「100%ハーブ石鹸」の正体は石鹸のくずを再加工した無許可製品 11万点を押収
2026年5月14日、タイ警察中央捜査本部(CIB)と消費者保護警察は、バンコク・バンケー区の民家を改造した無許可の石けん製造拠点を摘発しました。報道によると、工場から仕入れた石けんのくずを再加工して「100%ハーブ」「美白効果あり」などとうたい、オンラインで格安販売していた疑いがあります。押収品は合計11万5,380点、推定価値30万バーツ以上にのぼりました。Lazada・Shopee・TikTok Shopなどタイのネット通販を利用する旅行者・在住者にとって、他人事ではないニュースです。

事件の概要
いつ・どこで摘発されたか
摘発が行われたのは2026年5月14日。場所はバンコク都バンケー区、ソイ・プッタモントン・サーイ2周辺の一軒家です。報道によると、外観は普通の民家でしたが、内部は小規模な製造工場のように改造されていたとされています。摘発にあたったのはタイ警察中央捜査本部(CIB)と消費者保護警察(CPPD)の合同捜査チームです。
容疑者と容疑内容
報道によると、逮捕されたのはタイ人の女性・ノンナート容疑者(45歳)です。化粧品製造の許可を得ないまま、衛生基準を満たさない環境で石けんを製造・販売した疑いで、タイの化粧品法(B.E.2558)に基づき立件が進められています。また一部の商品では、すでに期限切れとなった登録番号をラベルに印刷して信頼性を偽装していた疑いも報じられています。
製造・販売の実態
石けんのくずを1kg30〜40バーツで仕入れ再加工
報道によると、容疑者はバンコク近郊の複数の化粧品工場から製造過程で出た石けんの端材・返品品・破損品などを1kgあたり30〜40バーツで買い取っていたとされています。当初は仕入れた石けんをそのまま転売していましたが、仕入れ値の高騰を理由にYouTubeの動画を見て自己流での製造を開始したと供述しています。
製造工程は、民家に設置した手動プレス機を使って石けんのくずを押し固め、新品の固形石けんとして再成形するものでした。液体石けんについては、石けんのくずを塩水と香料に混ぜてボトルに詰めただけの内容だったと報じられています。
1個4〜10バーツで販売、月収約5万バーツ
報道によると、完成品はオンライン上で1個4〜10バーツという格安価格で出品されており、価格の安さからネット上で人気化していたとされています。香りは計12種類を展開し、1日約1,000個の固形石けんを製造。毎日800〜900件の注文を処理し、2025年から約1年間にわたって月収約5万バーツを得ていたと供述しています。
「100%ハーブ」「美白」など誇大広告で販売
報道によると、この石けんはオンライン上で「100%ハーブ」「皮脂を減らす」「ニキビ・シミ・そばかす・黒ずみに効く」などの効果を強くうたって販売されていました。石けんや洗顔料は顔や子どもの肌に直接使われる商品であるにもかかわらず、製造許可や衛生管理、成分の安全性が担保されていない状態での販売が続いていたとされています。
押収品の内訳
報道によると、CIBが民家を捜索した際に押収した品目は以下のとおりです。合計115,380点、推定価値30万バーツ以上にのぼります。
- 再加工済み固形石けん:約55,279個
- 密造液体石けん:17本
- 原料となる石けんのくず:約1,000kg(1トン)
- 手動石けんプレス機:4台
- 偽装ラベルシール:20,000枚
- その他製造機械・金型・包装資材など:60,084点
捜査の発端と今後の対応
消費者の肌トラブル苦情がきっかけ
報道によると、捜査のきっかけはオンラインで購入した石けんを使った消費者からのアレルギーや皮膚トラブルに関する苦情でした。消費者保護警察がこれらの苦情をもとに販売元を追跡した結果、今回のバンケー区の拠点に繋がり、内偵捜査を経て強制捜査に至ったとされています。
成分検査と追加立件の可能性
報道によると、押収されたすべての製品サンプルは保健省医科学局の研究所で成分検査が行われる予定です。現時点では「有害成分が含まれていた」と断定することはできませんが、検査結果によっては追加の罪に問われる可能性があります。また当局は、仕入れ先の工場や販売プラットフォーム側の責任についても調査を進めるとしています。
旅行者・在住者へのポイント
タイではLazada・Shopee・TikTok Shopなどのネット通販で美容商品が非常に安く販売されており、ライブ販売などを見て気軽に購入しやすい環境があります。今回のような無許可製品が混在するリスクを踏まえ、以下の点に注意してください。
- 1個数バーツなど、異常に安い石けん・洗顔料は購入前に製造元・成分・登録番号を確認する。
- 「シミが消える」「ニキビが治る」「美白になる」など医薬品的な効果をうたう商品は注意が必要。
- ラベルに登録番号(เลขจดแจ้ง)が記載されていても、期限切れや他社番号の流用の可能性があるため「番号があれば安全」とは言い切れない。
- 製造者名・住所・成分・ロット番号が確認できない商品、TikTokやライブ販売だけで人気化している商品は特に慎重に。
- 顔や子どもの肌に使う商品は、正規ブランドや薬局での購入を優先する。
タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。
まとめ
工場の石けんのくずを再加工して「100%ハーブ」「美白効果あり」などとうたいオンライン販売していた無許可製造拠点が摘発されました。
押収品は11万5,380点以上、推定価値30万バーツ超にのぼります。捜査は消費者の肌トラブル苦情がきっかけで、現在成分検査と追加立件の調査が進められています。タイのネット通販で極端に安い美容商品や、効能を強くうたう石けん・洗顔料を購入する際は、製造元・成分・登録情報を必ず確認するようにしてください。
タイの友人の富裕層は屋台で食事をしません。また家電を含むすべての商品を百貨店で購入しています。ネットの通販も正規店からしか購入しないと徹底しています。また中国人の爆買い騒動が日本で起こったときも中国の人は日本で作ったものしか信用しないと言っていましたが、まさにタイでもそのような事態が発生しているとあらためて再認識しました。化粧品・味の素・調味料・お酒・たばこまで偽造品があると聞きます。日本にいるときと違って安いというだけで商品を購入していると取り返しのつかないアクシデントに見舞われる可能性もあります。
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よくある質問
今回摘発された石けんはどこで売られていましたか?
報道によると、LazadaやShopeeなどタイのネット通販プラットフォームで販売されていたとされています。1個4〜10バーツという格安価格と12種類の香り展開で人気化しており、1日800〜900件の注文を処理していたと供述されています。
この石けんを使うと必ず肌トラブルが起きますか?
現時点では成分検査の結果が出ておらず、有害成分が含まれていたと断定することはできません。ただし、製造環境の衛生状態が不明であること、製造許可を得ていないこと、原料が工場の廃棄物であることから、当局は肌トラブルのリスクを警告しています。
登録番号(เลขจดแจ้ง)が書いてあれば安全ですか?
必ずしも安全とは言い切れません。今回のケースでは、すでに期限切れとなった登録番号や他社の番号をラベルに流用していた疑いが報じられています。タイFDAの確認ページで番号を照合することができますが、番号の有無だけで判断するのは危険です。
安全な石けんを選ぶにはどうすればいいですか?
正規ブランドの製品や薬局・スーパーで販売されている商品を選ぶことが基本です。ネット通販を利用する場合は、製造者名・住所・成分・ロット番号・登録番号が明記されているか確認し、極端に安い価格や誇大な効能表示がある商品には注意してください。
容疑者はどのような罪に問われますか?
報道によると、タイの化粧品法(B.E.2558)に基づき、無許可での化粧品製造・販売、未登録化粧品の製造・販売の疑いで立件が進められています。成分検査で禁止成分や有害物質が検出された場合は、さらに重い罪に問われる可能性があります。
今後タイ当局はどう対応しますか?
報道によると、押収したすべての製品サンプルを保健省医科学局の研究所で成分検査するとともに、仕入れ先の工場や販売プラットフォーム側の責任についても調査を進めるとしています。
出典・参考サイト
- Bangkok Biz News:ทลายแหล่งผลิตสบู่ก้อนรีไซเคิล(2026年5月15日)
- Khaosod:ทลายโรงงาน สบู่ก้อนรีไซเคิล(2026年5月15日)
- The Thaiger:Bangkok soap factory raided for using production scraps(2026年5月15日)

著者:Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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