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「ナガティタン」タイで東南アジア最大の新種恐竜の化石を発掘 体長27メートルの大型竜脚類

タイで発見された東南アジア最大級の新種恐竜「ナガティタン」をテーマに、巨大な竜脚類と化石発掘現場を描いたサムネイル画像
keita satou

2026年5月14日、タイ東北部チャイヤプーム県で発掘された巨大恐竜の化石が、新属新種「Nagatitan chaiyaphumensis(ナガティタン・チャイヤプーメンシス)」として学術誌『Scientific Reports』に正式発表されました。推定体長は約27メートル、体重は約27〜30トンで、現時点で東南アジアで確認された最大の恐竜とされています。

化石の発見自体は2016年のことですが、タイとイギリスの国際研究チームによる分析・研究を経て、今回の正式発表に至りました。

ナガティタンとはどんな恐竜か

ナガティタンは、首と尾が長く4本の太い脚で歩く草食恐竜のグループ「竜脚類(サウロポッド)」に属します。ブラキオサウルスなどと同じ仲間です。生息していたのは約1億〜1億1,300万年前の白亜紀前期で、ティラノサウルスが登場するよりもさらに約4,000万年古い時代です。

そのサイズ感

  • 全長:約27メートル
  • 体重:約27〜30トン(成体のアジアゾウ9頭分以上・ティラノサウルスの3倍以上)
  • 前脚の上腕骨:1本だけで約1.78メートル(人間の身長より長い)

ただし「世界最大の恐竜」ではありません。南米で見つかっているアルゼンチノサウルスやパタゴティタンなどは30メートル超とされており、ナガティタンは「東南アジア最大」という位置づけです。

名前の由来

学名「Nagatitan chaiyaphumensis」には、タイらしい意味が込められています。「Naga(ナーガ)」はタイや東南アジアの信仰・寺院文化でよく見られる蛇神、「titan(タイタン)」はギリシャ神話の巨人、「chaiyaphumensis」は発見地のチャイヤプーム県に由来します。「チャイヤプームのナーガの巨人」というニュアンスです。

発見から正式発表まで10年の歩み

2016年、チャイヤプーム県ノンブアラウェー郡の共同池のそばで、地元住民のタノム・ルアンナンさんが「奇妙な形をした岩」に気づき、タイ鉱物資源局へ報告したことが始まりです。

  • 2016〜2019年:初期の発掘作業。脊椎骨・肋骨・骨盤・脚の骨などを回収。その後資金不足により一時中断。
  • 2024年:新たな資金を確保し、残りの発掘・本格分析を再開・完了。
  • 2026年5月14日:学術誌『Scientific Reports』に論文として正式発表。新属新種として確認。

国際研究チームと主任研究者

今回の研究を主導したのは、ロンドン大学カレッジ(UCL)に在籍するタイ人の博士課程学生、ティティウート・セータパニッチサクル氏です。マハサラカム大学の古生物学者シータ・マニットクーン博士、UCLのポール・アップチャーチ教授、リスボン大学のペドロ・モーチョ博士らも参加した国際共同研究です。

リスボン大学のモーチョ博士は「これまでタイの大型恐竜は断片的な化石しか知られていなかったが、今回の発見は進化の歴史を埋めるパズルになる」と述べています。

なぜタイでこれほど巨大な恐竜が生きていたのか

ナガティタンが生きていた約1億年前、現在のタイ東北部は乾燥した川沿いの平原で、ワニ・魚・翼竜・他の恐竜なども生息していたとされています。地球全体が温暖な「温室状態」にあり、広大な低木林の環境が超巨大草食恐竜を育む豊富な植物を支えていたと考えられています。

また、同じ環境には大型肉食恐竜も存在していましたが、成体のナガティタンはその巨大な体格から主要な天敵はいなかったと推定されています。

タイの「恐竜大国」としての実力

ナガティタンはタイで正式に命名された14番目の恐竜です。マハサラカム大学の研究者によると、タイは恐竜化石の多様性が非常に高く、恐竜の化石の豊富さにおいてアジアで中国・モンゴルに次ぐ規模の可能性があるとされています。

タイ東北部のコラート高原周辺は以前から恐竜化石の産地として知られており、以下の施設が関連する展示を行っています。

  • シリントーン博物館(カーラシン県):タイ最大の恐竜博物館。今回の化石もここで研究・保管されています。
  • プーウィアン国立公園(コンケン県):恐竜化石の発掘現場が見学できるエリアが近隣にあります。
  • ナコンラチャシマ(コラート)周辺:恐竜関連の展示施設が点在しています。

タイは、東南アジアで最も豊かな古生物学地帯の一つです。コーンケーン、カラシン、チャイヤプームの化石発掘地からは、1億年以上前の化石が発見されており、その中にはティラノサウルスの遠縁にあたるシャムラプトル・スワティのような新種も含まれています。これらの発見の多くは現在、博物館や発掘現場で展示されており、恐竜研究の中心地としての役割をあらためて強調しています。
出典:タイ国政府観光庁

タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。

まとめ

タイは「ビーチや寺院だけの国」ではなく、世界的にも重要な恐竜化石の産地でもあります。2016年に地元住民が池のそばで見つけた「変な岩」が、10年の研究を経て東南アジア最大の恐竜として世界に認められたこの発見は、タイの自然史研究の大きな成果です。

昨年のジュラシックパークシリーズでも撮影場所に選ばれていたり、多くのコラボイベントも開催されており、タイでの恐竜人気はお子様を中心に高いものがあります。ダイナソーというのが一般的らしいです。一昔前は着ぐるみに入った人の恐竜のイベントが多かったですが、最近は機械制御のロボット形式が増えてきています。

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よくある質問

Q. ナガティタンは世界最大の恐竜ですか?

A. いいえ。東南アジアで確認された最大の恐竜ですが、世界最大ではありません。南米で見つかっているアルゼンチノサウルスやパタゴティタンは30メートル超とされており、ナガティタンはそれらには及びません。

Q. 発見場所はタイのどこですか?

A. タイ東北部チャイヤプーム県ノンブアラウェー郡の共同池のそばで発見されました。化石はシリントーン博物館(カーラシン県)で研究・保管されています。

Q. なぜ発見から正式発表まで10年かかったのですか?

A. 2016〜2019年に初期発掘が行われましたが、資金不足により一時中断しました。その後2024年に研究が再開・完了し、タイとイギリスの国際研究チームによる詳細な分析を経て2026年5月に正式発表されました。

Q. 化石の現物を見ることはできますか?

A. 化石はカーラシン県のシリントーン博物館で研究・保管されています。タイ東北部の恐竜観光に関心がある方は、シリントーン博物館やコンケン県のプーウィアン周辺、コラート周辺の施設も合わせてご確認ください。

Q. タイで恐竜の化石が見つかるのはなぜですか?

A. タイ東北部のコラート高原は、白亜紀の地層が豊富に残っており、以前から恐竜化石の産地として知られています。研究者によるとタイは恐竜化石の多様性が非常に高く、アジアで中国・モンゴルに次ぐ規模の可能性があるとされています。

出典・参考サイト

  • Scientific Reports(Nature)2026年5月14日掲載
  • Reuters(2026年5月14日配信)
  • BBC(2026年5月配信)
  • CNA – Channel NewsAsia(2026年5月配信)
  • The Thaiger(2026年5月15日配信)
  • NPR(2026年5月14日配信)
  • タイ国政府観光庁

著者プロフィール

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Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

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about me
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Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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