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【タイ】洪水被害が深刻 19県で10万人超が被災、死者22人。政府は支援金支給を決定(10月8日時点)

冠水したタイの街をボートで移動する人々の様子と、上部に「タイ洪水:被害深刻化、政府が支援金支給へ」という見出し。
Thaim Line Bangkok
2つの台風と雨季の影響で冠水や洪水被害がつづくタイの洪水のようすをしめす画像。
出典:https://www.dailynews.co.th/news/5183589/

【タイ洪水まとめ】被害状況・原因・9000B支援金・
今後の見通しを解説(10月8日時点)

2025年10月8日朝時点、タイでは台風の間接的な影響とモンスーンの活発化により、北部・中部を中心に深刻な洪水被害が広がっています。防災減災局(DDPM)の10月7日の発表によると、被害は全国19県、10万人以上の世帯に及び、死者も22人にのぼっています。政府は被災世帯に対し、一律9,000バーツの支援金を支給することを決定しました。

本記事では、現在の被害状況、洪水の原因、政府の支援策、そして今後の見通しと注意すべき点について、公式発表を基に詳しく解説します。

全国19県、10万世帯以上に広がる被害

防災減災局(DDPM)の10月7日時点の公式発表によると、被害の全体像は以下の通りです。

  • 影響規模: 19県・84郡・541地区、109,426世帯(約36.9万人)
  • 死者: 22人(ウッタラディット8人、アユタヤ8人など)

特に、ウッタラディット、ピッサヌローク、スコータイ、アユタヤなどチャオプラヤー川流域の中部・北部地域で浸水が続いています。

政府の対応:1世帯あたり9,000バーツの支援金

10月6日、国家防災管理委員会(NDMC)は、今回の洪水で被災した世帯に対し、一律9,000バーツ(約37,800円)の支援金を支給することを決定しました。アヌティン首相兼内相の指示のもと、各県が実地調査を行い、被災世帯の名簿を作成した上で、迅速かつ公平に支給される予定です。申請方法については、まずはお住まいの地域の行政事務所(区役所、郡役場など)からの案内に従ってください。

なぜ洪水は悪化したのか?雨季終盤のダブルパンチ

タイの雨季は例年5月中旬から10月中旬まで続きますが、今年は雨季の終盤に2つの台風が立て続けに影響したことで、被害が拡大しました。

9月下旬、まず台風「ラガサ(Ragasa)」が南シナ海を進み、タイ全土のモンスーンを刺激して各地で大雨を降らせました。そして10月上旬、今度は台風「マットモ(Matmo)」がベトナムに接近。タイに直接上陸はしなかったものの、再び南西モンスーンを強力に活性化させ、北部・東北部に断続的な豪雨をもたらしました。

このダブルパンチにより、各河川は増水し、チャオプラヤー川上流のダムの貯水量が限界に近づきました。王立灌漑局(RID)はダム決壊を防ぐためにチャオプラヤー・ダムからの放流量を増加。これが下流のアントーン、アユタヤなどの県で河川の水位を急上昇させ、洪水被害を深刻化させています。

今後の見通しと警戒すべき点(〜10月13日)

警戒すべき期間:10月10日〜11日の大潮

今後最も警戒が必要なのが、10月10日から11日頃に迎える海の満潮(大潮)です。上流からの大量の放水と、満潮による海面水位の上昇が重なることで、チャオプラヤー川の河口付近で水が流れにくくなり、バンコクを含む下流域で水位がさらに上昇する危険性があります。特に堤防の外側や低地にお住まいの方は、最新の水位情報に注意してください。

雨の動向:雨域は中部〜南部へ

タイ気象局(TMD)によると、10月9日以降、雨の中心は北部・東北部から中部・東部・南部へと移る見込みです。上流の雨は峠を越えつつありますが、今後はバンコク近郊や南部での局地的な大雨にも注意が必要です。

まとめ:旅行者・在住者へのアドバイス

今回の洪水は、特にチャオプラヤー川流域で影響が続いており、10月10日〜11日の大潮の時期に再度水位が上昇する可能性があります。在住者および旅行を計画されている方は、以下の点にご注意ください。

特に注意が必要な地域

アユタヤ、アントーン、シンブリー、チャイナートなどの中部地域、およびパトゥムターニー、ノンタブリー、バンコク都のチャオプラヤー川沿いの低地(特に堤防の外側)では、越水や内水氾濫のリスクが高まっています。アユタヤの遺跡群など、川沿いの観光地へ行かれる際は、事前に道路状況や施設の運営状況を確認することを強くお勧めします。

防災情報と連絡先

  • 緊急連絡先: 防災減災局(DDPM)24時間ホットライン 1784
  • LINE公式アカウント: @1784DDPM で友達登録すると、警報などを受け取れます。
  • 気象情報: タイ気象局(TMD)公式サイト
  • 水位・ダム情報: 王立灌漑局(RID)、国家水資源室(ONWR)

携帯電話に届く緊急速報(セルブロードキャスト)にも注意し、常に最新の情報を入手するようにしてください。

この記事を書いた人

keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

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タイムラインバンコク編集部は、バンコクに在住する経験豊富な編集者とライターからなる専門チームです。日本人メンバーだけでなく、日本語能力試験N1を持つタイ人メンバーも在籍しており、多様な視点から情報を捉えることを大切にしています。 インターネット上の情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、独自の取材・調査を行うことを信条としています。グルメ、ビューティー、最新ニュースからカルチャーまで、バンコクで暮らす人、訪れる人にとって本当に価値のある、正確で信頼できる情報を厳選してお届けします。日本のメディアに情報提供することもあります。
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