タイで給料が高い仕事TOP10とタイの飲食店 サービス業の平均給与まとめ 2025年度版
2025年、タイの労働市場では「人材争奪戦」が加速しており、特定の職種で給与が急騰しています。
タイの大手メディアが発表した最新データによると、経営幹部クラスでは月収80万バーツ(約350万円)に達するケースも。今回は、タイで稼げる職種トップ10と、一般的な実務レベルの給与相場について解説します。
2025年 タイの高収入職種TOP10
Sanookが報じた「2025年に給与が高い10の職業」の詳細を見ていきましょう。経営層だけでなく、専門技術職が多数ランクインしているのが今年の特徴です。
1. Cレベル経営幹部 (CEO/CFO/CTO)
- 月収目安:380,000 〜 800,000 バーツ
企業のトップに立つ最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)、最高技術責任者(CTO)などは、依然として最高水準の給与を誇ります。特に多国籍企業や、急成長中のユニコーン企業では、戦略的な意思決定ができるリーダーに対して高額な報酬を提示しています。
2. HRディレクター (人事部長)
- 月収目安:最大 700,000 バーツ
単なる労務管理ではなく、「Chief People Officer」として組織文化の構築や戦略的な人材配置ができる人事トップの需要が急騰しています。特にFMCG(日用消費財)やテック企業で評価が高まっています。
3. サプライチェーン・ディレクター
- 月収目安:250,000 〜 500,000 バーツ
世界的な物流の混乱やコスト増に対応できる専門家は「レア人材」として争奪戦になっています。物流網の最適化やコスト管理を主導できるスキルが必須です。
4. 商業パイロット
- 月収目安:200,000 〜 400,000 バーツ
観光業の完全回復に伴い、航空便の増便が続いています。航空会社各社がパイロットの確保に動いており、給与水準も高止まりしています。
5. 鉱山・再生可能エネルギーエンジニア
- 月収目安:80,000 〜 235,000 バーツ
EV(電気自動車)産業の拡大に伴い、レアアースやエネルギー関連の専門知識を持つエンジニアの価値が上昇しています。サステナビリティ重視のトレンドも追い風です。
6. システムエンジニア / クラウドアーキテクト
- 月収目安:40,000 〜 150,000 バーツ
タイへのデータセンター誘致や企業のDX化により、クラウド環境の設計・構築ができる人材は引く手あまたです。AWSやAzureなどの資格が給与アップに直結します。
7. サイバーセキュリティ・スペシャリスト
- 月収目安:40,000 〜 120,000 バーツ
PDPA(個人情報保護法)の施行やサイバー攻撃の増加により、企業のセキュリティを守る専門家のニーズが急増しています。人材不足が深刻な分野の一つです。
8. プロジェクトマネージャー (IT/Digital)
- 月収目安:50,000 〜 120,000 バーツ
システム開発やデジタル案件を統括するPM職。アジャイル開発の経験やPMP資格を持っていると、さらに好条件が提示されます。
9. データサイエンティスト / AIエンジニア
- 月収目安:50,000 〜 100,000 バーツ
金融やEコマース分野でのAI活用が進んでおり、データを分析してビジネスに活かせる人材は非常に高く評価されます。
10. フロントエンド / フルスタック開発者
- 月収目安:35,000 〜 100,000 バーツ
Webやアプリの開発者も依然として高需要です。React、Vue.js、Node.jsなどのモダンなスキルセットを持つエンジニアは、新卒に近い年次でも高給が狙えます。
他の業種の場合
飲食店
サービススタッフ(ホール)
- 基本給: 12,000 〜 15,000 バーツ
- 手取り目安: 18,000 〜 25,000 バーツ(S.C.・チップ込み)
- ※英語や日本語ができるスタッフは+2,000〜5,000バーツの手当がつきます。
調理スタッフ(キッチン)
- 一般コック: 15,000 〜 20,000 バーツ
- ヘッドシェフ(料理長): 40,000 〜 80,000 バーツ(※有名店やホテルは10万B超え)
店長(マネージャー)
- 月収: 30,000 〜 60,000 バーツ
- ※日本食レストランのタイ人店長の場合、日本語能力や勤続年数により5万バーツ前後が相場です。
アパレル・販売
一般ブランド(ショッピングモール店員)
- 基本給: 15,000 〜 18,000 バーツ
- 手取り目安: 20,000 〜 30,000 バーツ
ラグジュアリーブランド(高級店)
- 基本給: 25,000 〜 40,000 バーツ
- 手取り目安: 60,000 〜 100,000 バーツ以上
- ※サイアムパラゴンやアイコンサイアムのハイブランド店員は、英語・中国語が堪能で、トップセールスなら月収10万バーツ(約44万円)を超えるエリート職種です。
ストアマネージャー
- 月収: 50,000 〜 80,000 バーツ
日本人の現地採用事情
タイで働く日本人の場合、労働許可証(ワークパーミット)取得の基準額として「月給5万バーツ以上」というルールが一般的ですが、例外もあります。
一般的な給与目安(5万B〜)
- カスタマーサポート/営業:50,000 〜 70,000 B
- エンジニア/専門職:70,000 〜 120,000 B
- マネージャー:100,000 B 〜
例外:3万バーツ〜のケース(BOIなど)
一方で、BOI(タイ投資委員会)の認可を受けた企業や、コールセンターなどのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界では、特例として5万バーツ未満での雇用が認められているケースがあります。
- BOI企業・BPO職種:30,000 〜 40,000 B スタート
未経験からタイで働く場合や、特定のスキルを積むためのファーストステップとして、こうした選択肢も存在します。
まとめ
今回ご紹介したデータは、タイの現地メディアが報じたタイ語記事(タイ人市場向け)をベースにしています。そのため、日本人の現地採用や駐在員の給与体系には必ずしも当てはまらないケースがある点にご留意ください。またタイでは、VISAがあってもいかなる仕事も雇用先が発行するワークパーミットなしでの就労は不法就労となる点にはご注意ください。リゾートバイトや駐妻バイト等も最近SNS上で見かけますが、恐喝の原因になったり、逮捕、強制送還の可能性もありますので、ご注意ください。
「労働」の定義: 賃金が発生しなくても(無償ボランティアやインターンであっても)、労働局の許可なしに従事すれば違法とみなされる可能性があります。
とはいえ、2025年のキーワードが「専門性」と「英語力」であることは共通しています。かつてのように「日本人であること」だけで高給が貰える時代は終わりつつあります。一方で、ITスキルや特定の専門性(物流、会計、法務など)を持ち、英語で実務ができる人材であれば、国籍を問わず日本円で年収1000万円クラスを狙えるチャンスが広がっています。逆に英語やタイ語が話せてスキルがある場合は日本以上の高収入になる場合も目立ってきました。これはタイではPC所持者が日本に比べて少ないためそれだけ希少な人材という事です。
タイでは「転職で給与を上げる(ジョブホッピング)」のが一般的です。自分の市場価値を知るためにも、定期的にエージェントと話してみるのも良いでしょう。
この記事の出典
この記事を書いた人
keita satou(タイムラインバンコク編集部)
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォワー1700人)や複数のSNS(総フォワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
タイムラインバンコク編集部
Facebook(keita satou)
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