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【タイ】列車にクレーン落下による32名死亡 中国主導の高速鉄道工事現場 東北部コラート

タイ東北部コラートで発生した列車クレーン落下事故の現場写真と記事タイトル。夜間の救助活動の様子を背景に「クレーン落下により32名死亡」「中国主導の高速鉄道工事現場」というテキストが配置されている。出典:Matichon
keita satou

2026年1月14日(水)午前、タイ東北部ナコンラチャシマ県(コラート)で、タイ鉄道史上稀に見る悲惨な事故が発生しました。
走行中の特急列車に、建設中の高速鉄道工事現場から大型クレーンが落下・直撃し、多数の死傷者が出ています。

現場は中国主導の巨大プロジェクト「タイ・中国高速鉄道」の建設工区であり、国家プロジェクトの安全管理体制が根底から問われる事態となっています。 1月15日朝時点での最新情報を基に、事故の全貌と影響をまとめました。

1. 事故の概要(1月15日最新情報)

事故発生データ

  • 発生日時: 2026年1月14日 午前9時05分頃
  • 場所: ナコンラチャシマ県シーキウ郡(バーン・タノン・コット村付近)
  • 対象列車: 特急21号(バンコク発ウボンラーチャターニー行き)
  • 被害状況(1/15朝時点): 死者32名、負傷者64名以上、行方不明3名

事故当時、列車は時速約120kmで走行中でした。並行して建設中だった高速鉄道の高架現場から、コンクリート桁を吊り上げていた大型のランチャーガントリークレーン(架設機)がバランスを崩して倒壊し、列車の2両目と3両目を直撃しました。

衝撃で車両は「真っ二つ」に裂けるほどの損傷を受け、さらに脱線・横転して燃料タンクから火災が発生。多くの乗客が逃げ場を失い、被害が拡大しました。

2. 高速鉄道工事現場の「ずさんな安全管理」

この事故は、中国の技術供与を受けてタイ政府が推進する巨大プロジェクト「タイ・中国高速鉄道(第1期:バンコク〜ナコンラチャシマ)」の建設現場で起きました。

施工業者ITDへの批判

事故現場の工区(契約3-4)を担当していたのは、タイ最大手のゼネコンの一つ「イタリアン・タイ・ディベロップメント(ITD)」です。

ITD社は事故への遺憾の意を表明し、賠償責任を負うとしていますが、「なぜ列車が通過する時間帯に、線路の直上または至近距離で重量物の吊り上げ作業を行っていたのか?」という安全管理の根幹に関わる部分で、厳しい批判にさらされています。

3. 今後の影響と鉄道運行状況

この事故により、タイ国鉄(SRT)および政府は以下の対応を発表しています。

  • 工事の全面停止: ITD社が担当する建設工事に対し、一時停止命令が出されました。原因究明と再発防止策が講じられるまで再開されません。
  • 東北線の運行への影響: 事故現場周辺の区間は現在も不通となっており、ウボンラーチャターニー方面などの長距離列車に運休や大幅な遅延、バス代行輸送が発生しています。

イサーン方面へ鉄道での移動を予定していた方は、必ず事前に駅や国鉄のコールセンター(1690)で最新の運行情報を確認してください。

過去の地震災害時の道路陥没や、民間コンドミニアムの手抜き工事問題もそうでしたが、事件当事者だけでなく、入札時の契約内容や、業者や入札者に対する責任追及の制度自体を見直さない限り、安価な請負によるこうした事故の根本的な解決は難しいと私は考えています。

2026年1月15日 10:00(現地時間) |著者: Keita Satou

この記事を書いた人

keita satouの自己紹介タイ在住ライター バンコク在住10年以上。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

情報提供:keita satou
(タイムラインバンコク編集部)

バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

著者プロフィール

出典

  • Matichon

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Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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