や農薬の使用実態を象徴する画像。
タイ農薬の「収穫前使用日数」の現状
タイでも、日本と同様に、農業・協同組合省農業局(กรมวิชาการเกษตร)に農薬を登録する際、使用方法の一つとして「収穫前使用日数」に相当する情報が定められています。タイ語では ระยะเวลาที่ต้องหยุดใช้สารเคมีก่อนการเก็บเกี่ยว(収穫前に農薬の使用を中止すべき期間)などと表現されます。しかしながら現状では以下のような状況が考えられます。
  • 農家の遵守と当局の執行の問題: 法律や制度があっても、農家がそれを必ずしも遵守しているとは限りません。特に小規模農家などでは、知識不足や収穫を早めたいといった経済的な理由から、収穫前使用日数が守られないケースがあると指摘されています。また、広大な農地すべてを当局が監視・執行するのは困難な状況があります。
  • 非登録・偽造・密輸農薬の存在: タイでは、政府に正規登録されていない安価な農薬や、禁止されている危険な農薬が違法に流通していることが社会問題となっています。これらの非正規の農薬には、そもそも適切なラベル表示がなく、非常に危険な使われ方をする可能性があります。
  • ラベルの分かりにくさと意識: 正規の農薬であっても、ラベルの表示がタイ語のみであったり、説明が専門的で分かりにくかったりすることがあります。これにより、使用者が内容を正しく理解せずに使ってしまう可能性も考えられます。
タイにも農薬ラベルに収穫前使用日数を記載する制度はありますが、それが全ての農家によって遵守されているわけではなく、また非正規の農薬も流通しているため、結果として日本のような厳格な義務付けとしては機能していない側面があります。

安全な水で野菜を洗おう

キッチンシンクで葉物野菜(レタス)を流水で洗う様子。特に寄生虫のリスクがある葉物野菜の丁寧な洗浄方法を示す画像。
葉の付け根は汚れが溜まりやすいため、一枚ずつ流水で丁寧に洗いましょう。
残留農薬や汚れを洗い流すためには、基本となる「水」も重要です。
浄水器なら、一度の使用量は制限される場合もありますが、実質使い放題のプランが多いので水をたくさん使う家庭には経済的です。
バンコクで安心して使える、おすすめの浄水器サービスをご紹介します。
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タイムラインバンコク編集部
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タイムラインバンコク編集部は、バンコクに在住する経験豊富な編集者とライターからなる専門チームです。日本人メンバーだけでなく、日本語能力試験N1を持つタイ人メンバーも在籍しており、多様な視点から情報を捉えることを大切にしています。 インターネット上の情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、独自の取材・調査を行うことを信条としています。グルメ、ビューティー、最新ニュースからカルチャーまで、バンコクで暮らす人、訪れる人にとって本当に価値のある、正確で信頼できる情報を厳選してお届けします。日本のメディアに情報提供することもあります。
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