タイのタクシーが賄賂で警察の取り締まりの回避を告発 「緑の龍」のステッカーが目印か
報道によると、タイ・タクシー協会(Thai Taxi Association)のFacebookページによる告発をきっかけに、タクシードライバーが警察に月額の賄賂を支払い、禁止区域での違法な客待ち駐車を黙認されていたという疑惑が浮上しました。この告発はSNS上で瞬く間に拡散し、現地主要メディアによる取材が行われています。
現時点では「疑惑・告発」の段階であり、警察側は賄賂の受け取りを否定しています。
捜査結果や処分については現時点で報じられていません。
ギンザカーブ(Ginza Curve)での出来事
報道によると、疑惑の中心となっているのはパトゥムターニー県ランシットエリアにある通称「ギンザカーブ(Ginza Curve)」と呼ばれる道路周辺です。
告発の内容は以下のとおりです。
- ステッカーによる識別:賄賂を支払っているタクシーは、警察官が遠くからでも識別できるよう車体に特定のステッカーを貼っていたとされています。確認されているシンボルは「緑の龍(グリーンドラゴン)」や「鳥の翼」などです。
- 月額600〜800バーツの裏金:このシステムに参加しているドライバーは、現地警察官に対し1台あたり毎月600〜800バーツを支払っていたとされています。
- 取り締まりの免除:報道によると、ステッカーを貼ったタクシーは公共道路を塞ぐ形で禁止区域に長時間駐車して客待ちをしていても、警察から罰金を科されたり法的措置を取られたりすることがなかったとされています。
現地ドライバーの証言
報道によると、ギンザカーブのタクシードライバーたちに直接インタビューを行いました。あるドライバーは匿名で「現地警察への支払いはこの界隈ではごく一般的なこと。あのステッカーを貼っているグループのドライバーが交通違反で処罰されているところは、これまで一度も見たことがない」と証言したとされています。
一方、別のドライバーは「緑の龍ステッカーは賄賂の印ではなく、ホテルなどからの仕事を連絡するためのグループの所属を示すもの」と説明したとも報じられています。
警察側の対応と否定
報道によると、告発後にパトゥムターニー県警が現場で取り締まりを実施し、交通妨害や服装不備などでタクシーに罰金処分が行われたとされています。
賄賂の受け取りについては、警察幹部が「調査したが、告発内容は事実ではない」と否定。今後は違法タクシーや無許可営業の取り締まりを強化すると述べたと報じられています。
首相が調査・取り締まり強化を指示
報道によると、タイ首相はこの「タクシーマフィア」「ステッカー賄賂」問題について、警察とバンコク都庁に対して徹底調査と取り締まり強化を指示したとされています。特に空港・大型モール・公共交通ハブなどでのタクシーの「縄張り」問題や、違法なステッカーや印のある車両の優遇が重点チェック対象とされています。
疑惑は他エリアにも拡大
報道によると、ランシットでの告発をきっかけにSNS上では「ここだけではない」として、他のエリアに関する情報提供が相次いでいます。ただしこれらはSNS上での投稿であり、現時点では確認済みの情報ではありません。
- サムットプラカーン県:ラマティボディ病院付近のタクシー乗り場でも同様の疑惑があるとの投稿が報告されています。
- チャトゥチャック地区:常に違法駐車のタクシーで混雑するこのエリアでも同様の裏金が動いているのではないかと疑いの目が向けられているとされています。
旅行者・在住者へのポイント
ランシットはドンムアン空港からさらに北に位置し、フューチャーパーク・ランシットなどがある交通の要所です。このエリアを利用する機会がある旅行者・在住者は以下の点を心がけるとよいでしょう。
- 駅・病院・市場・ショッピングモール周辺で客待ちするタクシーより、GrabなどのアプリやGrabを使った配車を利用するのが安心です。
- 乗車する際は必ずメーター使用を確認してください。
- トラブルがあった場合は、陸運局のコールセンター1584に連絡することができます。
タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。
まとめ
今回の告発は、タイのタクシー業界と警察の間に長年存在してきたとされる「黙認の構造」に改めて光を当てるものです。今後は首相の調査指示により、空港やモールを含むタクシー業界の慣習にメスが入る可能性があります。
ただし現時点では「疑惑・告発」の段階であり、警察側は賄賂を否定しています。捜査の進展については引き続き注目していきます。
私がタイに住み始めたころに先輩の日本人からタイで「きちんとする」という事は日本で「きちんとする」という事とまったく意味が違うというのを改めて思い出しました。またこういった賄賂構造には公務員の給料の安さという根底の問題があることも見逃せません。
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よくある質問
Q. 「緑の龍」ステッカーとは何ですか?
A. 報道によると、賄賂を支払っているタクシーが警察官に識別してもらうために車体に貼っていたとされるステッカーです。一方で一部のドライバーは「グループの所属を示すもので賄賂とは無関係」と説明しています。現時点では疑惑の段階です。
Q. 警察は賄賂を認めていますか?
A. いいえ。報道によると、警察幹部は「調査したが告発内容は事実ではない」と否定しています。告発後に現場で取り締まりを実施し、違反車両に罰金処分を行ったとされています。
Q. ランシットエリアでタクシーを利用する際の注意点は?
A. GrabなどのアプリやGrabを使った配車を利用するのが安心です。流しのタクシーを利用する場合は、必ずメーター使用を確認してください。トラブルの場合は陸運局コールセンター(1584)に連絡することができます。
Q. 今後どうなりますか?
A. 報道によると、タイ首相が警察とバンコク都庁に調査・取り締まり強化を指示しています。現時点では関与した警察官の特定や処分までは報じられておらず、捜査が続いている段階です。
出典・参考サイト
- The Thaiger(2026年5月13日配信)
- Ch7HD(チャンネル7)現地取材報道
- Banmuang(バーンムアン紙)
- タイ政府系ニュース(NNT)
著者プロフィール

Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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