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警察署の新庁舎に「登れない階段」税金の無駄とSNSで大炎上

タイ・バンコクのスティサーン警察署の新庁舎内部。階段を登りきった先が天井と壁で完全に塞がれている不可解な光景。出典:Thairath
keita satou

2026年3月29日、バンコクのスティサーン警察署(สน.สุทธิสาร)の新庁舎を巡り、シュールすぎる写真がSNSを駆け巡っています。立派な階段を登った先が天井で塞がれているという不可解なビジュアルに、1億3,900万バーツ(約6億円)もの税金を投じたプロジェクトとして、市民から厳しい目が向けられています。

1. 騒動の発端:SNSで拡散された「行き止まりの階段」

火種となったのは、元警察官で人民党(People’s Party)関係者のティーラワット氏による投稿です。新庁舎の視察中に撮影された写真には、驚きの光景が収められていました。

  • 天井に刺さる階段: 2階へ向かうはずのメイン階段が、上部で板状の建材によって完全に遮断されている。
  • 不可解な照明: 塞がれている場所にもかかわらず、天井には豪華な照明が設置されており「仮設」にしては作り込みが不自然。
  • 設計への疑問: 階段以外にも、駐車棟のスロープが狭すぎて車両の旋回が困難な可能性が指摘されています。
完成予想図
出典:Propholic

2. 警察側の釈明:「ホームレス対策」と「インフラ待ち」

批判の嵐を受け、スティサーン警察署のポンテープ署長はメディアの取材に対し、設計ミスを真っ向から否定しました。

警察が主張する「階段封鎖」の理由
  • 未引渡しの状態: 建物はほぼ完成しているが、電力設備の地下化工事が未完了のため、まだ正式な引き渡しを受けていない。
  • 防犯上の措置: 過去にホームレスが侵入し、上階で建物に損傷を与えた。そのため一時的に合板で2階への通路を塞いでいる。
  • 一時的な壁: 正式オープン時にはこの「壁」は撤去され、本来の設計通り2階へ通行可能になる。

3. 浮き彫りになった「1.3億バーツの予算」と「3年の遅れ」

今回の炎上が収まらない最大の理由は、見た目の奇妙さだけでなく、背景にある杜撰(ずさん)なプロジェクト管理にあります。

  • 巨額の建設費: 契約額は約1億3,900万バーツ。日本円にして約6億円以上の巨費が投じられている。
  • 深刻な納期遅延: 2021年4月に起工し、本来は2023年に完成予定だった。しかし、2026年3月現在でも本格運用ができておらず、約3年も遅延している。

現在、バンコク首都警察(MPB)の幹部もこの事態を重く見ており、建設経緯の透明性について精査を指示しています。

4.SNSの声

  • 「この階段は、『徳(Boon)』が高い人にしか見えないドアに繋がっているんだ。」
  • 「ここに座ってお供え物をしたら、次の宝くじの当選番号を教えてくれそうだ。」
  • 「1億3,900万バーツもかけてこれ? 設計図を逆さまに読んだんじゃないの?
  • 「セキュリティのため? それなら最初から階段を作らなければ、その分の予算を他に回せただろ。」
  • 「タイの役所仕事のクオリティが、この階段一段一段に凝縮されているよ。」
  • 「完成検査の時に、検査官が寝ていたか、賄賂で目が眩んでいたかのどちらかだ。」
  • 「上がった先は秘密の部屋なんでしょ」
  • 1階を作った人と2階を作った人は打ち合わせしたのか
  • 「こういうディテールを見ると、公共工事全体の品質が不安になる」
  • 「警察官もかわいそう。こんな建物で働かされるのか」
  • 「説明は分かるが、見た目として“完成してる風なのに情報発信が足りない」

一部理解はあるものの否定的な意見が圧倒的に多数です。

まとめ:新庁舎の「開通」はいつになるのか

警察は「一時的な措置」としていますが、市民からは「仮の壁に照明までつける必要があるのか」という再反論が絶えません。高騰する燃料価格や物価高に悩むタイ国民にとって、この「登れない階段」は税金の無駄遣いの象徴として映っています。

タイでは時折、こうした「不思議な設計」が話題になりますが、今回の騒動は、単なる笑い話では済まされない広がりを見せています。事実確認と真相解明がまたれます。


著者プロフィール

タイムラインバンコク編集部keitasatouのアイコン

keita satou:バンコク在住10年以上。タイの最新法規制、政治情勢、事件をいち早くキャッチ。本件のような「ビジュアルのインパクト」と「社会的な背景」が交差するニュースを、在住者の肌感覚を交えてレポートすることを得意とする。

出典・参考サイト

  • Thairath Online (2026/03/29)
  • Matichon Online (2026/03/29)
  • Khao Sod (March 2026)

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about me
Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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