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タイでポケモンカードの詐欺被害 総額2400万円(500万B) 11歳の被害も

ポケモンカードのパックと被害を証言する人物(顔にモザイク処理あり)のイメージ、出典ASEAN NOW
keita satou

タイのポケモンカードの取引をめぐり、20〜25人が「代金を支払ったのに商品が届かなかった」として警察に被害を申告する事案が起きています。申告されている被害総額は約500万バーツ(1バーツ約4.8円換算で、約2,400万円)にのぼり、被害者には11歳の子どもも含まれているとされています。

何が起きたのか

2026年8月19日、被害を訴えるグループが、支援者とともにタイ中央捜査局(CIB)傘下の経済犯罪抑制部の相談・被害届受付窓口を訪れました。

申し立てによると、タイ語報道で「นาย ม.(Mr. M)」とだけ紹介されている男性が、ポケモンカードなどの希少なトレーディングカードを海外から調達できるとして、購入や交換を持ちかけていた疑いがあります。

被害者数については、報道によって幅があります。当日窓口を訪れたのは数人でしたが、これまでに把握されている被害者は少なくとも20人、報道によっては25人以上とされています。被害総額は、複数の報道で「500万バーツ超」と一致していますが、これは現時点で申告されている暫定的な金額であり、最終的に確定した被害額ではありません。

最初は本当に商品を届けていた

今回の手口で特徴的なのがこの点です。被害者の証言によれば、最初から商品を送らなかったわけではありません。

報道によると、問題の人物はカードゲームのイベントなどに顔を出し、コレクターや若いプレイヤーと親しくなり、「海外から希少カードを調達できる」と説明していたとされています。最初の注文では実際に商品を届け、取引を何度も正常に成立させることで信用を築いていたといいます。

被害者の一人である15歳の少年は、約4か月にわたって実際に商品を受け取っていたと証言しています。購入したカードを転売すると、平均で約10%の利益も出ていたとされています。つまり被害者からすると、「以前もちゃんと届いた」「実際に利益も出た」という実績があったため、より高額な取引へ進んでしまったという状況です。

高額注文になると商品が届かなくなる

被害者側によると、取引金額が大きくなってから問題が発生したとされています。カードが届かない理由として、「税関で止められている」「商品が差し押さえられた」「税金に問題がある」「追加費用を支払わなければ商品を出せない」などと説明されたと報じられています。

その後も納品されず、最終的に連絡が遮断され、SNSアカウントや取引ページも閉鎖されたと被害者側は主張しています。Facebook、Instagramのアカウントが無効化され、連絡が取れなくなったという点は、複数の報道で共通しています。

被害者の事例

15歳の少年:約14万バーツ

15歳の少年は、バンコクのカードゲームイベントで相手と知り合ったとされています。最初の約4か月間は注文品が届き、転売で利益を得ていたため相手を信用するようになったと説明しています。その後、注文したカードが届かなくなり、追加で約1万バーツを貸してもいたため、被害額は約14万バーツと申告されています。

20代の被害者:約64万バーツ

もう一人の被害者は、15歳の少年を通じて相手と知り合ったとされる、カード取引に詳しいコレクターです。年齢について、報道によって22歳・23歳と1歳の差があるため、本記事では「20代の被害者」と表記します。

最初は、鑑定・認証済みの「グレーディングカード」の交換から始まり、約6万5,000バーツ相当の取引を正常に行っていたとされています。その後、「Umbreon(ブラッキー)」の希少カードを希望したところ、市場価格約50万バーツと説明されたカードを、41万バーツで入手できると提案されたといいます。最終的にこの被害者が申告した被害額は、約64万バーツです。ただし、この「市場価格約50万バーツ」という金額が第三者機関によって確認されたものかどうかは、報道では明らかになっていません。

11歳の子どもは1枚のカードで100万バーツ超の被害か

その後の報道では、さらに衝撃的な情報も出ています。11歳の子どもが、希少なポケモンカード1枚を購入するために100万バーツ以上を支払い、商品を受け取れなかったと報じられています。

100万バーツという大金が誰のものだったのか、保護者が取引を承認していたのか、子ども本人だけで送金したのかまでは、現時点の報道では説明されていません。したがって、「11歳が自分のお金100万バーツを投資した」と断定することはできませんが、確認できるのは、「11歳の被害者について、カード1枚をめぐり100万バーツ超の損失が申告されている」というところまでです。

ポケモンカードだけではない

今回の問題は、ポケモンカードだけに限定されないとされています。支援者は、被害申告にはポケモンカード以外のコレクターズカードも含まれていると説明しています。

また、問題の人物は「希少カードを海外から安く仕入れられる」「カード業界の有名人や世界大会優勝者を知っている」「特別な仕入れルートがある」などと述べ、信用を得ていたと被害者側は説明しています。ただし、実際にそうした人脈やルートが存在したかどうかは、まだ捜査で確認されていません。あくまで「本人がそう主張していたと関係者が証言している」という段階です。

「投資詐欺」と呼べるのか

タイ語報道の中には「カードへの投資を持ちかけた」という表現もありますが、今回の具体的な取引内容は、ポケモンカードの予約購入、希少カードの売買、グレーディングカードの交換、価格差額の精算が中心です。

そのため、金融商品への投資詐欺と確定的に呼ぶより、「希少なトレーディングカードの販売・交換・予約取引を利用した詐欺疑惑」と説明する方が、現時点では正確です。

容疑者は逮捕されていない

8月19日に行われたのは、被害者側がCIB傘下の経済犯罪抑制部へ被害を申告した段階です。被害者側は警察に対し、容疑者の行方を追い、事情聴取や法的措置を進めてほしいと求めています。したがって、「ポケモンカード詐欺師を逮捕」ではなく、「ポケモンカードなどを巡る詐欺被害を訴え、20〜25人以上が警察に相談・被害申告」というのが正確な表現です。また、容疑者の実名も正式には公表されておらず、タイメディアでは「นาย ม.」と匿名化されています。

被害者らは警察に対し、被疑者の特定・追跡、送金先の確認、SNS・チャット履歴の調査、カードの実在・仕入れ状況の確認、他の被害者の把握などを求めていますが、逮捕状が出た、逮捕された、資産が凍結されたという情報は、今回確認できた範囲では報じられていません。

タイで急増する「商品・サービス詐欺」の一例

タイ警察のAnti Cyber Scam Center(ACSC)の統計を見ると、2026年8月時点でオンライン詐欺のうち、商品・サービスに関する詐欺が件数ベースで圧倒的に多くなっています。ACSCの8月統計では、確認された件数のうち約77.7%を商品・サービス詐欺が占めています。7月の統計でも、オンライン詐欺25,201件のうち、商品・サービス詐欺が19,680件、全体の約78.1%を占めていました。

今回のカード事件も、コレクター市場の高額化を利用した、こうした商品取引型詐欺の一例として警戒すべきケースといえます。

日本人への注意

日本でも同様のカード取引を行う場合、次の点にご注意ください。

  • 最初の数回、商品が届いたことだけで信用しない
  • 市場価格より極端に安い希少カードを警戒する
  • 「海外の特別ルート」「有名人と知り合い」だけを根拠に送金しない
  • 予約商品は、納期・返金条件・販売者情報を確認する
  • 個人名義口座への高額送金を避ける
  • カードの現物、鑑定番号、所有権を確認する
  • 売買契約、チャット、送金記録、商品画像を保存する
  • 未成年者が高額取引をする場合は、保護者が内容を確認する
  • 他人のアカウント評価や過去の取引実績をそのまま信用しない

特に「何度か正常に商品が届いた後に、急に大量注文を勧められる」というパターンには注意が必要です。

タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。

まとめ

タイのポケモンカードなどトレーディングカード取引をめぐり、20〜25人が代金を支払ったのに商品が届かなかったとして被害を申告し、経済犯罪抑制部が相談を受け付けています。申告された被害総額は約500万バーツ(約2,400万円)で、11歳の子どもも被害者に含まれているとされていますが、これは暫定的な申告額であり、最終的に確定した被害額ではありません。

今回の手口の特徴は、最初に本物の商品を届けて信用を築いたうえで、高額な取引へ誘導する点です。容疑者は「นาย ม.」とのみ匿名で報じられ、現時点で逮捕されたという情報は確認できていません。

日本と同様にタイでもコレクターは盛んです。大型商業施設にいくとたまにフィギュアやゲーム、トレーディングカードなどのプレミア価格の商品を見かけることがあります。またタイではSNSを通しての個人間取引も盛んですが、同様に詐欺被害の報告も多く目立ちます。このあたりは大手通販サイトを好む日本人と中間マージンを避けるタイ人の商取引の認識の違いがあると思います。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 容疑者はすでに逮捕されたのですか?

いいえ、現時点で逮捕されたという情報は確認できません。8月19日に行われたのは、被害者側が警察へ被害を申告した段階です。容疑者の実名も公表されておらず、タイメディアでは「นาย ม.」とのみ報じられています。

Q2. 被害総額500万バーツは確定した金額ですか?

いいえ、確定額ではありません。これは現時点で申告されている暫定的な被害総額です。支援者は、今後さらに被害者が増える可能性があるとしています。

Q3. 11歳の子どもは本当に自分で100万バーツを支払ったのですか?

資金の出所は明らかになっていません。100万バーツという資金が誰のものだったのか、保護者が取引を承認していたのかまでは、現時点の報道では説明されていません。確認できるのは、11歳の被害者についてカード1枚をめぐり100万バーツ超の損失が申告されている、という点までです。

出典・参考サイト

  • The Thaiger「Pokémon card trader allegedly swindles collectors of 5 million baht」
  • Tnews(タイ語報道)
  • VnExpress International
  • Anti Cyber Scam Center(タイ警察)

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Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1900人)や複数のSNS(総フォロワー8万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

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Keita Satou
タイ在住ライター
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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