【タイ生活】家主の電気・水道料金のぼったくりは違法 料金目安と通報先まとめ
タイ、特にバンコクのアパートやコンドミニアムで賃貸契約をしている方にとって、非常に重要なニュースです。家主(オーナー)が電気代や水道代を、実際の請求額よりもはるかに高い「独自レート」で請求する、いわゆる「ぼったくり」について、タイ消費者保護委員会(สคบ. / OCPB)が改めて「違法である」と強く警告・発表しました。
2025年11月9日、タイの主要メディアなどは、この「上乗せ請求」に関する苦情が殺到していることを受け、消費者保護委員会が取り締まりを強化する方針であると報じました。この記事では、違法となるケース、料金の目安、そして不当請求の被害に遭った場合の通報先について詳しく解説します。
消費者保護委員会(สคบ.)が禁止する「上乗せ請求」とは
今回の再周知は、大家が「公共料金」を利益(利ざや)を得る手段として利用することを明確に禁止する点にあります。実際に被害が相次いでいるため
- 禁止事項:
大家は、タイ首都圏電力公社(MEA / การไฟฟ้านครหลวง)や首都圏水道局(MWA / การประปานครหลวง)から請求された「実際の単価(อัตราจริง)」を超えて、借主に請求してはなりません。 - よくある違反例:
(例)電力公社からの請求単価が 1ユニットあたり約 4〜5 バーツ なのに、大家が独自レート(例:1ユニットあたり 8〜10 バーツ)を設定して請求する。
(例)水道局からの請求単価が 1ユニットあたり約 10〜15 バーツ なのに、大家が独自レート(例:1ユニットあたり 20〜25 バーツ)を設定する。
タイ大手メディアは、これらの行為が「借主から不当に利益を得るもの(เอาเปรียบผู้บริภค)」であるとして、明確に禁止されていると報じています。
あなたの請求書は大丈夫?料金目安と確認方法
借主が自分で不当な上乗せ請求をされていないか確認するために、料金の目安と確認方法をご紹介します。
1. 公共料金の目安(2025年時点)
- 電気料金: 1ユニット(kWh)あたり 約 3.98~4.15 バーツ(国の規制単価)
- 水道料金: 1ユニットあたり 約 18〜25 バーツ(コンドミニアムなどが設定する一般的な単価目安)
もし、これよりも著しく高い単価(特に電気代が1ユニット7バーツを超えるなど)が設定されている場合は、上乗せ請求の疑いがあります。
2. 請求書の確認方法
- メーターの確認: 賃貸物件の水道メーターや電気メーターの数値を自分で定期的にチェックし、大家が提示する請求書の使用量と照合します。
- 請求書明細のチェック: 請求書に記載されている「使用量」と「料金単価」が、上記の公式単価とかけ離れていないか確認します。
- 支払先の確認:大家の個人名義の口座になっていないか?などの確認
- 自身の契約しているコンドミニアムのインフォメーションに相談
不当請求(ぼったくり)の被害に遭った場合の通報先
もし違反(上乗せ)が疑われる場合、借主は消費者保護委員会(สคบ.)に通報・苦情を申し立てることができます。
- オンライン(推奨):
消費者保護委員会(สคบ.)の公式ウェブサイト( www.ocpb.go.th )または公式アプリ「OCPB Complaint」から通報できます。
URL:https://www.ocpb.go.th/ - 電話ホットライン:
สายด่วน 1166 (消費者保護ホットライン) - 直接窓口:
バンコクの主要窓口は「チェーンワッタナ(แจ้งวัฒนะ)通り」にある「政府総合庁舎(ศูนย์ราชการฯ)」のラーチャブリー・ディレクリット・ビル(B棟)内となります。(※一部でスクムビットと報道されていましたが、こちらが現在の主要窓口です)
申し立ての際は、賃貸契約書のコピー、問題のある請求書、メーターの写真などがあるとスムーズです。
まとめ
タイの賃貸あるあるの話です。大手のコンドミニアムではあまり話は聞きませんが、家主さんが一括管理のアパートやタウンハウスやテナントではよく被害を聞きます。共益費の一部だと思って支払っていたが、実際は上乗せされていたというのはよくある話です。私は、日本でテナントビルの契約時で実際に被害にあったことがあります。
今回の消費者保護委員会(สคบ.)による発表は、タイの賃貸住宅(特にアパートや寮)で横行している「公共料金のぼったくり」に対し、行政が本格的に取り締まりを強化することを示すものです。
タイで賃貸物件に住んでいる方、これから住む予定の方は、請求書の単価が「実際の単価」に基づいているかをしっかり確認し、もし不当な上乗せ請求があれば、泣き寝入りせずに「1166」やオンラインで通報する権利があることを覚えておきましょう。
この記事の出典
- Matichon Online
- JETRO(電気料金目安)
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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