カオパンサー(入安居) タイの重要な仏教祝日と知っておきたい注意点
2026年のカオパンサーは7月30日(木)です。前日の7月29日は、釈迦が初めて仏教の教えを説いたことを記念する「アサラハブーチャ」となります。タイでは年に一度の2日続けての禁酒日となります。
カオパンサー(タイ語:เข้าพรรษา)は、タイの僧侶が雨季の約3カ月間、一つの寺院を拠点として修行生活を送る期間に入る日です。日本語では「入安居」と呼ばれ、タイでは国民の祝日にもなっています。2026年の日付や過ごし方、禁酒規制など、旅行者・在住者が知っておきたいポイントを解説します。


カオパンサーとは
「カオ」はタイ語で「入る」、「パンサー」は雨季の修行期間を表します。カオパンサーは直訳すると「雨安居に入る」という意味になり、僧侶が約3カ月間、特定の寺院にとどまって修行に専念する期間の始まりを指します。
前日のアサラハブーチャで、釈迦が初めて説法を行い、仏・法・僧の三宝がそろったことを記念したのに対し、カオパンサーは僧侶の本格的な修行生活が始まる日という位置づけです。
なぜ僧侶は雨季に一つの寺院へとどまるのか
報道によると、仏教が始まった当初、僧侶たちは各地を歩いて移動しながら人々に教えを説いていました。しかし、雨季にも移動を続けていた一部の僧侶が、農作物の芽や草、小さな生き物などを踏んで傷つけてしまい、地域の人々から批判を受けたと伝えられています。
そこで釈迦は、雨季の一定期間、僧侶が一つの場所にとどまって修行する制度を定めました。この制度には、農作物や小さな生き物を守るだけでなく、僧侶が移動を控えて戒律・読経・瞑想・仏教の学習などに集中するという意味もあります。
カオパンサーの期間はいつからいつまで?
カオパンサーは、アサラハブーチャに当たる陰暦8月の満月の日の翌日から始まり、陰暦11月の満月に当たる「オークパンサー(出安居)」まで、約3カ月間続きます。
2026年の場合は、次の期間です。
- アサラハブーチャ:7月29日
釈迦の最初の説法と三宝の成立を記念 - カオパンサー:7月30日
僧侶が約3カ月間の雨安居に入る日 - オークパンサー:10月26日
約3カ月間の雨安居が終了する日
雨安居中の僧侶は、原則として決めた寺院を生活と修行の拠点とし、別の場所に宿泊するために自由に移動することは控えます。ただし、病気の家族や僧侶を見舞う、寺院や仏教に関する重要な用事へ対応するなど、戒律上認められた理由がある場合は、一時的に寺院を離れることができるとされています。
タイの人々はカオパンサーをどのように過ごす?
寺院で托鉢やお布施をする
カオパンサーの朝には、多くの人が寺院を訪れ、僧侶へ食べ物、米、飲料、日用品などをお布施します。寺院や地域によっては、大規模な托鉢行事、読経、説法、瞑想会などが行われます。
ロウソクを寺院へ奉納する「ウボンラーチャターニー・キャンドルフェスティバル」
カオパンサーを象徴するものの一つが「ティアン・パンサー」と呼ばれる雨安居用のロウソクです。夜間に読経や勉強をする僧侶のために、大きなロウソクを奉納する行事がタイ各地で行われます。
特に有名なのが、タイ東北部ウボンラーチャターニー県のキャンドルフェスティバルです。精巧な彫刻を施した巨大なロウソクの山車が街を巡り、タイを代表する宗教・文化行事の一つとなっています。2026年は、7月28日にロウソクを集める行事、7月29日と30日にパレードが予定されていると報じられています。
※注意 2026年7月現在ウボンラーチャターニーは現在外務省より渡航危険レベル3(国境付近から30km以内)に設定中です。くれぐれも旅行の際はご注意ください。
酒やたばこ、賭け事などを控える
タイでは、カオパンサーをきっかけに、飲酒、喫煙、賭け事などの習慣を一定期間やめる人もいます。特によく知られているのが「ンゴット・ラオ・カオパンサー」と呼ばれる、雨安居の約3カ月間に酒を控える取り組みです。カオパンサーは、タイの「国家禁酒の日」としても位置づけられています。
カオパンサー当日はアルコール販売に注意
カオパンサーは、タイでアルコール飲料の販売が原則として禁止される主要な仏教祝日の一つです。2026年7月30日は、一般的なコンビニ、スーパーマーケット、酒販店、飲食店などで、ビール、ワイン、ウイスキーなどを購入できない可能性があります。
前日のアサラハブーチャに続き、2日間連続で酒類の購入が難しくなる期間となるため、必要な方は事前の準備をおすすめします。年間の禁酒日をまとめて確認したい方は、下記の関連記事もあわせてご覧ください。
タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。
2026年7月30日は銀行も休み?
カオパンサーはタイの官公庁における祝日ですが、銀行や民間企業の休日とは必ずしも一致しません。2026年7月30日のカオパンサーは、政府機関や官公庁では休日となる一方、銀行は原則通常営業とされています。民間企業についても、会社ごとの休日規定によって対応が異なります。
イミグレーション、区役所、陸運局などの行政手続きを予定している場合は、カオパンサー当日を避け、前後の営業日を確認しておくと安心です。
日本人旅行者・在住者が寺院を訪れる際の注意点
- 肩と膝を隠した控えめな服装を選ぶ(タンクトップや極端に短いスカートなどは避ける)
- 本堂や礼拝堂へ入る前に靴を脱ぐ
- 女性は僧侶本人や僧衣へ直接触れないよう注意する
- 僧侶への食べ物のお布施は、朝の托鉢や寺院が指定する時間帯に合わせる
- 宗教儀式の最中の割り込みやフラッシュ撮影は避け、周囲への配慮を忘れない
まとめ
カオパンサーは、僧侶が単に寺院から出なくなる日ではありません。雨季に農作物や小さな生き物を傷つけないよう移動を控え、一つの寺院で戒律や修行に集中するという、仏教の考え方に基づいた期間の始まりです。
在タイ日本人や駐在者の立場から見ると、アサラハブーチャからカオパンサーへと続くこの時期は、タイの人々が家族で寺院に集まり、静かに自分の生活を見直す姿を目にする機会でもあります。2日連続の禁酒日と聞くと不便に感じるかもしれませんが、この時期にウボンラーチャターニーのキャンドルフェスティバルのような伝統行事に触れてみると、タイ仏教文化の奥深さを実感できるはずです。
また、王室と関連の深い寺院もバンコクにはたくさんあるので、周囲の状況を見ながら控えめな色の服装や黒い服装を心がけると、より安心して参拝できます。
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よくある質問(FAQ)
Q1. カオパンサーとは何の日ですか?
僧侶が雨季の約3カ月間、一つの寺院にとどまって修行に専念する「雨安居」に入る日です。日本語では「入安居」と呼ばれます。
Q2. 2026年のカオパンサーはいつですか?
2026年は7月30日(木)です。前日の7月29日はアサラハブーチャで、2日連続で重要な仏教行事が行われます。約3カ月後の10月26日はオークパンサー(出安居)です。
Q3. カオパンサーの日はお酒を飲めませんか?
アルコール飲料の販売が原則として禁止されます。コンビニやスーパー、飲食店などでの購入が難しくなるため、事前に準備しておくことをおすすめします。
出典・参考サイト
- タイ国政府観光庁 公式案内
- タイ国家仏教事務局 発表内容
- タイ中央銀行 金融機関休日情報

Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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