【洪水情報】チャオプラヤ川上流 シンブリ県で堤防が決壊 住民が避難
2025年11月13日未明までに、タイ中部シンブリ県(จังหวัดสิงห์บุรี)でチャオプラヤー川の堤防が決壊する事故が発生しました。タイの主要メディアが一斉に報じています。
現場は以前から「歯抜け(ฟันหลอ)」と呼ばれ、脆弱性が懸念されていた箇所でした。決壊により濁流が集落に流れ込み、住民が緊急避難を余儀なくされています。
出典:AMARINTV
出典:AMARINTV

被害状況:濁流が集落を直撃、300世帯が被災
報道によると、決壊したのはインブリ郡(Amphoe In Buri)にある仏教寺院「ワット・プラサート(Wat Prasat)」裏手の堤防です。
水流の勢いは非常に激しく、ムー3、ムー4、ムー5の集落に一気に流れ込みました。約300世帯が浸水被害を受け、住民は家財道具を運び出し、道路脇にテントを張るなどして避難生活を送っています。
また、流入した水はインブリ郡役所やインブリ警察署などの行政中心部へも迫っており、地域機能の麻痺が懸念される危機的な状況です。
政府の対応:アナン副首相が現地入り
事態を受け、アナン・チャーンウィーラクーン副首相兼内務大臣がヘリコプターで現地入りし、上空から被害状況を視察しました。
アナン副首相は、決壊した水が市街地に滞留するのを防ぐため、農業・協同組合省および灌漑局に対し、「水を東側の原野(遊水地)へ逃がし、タイ湾へ速やかに排水する」よう緊急指示を出しました。また、遊水地として水を受け止める農地の所有者に対しては、補償金を支払う方針を改めて表明しています。
決壊の原因:チャオプラヤー・ダムの放流増加
今回の決壊の直接的な原因は、上流にあるチャオプラヤー・ダムが、ダム自体の安全を守るために放流量を「毎秒2,900立方メートル(m³/s)」まで引き上げたことにあります。
この放流量は、下流の堤防(特にシンブリ県やアントン県の低い箇所)が耐えられる限界を超えており、当局が「最大限の警戒」を呼びかけていた矢先の出来事でした。
まとめ
ダム放流の影響が、下流域で最も懸念されていた形で顕在化してしまいました。政府は排水作業を急いでいますが、下流域の住民は引き続き、水位の上昇や新たな堤防決壊のリスクに対し、最大限の警戒と避難準備が必要です。
2011年の洪水を経験された方がこぞっていうのが、水がスーパーやコンビニから消えてお水の確保に苦労したという話でした。万が一に備えてお水の備蓄をおすすめします。
この記事の出典
- AMARINTV
- Thairath Online
- Matichon Online
- Kom Chad Luek
- The Nation Thailand
- Thenews
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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