2025.11.15

タイ国籍の女3人北海道で不法就労の疑いで逮捕も否認

keita satou

2025年11月、北海道札幌市中央区の社交飲食店で、在留資格外の活動（不法就労）をさせたとして、タイ国籍の女3人が出入国管理及び難民認定法違反の疑いで逮捕されました。北海道文化放送（UHB）や北海道放送（HBC）などが報じています。

警察によると、風俗店従業員の女は、自らが運営する接待を伴う飲食店で、ホステスとして違法に会社員の女ら2人を働かせ、報酬を渡した疑いが持たれています。
会社員の女とホテル従業員の女は、在留資格に含まれてないにもかかわらず、風俗店従業員の女が運営する飲食店で、ホステスとして違法に働き、報酬を受け取った疑いが持たれています。

事件の詳細と容疑

警察の発表によると、逮捕されたのはいずれもタイ国籍で札幌市在住の3人の女です。

店長の女（40）：
自身が運営する接待を伴う飲食店で、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を持つタイ国籍の女2人を、資格外活動の許可なくホステスとして働かせ、報酬を渡した疑い。
会社員の女（34）：
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で在留中、許可されていないホステス業務に従事し、報酬を受け取った疑い。
ホテル従業員の女（30）：
同上。

2025年9月、警察に情報提供があり内偵捜査を進め、11月6日に3人の容疑が固まったとして逮捕に至りました。

3者の供述（容疑の認否）

警察の調べに対し、3人の供述は分かれています。

店長の女（40）：
「働かせてはいけない人を働かせたことは分かりました」と一部認めるも、「その人は遊びに来ているだけです。グラスを洗うなどの手伝いをしてくれるので、お礼にお金を渡しています」と述べ、就労については一部否認しています。
会社員の女（34）：
「働いていたことは間違いなく、給料も受け取っていました」と就労は認める一方、「ただし、働くことが法律違反だとは知りませんでした」と、違法性の認識については否認しています。
ホテル従業員の女（30）：
「店には遊びで行っただけで、働いたことも、お金をもらったこともありません」と容疑を全面否認しています。

そもそもビザ（在留資格）と「資格外活動」の罠

今回の事件は、正規の在留資格（ビザ）を持っていても、許可された範囲外の仕事に従事することは「不法就労（資格外活動）」にあたるという典型的な例です。VISAや労働許可の所持に関係ありません。

「技術・人文知識・国際業務」ビザは、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務など専門知識を活かした業務のためのもので、スナックやバーでの「ホステス業務（接待）」は明確に禁止されています。

これは日本だけでなくタイも同様です。タイでも、外国人が正規のビジネスビザやワークパーミット（労働許可証）を取得していても、法律によって外国人の就労が厳しく禁止されている職種が多数存在します。

（例）タイ古式マッサージ師
（例）美容師・理容師
（例）弁護士・会計士（一部業務を除く）
（例）ツアーガイド（タイ国内のみ）
（例）単純労働、露天商、建設作業員など

従業員の女が「法律違反とは思わなかった」と供述している点も、こうした複雑な行政ルールが十分に認識されていなかった可能性を示唆しています。

まとめ

タイでもVISAがあるから働けるとかワークパーミットがあるから大丈夫という声をよく聞きますが、日本人やタイ人が就けない職業があるという点やあくまでも紐づいた企業で働く事が可能な許可証というのを理解していない日本人も多く目にします。日本でも最近よく目にする移民問題や不法就労問題と合わせてお互いの渡航が厳しくならないように願うばかりです。

警察と札幌出入国在留管理当局は、3人の関係性や、他にも不法に働いていた人物がいなかったかどうかなど、事件の詳しい経緯を調べています。

この記事の出典

この記事を書いた人

keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook（フォワー1700人）や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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