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タイ「砂糖」の次は「塩」を課税対象に。塩分税の導入案を準備

スーパーマーケットの食品棚の前でショッピングカートを押す、マスク姿の女性。棚には砂糖、塩、インスタントラーメン、スナック菓子が並んでいる。上部には「タイ「砂糖」の次は「塩」」「砂糖税に続いて」「塩分税の導入案を準備」という日本語テキストが入っている。右下に「AI IMAGE」の文字。
keita satou

タイ政府は、清涼飲料水への「砂糖税」に続く健康促進税の第2弾として、包装食品に含まれる総ナトリウム量に応じた「ナトリウム税(塩分税)」の導入案を本格的に準備しています。背景には、タイ国民の深刻な塩分過剰摂取と、それに伴う膨大な医療費の増大があります。

1. ターゲットは「包装食品」:何が値上がりする?

今回のナトリウム税は、全ての「塩」に課税されるわけではありません。物品税局が狙いを定めているのは、主に工場で生産される以下の品目です。

  • 主な課税対象:インスタントラーメン、ポテトチップスなどの塩味スナック、冷凍食品、レトルト食品。
  • 課税の基準:食塩だけでなく、保存料やベーキングソーダ由来のナトリウムも合算した「総ナトリウム量」が対象となります。
  • 除外対象:屋台やレストランの出来立て料理、調理済み惣菜、ファストフード店などは、現時点では対象外となる見通しです。

2. 医療費1.6兆バーツの衝撃:なぜ今「塩」なのか

タイ政府がこの強硬な税制を導入しようとする最大の理由は、国家財政を圧迫する医療システムへの負担です。

タイ人の1日平均ナトリウム摂取量は約3,650mgで、WHOが推奨する2,000mgの約1.8倍に達しています。これにより、高血圧や慢性腎臓病を抱える国民は2,200万人を超え、これに伴う経済損失は年間約1.6兆バーツ(約8兆円)に達していると推計されています。

3. 砂糖税の成功例:メーカーに迫られるレシピ変更

先行する「砂糖税」は、2017年の導入以降、段階的に税率を引き上げてきました。その結果、多くの飲料メーカーが「砂糖ゼロ」や「微糖」へのレシピ変更(リフォーミュレーション)を行い、タイのコンビニ棚は劇的に健康志向へと変化しました。政府はこの成功体験を「塩」でも再現し、メーカーに減塩を促す狙いがあります。

【まとめ】在住者の家計と「味」への影響

急激な価格高騰を避けるため、メーカーには約6年間の調整・猶予期間が設けられる方針ですが、長期的にはインスタント麺などの価格上昇は避けられないでしょう。

また、日系メーカーも「タイ専用・減塩レシピ」への切り替えを迫られるため、私たちの慣れ親しんだスナック菓子の味が少しずつ変わっていくかもしれません。

日本では独身税と言われる負担増。タイは砂糖と塩に税金。人間は「生きてるだけで税金を支払う仕組み」と昔先輩が言っていたのを思い出します。とは言え国民の健康に配慮した糖分や塩分削除への取り組みは世界中に広がっていくのかもしれません。


免責事項

本記事で紹介しているナトリウム税(塩分税)の導入計画や税制に関する情報は、2026年3月時点の報道および公開資料に基づいています。税率、対象品目、施行時期などの詳細は政府の決定により変更される場合があります。本記事の情報に基づいた判断や行動によって生じたいかなる不利益についても、当サイトは一切の責任を負いかねます。

著者プロフィール

【keita satou】
keita satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

出典

  • 1. Straits Times – Thailand preparing Asia’s first sodium tax
  • 2. Bloomberg Tax – New tax proposal takes aim at Thailand’s salty food obsession
  • 3. Mahidol University – Policy Brief on Sodium Tax in Thailand

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Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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