タイの伝統行事 ロイクラトンについて解説 2025年度版
タイの伝統行事 ロイクラトンについて解説 2025年度版
タイの夜を幻想的な光で包み込む伝統の祭り「ロイクラトン」。2025年は11月上旬に開催が予定されており、多くの観光客や在住者が心待ちにしています。ロイクラトンは、川の女神へ感謝を捧げ、自らの厄を洗い流すための神聖な儀式です。人々は美しく飾った灯籠(クラトン)を、静かに水面へと浮かべます。

(พระแม่คงคา)
出典:https://curadio.chula.ac.th/
この記事では、2025年のロイクラトン祭りの概要、主要開催都市の見どころ、そして参加する上で知っておくべき重要な注意点まで、詳しく解説します。
ロイクラトンの参加方法と楽しみ方
ロイクラトンの中心となる儀式は、バナナの葉や幹、花で作られた灯籠「クラトン」を川や池、運河に流すことです。ロウソクと線香を立てて火を灯し、水に流すことで、過去の不運を洗い流し、未来への希望を祈ります。
祭り当日は、各地でタイの伝統舞踊や音楽パフォーマンス、クラトンの美しさを競うコンテストなども開催されます。バンコクなどの都市部では、夜景を彩る花火が打ち上げられたり、ホテルやクルーズ船が特別なディナープランを提供したりと、様々な形で祭りの夜を楽しむことができます。
2025年 主要開催都市の見どころ
タイ全土で行われるロイクラトンは、川や湖に灯籠(クラトン)を流すのが一般的です。
しかし、特に有名なチェンマイなどタイ北部では、これと同時に「イーペン祭り」と呼ばれる、空に無数のランタン(コムローイ)を上げる独自の文化が融合しています。水に浮かぶ光と空に舞う光、その両方を楽しめるのが北部ならではの魅力です。
1. チェンマイ:イーペン祭り(コムローイ祭り)
チェンマイのロイクラトンは、現地の言葉で「イーペン祭り」と呼ばれます。期間中、旧市街のお堀周辺やピン川沿いでは、美しい山車のパレードや伝統舞踊、花火などが楽しめます。そして祭りのハイライトである、願い事を込めて熱気球状のランタン(コムローイ)を空に放つ儀式は、世界中の人々を魅了します。ただし、航空機の運航への影響や火災防止のため、コムローイ上げは許可された場所でのみ可能です。SNSなどで見られる大規模な一斉上げは、郊外で開催されるチケット制のプライベートイベントが多いのでご注意ください。
参考サイト
- タイ国政府観光庁(TAT) チェンマイ・オフィス:https://www.facebook.com/tatchiangmai
- 地図:https://maps.app.goo.gl/AXLADANPDv5gWnPw9
2. バンコク:都心で祝う光の祭典
首都バンコクでは、チャオプラヤー川沿いや市内の公園で盛大なイベントが行われます。高層ビルの夜景と水面に揺れるクラトンの光が織りなす、都会的な風景が魅力です。特にアイコンサイアムやアジアティークなどの商業施設、ワット・アルン周辺、ラマ8世橋などが人気のスポットです。
バンコクでロイクラトンが体験できる場所
- アイコンサイアム:https://maps.app.goo.gl/PB9FKqfFcRdM4YAB9
- アジアティーク:https://maps.app.goo.gl/ZZyoWeRQh2Nh3Dj4A
- ワット・アルン:https://maps.app.goo.gl/3eLtXRDsSap9cSgt6
- ラマ8世橋:https://maps.app.goo.gl/uwtkLZSZHpeKU6Tu6
3. スコータイ:発祥の地で祝う歴史的な祭り
ロイクラトン発祥の地とされるスコータイでは、ライトアップされた歴史公園内で「スコータイ・ロイクラトン&キャンドル・フェスティバル」が盛大に開催されます。タイ国政府観光庁によると、2025年の開催期間は10月27日(月)から11月5日(水)まで。期間中は、ワット・マハタートでのクラトン流しやコンテストのほか、スコータイ王朝の歴史をテーマにした壮大な光と音のミュージカルショーなど、様々な催しが行われます。
出典、参考サイト
- タイ国政府観光庁(TAT) スコータイ・オフィス:
https://www.facebook.com/tatsukhothaikamphaengphet/ - 地図:https://maps.app.goo.gl/FnTAgULXtU8RmtgR8
参加する上での重要な注意点
- 日付は最終確認を: 2025年の満月の日は11月5日(水)です。ただし、スコータイは10月27日から、チェンマイやバンコクでは翌6日(木)にもイベントが行われるなど、地域によって祝祭の期間が異なります。自治体の最終発表を必ず確認してください。
- 公式情報をチェック: イベント内容やクラトン流しが許可される場所は、タイ国政府観光庁(TAT)やバンコク都庁(BMA)の公式サイトで直前に発表されます。
- チェンマイのコムローイ上げ: 有名な一斉ランタン上げは、多くがチケット制のプライベートイベントです。無許可のイベントや違法なランタンには注意が必要です。
- 環境への配慮: 発泡ス- チロール製ではなく、バナナの葉などで作られた自然に還る「エコクラトン」を選びましょう。
- 交通規制と混雑: 当日は主要な会場周辺で大規模な交通規制と渋滞が予想されます。移動には公共交通機関を利用し、時間に余裕を持って行動しましょう。
まとめ
ロイクラトンは、タイの美しい文化と人々の祈りに触れることができる、特別な夜です。特に今年は日程が複数情報あり、やや流動的です。参加を計画されている方は、ぜひ本記事を参考に、直前に公式サイトで最新情報を確認し、安全に、そして敬意をもってこの光の祭典を楽しんでください。
タイ駐在中に一度は参加しておきたい伝統行事の一つロイクラトンやコムローイ祭りですが、コムローイ祭りについては近年ランタンによる火災などで規制のムードが高まっています。私も今年は是非参加してみたいと思っています。
この記事を書いた人
keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
著者のプロフィール詳細はこちら
出典・参考サイト
- タイ国政府観光庁:https://www.thailandtravel.or.jp/











