月給8万バーツ(36万円)でも辞めたい! 勤続13年日本の35歳サラリーマンの苦悩がタイでも話題
タイの大手ニュースサイトが、日本の会社員の働き方をめぐる体験談を取り上げ話題になっています。勤続13年、月給36万円(タイバーツ換算で約8万バーツ)という、タイの読者からすれば高給に映る待遇でありながら、「もう耐えられない」と退職を考え始めた35歳男性のケースです。
この記事では、タイメディアが報じた内容と、タイならではの切り口、そして在タイ日本人にとっても他人事ではないポイントを解説します。
何が起きたのか
東京の中堅企業で営業アシスタントとして13年間勤務する35歳の男性は、月給36万円(8万バーツ)を受け取っています。もともと部署には6人の社員がいましたが、過去2年間で3人が退職。会社は新しい人材を募集したものの応募者が集まらず、退職者の業務が残った社員に集中する状態が続いていました。
さらに今年の春には長年働いていた先輩社員も退職し、男性は大口顧客の担当に加え、請求書処理や社内文書の作成なども任されるようになりました。月末には残業が増え、周囲にも余裕がないため助けを求められない状況が続いていたといいます。
転機となった出来事
ある朝、男性が出社すると、前日に退職した同僚の業務資料が自分の机に山積みになっていました。上司に確認すると、「君が一番状況を理解しているから、なんとか対応してほしい。今は本当に人が足りないんだ」という趣旨の返答があったといいます。
その日は夜8時から10時近くまで残業し、ようやく帰宅しました。帰宅後には、残っている同僚からも「自分も転職を考えている」というメッセージが届き、このままでは仕事が増え続けると感じたそうです。
なぜ彼は限界を感じたのか
男性は仕事そのものが嫌いなわけではなく、給与にも一定の満足はしていたといいます。しかし、退職者の仕事を引き継ぎ続けても給与は増えず、人員不足も改善されないことに限界を感じていました。
- 退職者が増えるたびに、残った人へ仕事が集中する
- 仕事量が増えても、給料は変わらない
- 人員補充が進まない
- 上司が「君しかいない」と言って業務を押しつける
- 周囲の同僚も転職を検討し始めている
男性は現在、上司に対して業務量の削減と優先順位の見直しを要求しており、改善されなければ退職する意向を伝えているといいます。
タイでの報じられ方が興味深い理由
興味深いのは見出しの付け方です。タイ語のタイトルは「เงินเดือน 8 หมื่นก็ไม่ทน!」で、日本語にすると「月給8万バーツでも、もう耐えられない!」という意味になります。タイの読者に金額の大きさをまず印象づけたうえで、それでも辞めたくなるほど職場環境に問題がある、という構成になっています。
記事の結びとして、「高い給与だけでは社員を引き留められない。会社が仕事量を適切に管理せず、残った社員に負担を押しつければ、燃え尽き症候群を招き、優秀な社員まで失ってしまう」という教訓を示しています。
タイの平均給与
- タイ全国平均月収(NSO):約15,000バーツ
約5.3倍 - タイ全国中央値:約12,000バーツ
約6.7倍 - :バンコク正規雇用平均:約22,274バーツ
約3.6倍 - 民間企業平均:約21,301バーツ約3.8倍
- 公務員平均:約30,069バーツ
約2.7倍 - バンコク世帯収入(個人でなく世帯):約39,100バーツ
約2.0倍
在タイ日本人として考えたいポイント
月給8万バーツは、タイの一般的な会社員の給与水準からするとかなり高い部類に入ります。それでも「辞めたい」と感じてしまう今回のケースは、給与水準だけでは測れない労働環境の問題を浮き彫りにしています。
- タイで働く人々にとっても、「人員不足のしわ寄せが特定の人に集中する」構図は共感しやすいテーマ
- タイ企業・日系企業問わず、退職者の業務を残った社員に丸投げする管理体制は、連鎖的な離職を招くリスクがある
- 「給与水準」と「労働負荷」は別軸で評価する必要があるという視点は、タイ・日本どちらの職場にも共通する
まとめ
今回のケースは、「高い給料を払っていれば社員は辞めない」という考え方が必ずしも正しくないことを示しています。退職者が出た根本的な原因を解決せず、残った社員に仕事を押しつけるだけの組織管理は、最終的にエース社員の燃え尽きと会社の崩壊を招きかねません。
民間企業平均が2万バーツと言われているタイで4倍もの給料をもらっていながら、給与額以上に働く環境が重要という価値観について驚かされました。まさにサバーイ(心地よさ)を重要視する国民です。
タイに来た当初はタイ人は目先のお金ですぐ転職すると聞きましたが、実際には居心地を重要視しているというのは10年のタイ生活で得た私の経験です。
本記事は、タイの大手メディアの報道をもとにまとめています。
タイムラインバンコクでは、旅行者や在住者に役立つ最新情報を配信していますのでシェアやブックマークをお願いします。またSNSのフォローもよろしくお願いします。

FAQ
Q1. 月給36万円(約8万バーツ)は、タイの感覚でどのくらいの給与ですか?
タイの一般的な会社員の給与水準からすると高めの部類に入ります。そのため、「それでも辞めたい」という点がタイの読者の関心を集めたと考えられます。
Q2. この話は日本の会社員全体の実態を表していますか?
いいえ。これは個人の体験談であり、男性の名前も仮名です。日本のすべての職場が同じ状況というわけではありません。
出典・参考サイト
- Sanook(2026年10月23日)
- THE GOLD ONLINE
- ETtoday

著者:Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
関連記事
- タイ最低賃金2025年最新版|全国一律400バーツに統一へ(県別リスト付き)
- タイ旅行 バンコク旅行 あると便利な持ち物リスト
- バンコクの薬局購入できる薬一覧|日本人に人気の市販薬とおすすめ医療機関
- バンコク 『歓迎会』『送別会』 『宴会』におすすめの居酒屋や飲食店のまとめ 最新版
- バンコク 深夜営業 ラストオーダーが遅めのお店 まとめ 居酒屋・専門店等 最新版
