国連安全保障理事会 タイ・カンボジアの武力衝突を巡り緊急会合開催へ
Thaim Line Bangkok
Thaim Line Bkk(タイムライン バンコク)
タイとカンボジアの国境付近で続く紛争は、2025年7月28日現在、依然として予断を許さない状況が続いています。タイ在住の日本人駐在員、駐妻、そしてタイへの渡航を検討されている旅行者の皆様にとって、現地の正確な状況把握は極めて重要です。タイムラインバンコクでは、最新の情報を集約し、皆様にお伝えします。
1回目の交渉の内容
各国の反応・声明:
マレーシア: 仲介役のアヌワル首相は、両国が「非常に建設的な話し合い」をしたと述べ、前向きな姿勢を示しました。
タイ側: タイ政府は、カンボジア軍による民間インフラへの攻撃停止を停戦の前提条件としており、これが満たされない限り、停戦に応じない構えを見せています。
カンボジア側: カンボジアは即時かつ無条件の停戦に同意する姿勢を示していますが、タイ側が拒否していると主張しています。
今回の会談は、両国首脳が直接対話を行う場が設けられたという点で外交的な進展と見なされますが、実際の停戦実現にはさらなる協議と信頼醸成が必要な状況です。

7月28日月曜日、マレーシアの仲介により、タイのプムタム・ウェチャヤチャイ首相代行とカンボジアのフン・マネット首相がマレーシアで停戦交渉を開始しました。この会談には、米国と中国の大使も同席しており、国際社会が事態の収拾に向けて動いていることが伺えます。
しかし、外交努力が続く一方で、国境地帯では衝突が続いており、この日で戦闘は5日目に入っています。双方とも相手側が先に攻撃を仕掛けたと非難し合っており、現場の緊張は依然として高いままです。
この紛争により、これまでに少なくとも35人以上が死亡し、両国合わせて26万人から27万人以上の住民が避難を余儀なくされています。
タイ側: 10万人以上が避難し、住民の安全確保のため852の学校と7つの病院が閉鎖されています。これは、国境付近の住民の生活に甚大な影響を与えていることを示しています。
紛争の責任を巡っては、両国間で激しい非難と反論が繰り広げられています。
カンボジアの主張:
タイの空爆や砲撃によりプレアビヒア寺院が損傷したと主張し、タイが国際的に禁止されているクラスター弾を使用したと非難しています。また、タイ軍が毒ガスを使用したとも主張していますが、タイ側はこれを強く否定しています。
タイの主張:
当初クラスター弾の使用を否定しましたが、後に必要かつ比例の原則に従い使用したと説明しました。また、カンボジアが病院を含む民間インフラを標的にしたと非難しています。
国際社会もこの事態を重く見ています。7月25日には国連安全保障理事会が緊急会合を開催。7月28日にはASEAN外相も即時停戦を求め、両国に最大限の自制と外交的解決を強く促しています。
タイ国内では、政府が住民の安全確保に努めています。
タイ災害防止軽減局(DDPM): 国境に接する5つの県を緊急災害区域に指定し、住民に対し、携帯電話の電源を切らずに緊急警報を受信できるよう呼びかけています。
兵器の移動: タイ第2軍管区の報告によると、カンボジア軍はBM-21ロケットを複数の地域で使用しているほか、PHL-03ミサイルシステムがウドンミャンチェイ県サムローン空港に移動していることも確認されており、軍事的な緊張の高まりが懸念されます。
現在のところ、主要都市(バンコク、パタヤ、プーケットなど)への直接的な軍事影響は報告されていませんが、国境付近の状況は極めて流動的です。
最新情報の確認を徹底:
外務省海外安全ホームページや在タイ日本大使館、在カンボジア日本大使館からの最新情報を常に確認し、指示に従ってください。
不要不急の移動を避ける:
危険レベル3に指定されている国境に接する5県(シーサケート県、スリン県、ブリラム県、ウボンラチャタニ県、トラート県)への渡航は、いかなる理由であっても避けてください。
冷静な情報判断: SNSなどで拡散される不確かな情報やフェイクニュース・動画に惑わされず、必ず公式かつ信頼できる情報源からの確認を徹底してください。
緊急警報への注意: タイ国内に滞在している場合は、携帯電話の緊急警報設定を確認し、いつでも受信できる状態にしておきましょう。










まとめ
外交的な努力と並行して武力衝突が続いており、予断を許さない状況が続いています。タイ在住の日本人、そしてタイへの渡航を検討されている皆様は、引き続き最大限の注意を払い、冷静な情報収集と判断に努めてください。
【免責事項】
本記事は2025年7月28日時点の情報に基づいていますが、情勢は刻一刻と変化する可能性があります。いかなる場合も外務省や現地大使館からの最新の発表を最優先に行動してください。