MENU

バンコクの商店のエノキタケからリステリア菌検出 リステリア菌の症状とえのきの安全な食べ方

エノキタケとリステリア菌のイメージ、タイでの食品安全に関する注意喚起
keita satou

タイで、鍋料理やしゃぶしゃぶなどに使われるエノキタケ(เห็ดเข็มทอง)から「リステリア菌」が検出されたという話がSNSで話題になっています。

バンコクで採取されたエノキタケ5検体すべてから菌が検出されたという内容ですが、この調査結果は2026年に新たに行われたものではなく、2024年4月にタイ国立食品研究所が公表した過去の調査結果です。また、2026年10月28日にはタイ食品医薬品局(FDA)が輸入監視強化を発表しており、この記事では両方の情報を整理してお伝えします。

SNSで話題になった「5検体すべて陽性」とは

報道によると、タイの医師がSNSで注意を呼びかけたことがきっかけで、バンコクで調べたエノキタケ5検体すべてからリステリア菌が検出されたという情報が広がりました。

しかし、この検査結果は2024年4月にタイ国立食品研究所が公表した調査によるものです。対象はタイ国内産と中国からの輸入品で、検体数は5件にとどまるため、これだけでタイ国内のエノキタケ全体の汚染率を示すものではありません。

過去の調査結果が改めて注目されている状況です。

リステリア菌とは

リステリア菌(正式名:リステリア・モノサイトゲネス)は、土壌や水、植物、動物の腸管など自然環境に広く存在する細菌です。この菌に汚染された食品を食べることで「リステリア症」という感染症を引き起こすことがあります。

一般的な食中毒菌と大きく異なるのは、冷蔵庫の中でも生存・増殖できる点です。水洗いだけでは殺菌できず、十分な加熱が必要とされています。

  • 主な感染経路:汚染された食品を食べること
  • 冷蔵庫内:低温でも増殖できる
  • 冷凍:凍結だけでは確実に殺菌できない
  • 加熱:十分な加熱で死滅する
  • 特に注意が必要な人:妊婦、高齢者、乳児、免疫力が低下した人

感染するとどうなるのか

健康な成人が感染した場合、症状が軽いか、発症しないことも多いとされています。一方で、妊婦や高齢者、免疫力が低下している人では重篤な感染症につながる場合があるため注意が必要です。

主な症状

  • 軽い胃腸炎:発熱、下痢、吐き気、嘔吐、筋肉痛
  • 菌血症・敗血症:菌が血液中に入り、全身の感染につながる
  • 髄膜炎:強い頭痛、首の硬直、意識の混乱など
  • 妊娠中の感染:流産、死産、早産、新生児の重い感染症につながることがある

報道によると、米国CDCは、侵襲性リステリア症は原因食品を食べてから通常2週間以内に症状が現れるとしていますが、さらに時間が経ってから発症することもあるとされています。WHOは侵襲性リステリア症の症例死亡割合を20〜30%と説明していますが、これは重症化した患者に関する数字であり、菌が付着した食品を食べた人全体の20〜30%が死亡するという意味ではありません。

タイFDAが10月28日に発表した内容

報道によると、米国食品医薬品局(FDA)が2026年10月20日に輸入警戒対象に追加した中国のエノキタケ生産業者について、タイ食品医薬品局が自国への輸入記録を調べた結果、当該業者からの輸入は確認されなかったと2026年10月28日に発表しました。

ただし、タイFDAは輸入エノキタケのサンプル検査を増やし、リステリア菌への監視を継続するとしています。また、エノキタケを食べること自体を禁止しているわけではなく、十分な加熱によって菌を殺せるため、しっかり火を通して食べるよう呼びかけています。なお、海外ではエノキタケのリコール事例も報告されています。

エノキタケを安全に食べるための加熱方法

タイFDAが10月28日に示した推奨は、食品内部の温度を70℃より高くし、中心までしっかり加熱することです。鍋料理で熱いスープに短時間くぐらせるだけの調理は避けるよう注意されています。2024年のタイ国立食品研究所の注意喚起でも、70℃で少なくとも2分間加熱することが案内されていました。

調理方法ごとの注意点

  • しゃぶしゃぶ・すき焼き:熱いスープに数秒浸すだけでは不十分。中心までしっかり煮る
  • ムーガタ・焼き物:外側だけでなく、束の内側まで加熱する
  • 炒め物:全体に火を通し、生の部分を残さない
  • 生のエノキタケ:食べないことを推奨

調理時には、生のエノキタケをすぐ食べる食品と分けて扱うこと、エノキタケに触れた包丁・まな板・手を洗うこと、冷蔵保存は4℃未満を目安にしつつも冷蔵だけでは菌が死なないことを意識することも大切です。

すでにエノキタケを食べてしまった場合は

十分に加熱したエノキタケを食べて、現在症状がない場合は、今回の報道だけを理由に過度に心配する必要はありません。米国CDCによると、汚染された可能性がある食品を食べた場合でも、症状がなければ通常は検査や治療を必要としないとされています。

ただし、妊娠中の方、高齢者、免疫力が低下している方で発熱や筋肉痛などの症状が出た場合は、医療機関に相談し、食べた食品と日付を伝えてください。強い頭痛、首の硬直、意識障害、けいれんなどがある場合は緊急の診療が必要です。

旅行者・在住者へのポイント

タイではしゃぶしゃぶや鍋料理、ムーガタなどでエノキタケが日常的に使われています。日本人旅行者・在住者にとっても身近な食材のため、以下の点を意識しておくと安心です。

  • 鍋料理でエノキタケを食べる際は、スープにサッと通すだけでなく、中心までしっかり加熱しましょう。
  • 生のエノキタケをサラダなどに使うのは避けましょう。
  • 妊娠中の方、高齢者、免疫力が低下している方は特に加熱を徹底しましょう。
  • 現時点でエノキタケの販売・流通が禁止されているわけではなく、過度に心配する必要はありません。

タイの大手メディアの報道をもとにまとめています。

まとめ

バンコクのエノキタケからリステリア菌が検出されたというSNSの話題は、2024年4月にタイ国立食品研究所が公表した5検体の調査結果に基づくものです。2026年10月28日には、タイ食品医薬品局が輸入記録の確認と監視強化を発表しました。リステリア菌は十分な加熱で予防できるため、鍋料理などで食べる際はしっかり火を通すことが大切です。

リステリア菌には十分な加熱が必要ですが、私の場合は、えのきだけに限らずバンコクで購入した野菜や果物はすべて洗ってから食べています。その際には浄水器の使い放題の水がおすすめです。

FAQ

今タイで売られているエノキタケは危険なのですか?

報道によると、話題になっている「5検体陽性」という結果は2024年4月の調査によるもので、2026年に新たに汚染が確認されたわけではありません。タイFDAもエノキタケの販売・摂取自体を禁止していません。

エノキタケは何度で加熱すれば安全ですか?

報道によると、タイFDAは食品内部の温度を70℃より高くし、中心までしっかり加熱することを推奨しています。鍋料理でスープに短時間くぐらせるだけでは不十分とされています。

リステリア菌に感染するとどんな症状が出ますか?

報道によると、発熱、下痢、吐き気、嘔吐、筋肉痛といった軽い症状が多いですが、妊婦や高齢者、免疫力が低下している人では、菌血症や髄膜炎など重篤な症状につながる場合があります。

すでにエノキタケを食べてしまいましたが、大丈夫でしょうか?

報道によると、十分に加熱して食べ、現在症状がなければ過度に心配する必要はないとされています。ただし、妊娠中の方や高齢者などで発熱や筋肉痛などの症状が出た場合は、医療機関に相談してください。

出典・参考サイト


著者プロフィール

Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

関連記事

タイムラインバンコクでは、旅行者や在住者に役立つ最新情報を配信していますのでシェアやブックマークをお願いします。またSNSのフォローもよろしくお願いします。

about me
Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
記事URLをコピーしました