BTS運賃は結局どうなる?都知事が2026年初頭の値上げ発言
【解説】BTS運賃は結局どうなる?上限65B案の背景にある「320億Bの負債」と都知事の発言まとめ
2025年10月9日、バンコクのチャッチャート都知事は、BTSスカイトレイン・グリーンラインの運賃体系を見直し、上限運賃を引き上げる方針を公式に表明しました。長年懸案となっていた巨額の負債問題の解決に向け、都政が大きく動き出した形です。
今回の発表で、私たちの生活にどう影響があるのでしょうか。都知事の発言内容や背景にある問題、そして今後の見通しについて、詳しく解説します。
何が発表されたのか?都知事発言の3つのポイント
10月9日の記者会見で、チャッチャート都知事が示した方針のポイントは以下の通りです。
- 運賃上限を「65バーツ」に:
現在の上限運賃(報道により47バーツまたは62バーツ)から、全線での上限を65バーツに引き上げることを検討。 - 実施時期は「2026年初頭」:
運営会社BTSCとの交渉や内閣の承認を急ぎ、早ければ来年の初めにも新運賃を適用したいとの考えを示す。 - 短距離は「値下げ」の可能性も:
今回の見直しは、実コストに基づいた再設計が目的。そのため、長距離利用者は値上げとなる一方、短距離区間の最低運賃は引き下げられる可能性にも言及。
なぜ値上げが必要なのか?「326億バーツの負債」問題
今回の運賃見直しの最大の背景にあるのが、バンコク都(BMA)が抱える巨額の負債です。都は、BTSグリーンラインの延伸区間(モーチット〜クーコット、ベーリング〜ケーハ)の運行をBTSC社に委託していますが、その運行経費など約326億バーツ(約1,370億円)を長年支払えていません。
さらに、この負債とは別に、都は毎年約60億バーツの赤字を税金で補填している状況です。都知事は、この赤字を「BTSを利用しない市民も含む税金で補助するのは公平性に問題がある」と指摘。BTSの運営を持続可能なものにするため、利用者に応分の負担を求める運賃への見直しは避けられない、との考えを明確にしました。
まとめ:長年の問題解決に向けた一歩
渋滞のひどいバンコクでは、BTSやMRTの重要度は年々増してきています。沿線の拡大やスマートフォンやgoogleマップの性能の向上により旅行者も気軽に電車で移動する人が増える今BTS運賃の値上げはタイ人やタイ在住者だけの問題ではありません。
チャッチャート都知事の今回の発言は、これまで先送りされてきたBTSの負債問題について、運賃改定という形で解決への道筋を具体的に示したものです。長距離利用者にとっては負担増となる可能性が高いですが、短距離利用者は逆に値下げの恩恵を受けるかもしれません。
都は今月末(2025年10月)までに関係各所との協議を進めるとしており、今後の正式発表が注目されます。
この記事を書いた人
keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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