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バンコクの飲食・娯楽施設 824件中56店舗が一時停止、551店舗に改善命令 検査対象は1.4万件に

バンコクのナイトスポット街で警察官や検査官が合同で立ち入り検査を行う様子を描いたイラスト。「バンコクの飲食・娯楽施設 824件中56店舗が一時停止 551店舗に改善命令」の文字が入ったバナー画像(生成画像)
keita satou

バンコク都は、ラートプラオ地区の飲食・娯楽施設で発生した大規模火災を受け、市内の「娯楽施設に類似する営業施設」を一斉に検査し、安全上の問題が確認された56店舗に対して一時的な営業停止を命じました。今回の措置は56店舗を永久に廃業させるものではなく、問題を改善して安全性が確認されれば再開できる可能性があります。

きっかけとなったラートプラオ火災

報道によると、火災は2026年7月12日午後11時57分ごろ、ラートプラオ・ソイ1付近の大型飲食・娯楽施設「โรงเบียร์ ณ ลาดพร้าว」で発生しました。

火災当初は27人の死亡が確認され、その後入院していた負傷者が死亡したことで、7月22日時点の死者は35人に増えています。同日時点で21人が入院を続けており、このうち12人が集中治療室、9人が一般病棟で治療を受けていました。

初期の現場確認では、店内中央付近が激しく燃え、犠牲者の多くは煙を吸ったことが死亡につながった可能性があると報告されています。ただし、火災の正式な原因や、避難経路が適切に機能したかについては、警察や鑑識当局の調査が続いています。

3日間で824店舗を検査

バンコク都の管轄下には、バー、ライブ音楽店、大型飲食店などを含む「娯楽施設に類似する営業施設」が1,091カ所あります。火災後の3日間で824カ所を検査した結果は次のとおりです。

  • 基準を満たした施設:217カ所
  • 改善を命じられた施設:551カ所
  • 一時営業停止となった施設:56カ所

検査した824店舗のうち、問題なく基準を満たしたと判断されたのは217店舗でした。残る607店舗では、何らかの改善が必要、または営業を継続できない安全上の問題が確認されたことになります。

56店舗はどこなのか

2026年7月23日時点で、営業停止となった56店舗について、店舗名、住所、地区別の一覧は、確認したバンコク都発表や主要報道では公表されていません。

そのため、トンロー、エカマイ、アソーク、ラートプラオなど、特定の地域の56店舗が一斉に閉鎖されたという意味ではありません。バンコク市内各地で行われた検査の合計として、56店舗が一時営業停止になったという発表です。どの店が対象なのかは、各店舗の告知や区役所の個別発表を確認する必要があります。

「娯楽施設」とはどのような店か

今回バンコク都が検査したのは、法律上正式に「娯楽施設」として許可された店だけではありません。バンコク都の説明では、今回の1,091店舗は、飲食店として営業許可を取得しながら、実際にはライブ演奏、ダンス、深夜営業、アルコール提供などを行う「娯楽施設に類似する営業施設」です。

法律上の正式な娯楽施設は主に警察が管轄しますが、飲食店や公衆衛生法上の営業施設は、バンコク都や各区役所が監督します。今回の検査は、こうした法的区分の隙間で営業する施設も対象にしています。

なぜ56店舗が営業停止になったのか

バンコク都は、安全検査のために新たな「17項目のチェックリスト」を作成しました。56店舗については、安全性に影響する問題が確認されたため、営業を続けさせることができないと判断されました。

報道によると、バンコク都が特に追加確認を求めている項目として、次の設備が挙げられています。

  • 建物内部の電気配線と電気設備
  • 防音材や断熱材に使用されている発泡素材
  • 火災時の延焼につながる内装材
  • 専門家による建物・設備の安全証明
  • 営業許可や建物用途の適法性

電気配線や壁・天井内部の防音材は、外から目視しただけでは安全性を判断できません。そのため、事業者側が技術者や専門家による検査結果、証明書を提出するよう求められます。ただし、17項目の完全な一覧や、各店舗がどの項目に違反したのかは公表されていません。

551店舗は営業を続けられるのか

改善を命じられた551店舗については、直ちにすべて営業停止になったわけではありません。チャッチャート都知事は、問題が軽微で直ちに重大事故につながらない場合は、事業者に改善する機会を与えると説明しています。

一方、利用者の生命に関わる重大な危険が確認された場合は、直ちに営業を停止させます。今後の再検査で改善が確認されなければ、追加の営業停止措置が取られる可能性があります。

一時営業停止となった店舗も、問題を改善しただけで自動的に再開できるわけではありません。設備の修理、安全対策の実施、必要書類の提出などを行い、区役所や担当当局の再検査を受ける必要があります。構造、避難経路、電気設備などに重大な欠陥がある店舗は、長期間営業できない可能性もあります。

タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。

検査は今後2カ月間継続、対象は1.4万棟へ拡大

今回の824店舗の検査で終了するわけではありません。バンコク都は、少なくとも今後2カ月間、市内の施設への検査を続けます。すでに検査した店舗も再訪し、指示された改善が実際に行われたかを確認する方針です。

バンコク都は、検査対象をバーやライブ音楽店だけに限定しない方針です。今後は、法律上「多数の人が集まる建物」や「興行施設」に分類される、約1万4,000棟の建物についても確認を進めます。対象には、劇場や映画館、コンサート・イベント施設、大型飲食店、娯楽施設、ボクシングスタジアムなど、多数の観客を収容する施設が含まれる可能性があります。

こうした建物は、法律に基づく年次点検に加え、5年ごとの大規模な建物検査を、独立した建物検査資格者から受ける必要があります。バンコク都は、各施設が必要な検査を受け、報告書を提出しているかについても確認します。

市民から27件の通報

バンコク都は、市民通報システム「Traffy Fondue」を通じて、火災や安全上の危険がある店舗について情報提供を受け付けています。7月22日の発表時点で、27件の通報が寄せられており、当局は優先的に現地確認を行うとしています。

利用者から見て、非常口がふさがれている、店内が過密状態になっている、電気設備から焦げた臭いがするなどの危険がある場合は、店舗スタッフへの連絡に加え、Traffy Fondueを通じて報告する方法があります。

日本人利用者が確認したいポイント

今回の検査強化は、トンロー、エカマイ、アソーク、ラートプラオなど、日本人が利用する飲食店やナイトスポットにも関係します。店舗へ入った際は、少なくとも次の点を確認した方が安全です。

  • 非常口がどこにあるか
  • 出口までの通路に物が置かれていないか
  • 出口の扉が施錠されていないか
  • 収容人数を大幅に超える混雑がないか
  • 天井や壁に燃えやすそうな防音材が大量に使われていないか
  • 店内で火花や特殊効果を使っていないか
  • 消火器や非常灯が見える場所にあるか

特に地下店舗、窓のない店舗、入口が一つしかない店舗、細い階段で上階へ移動する店舗では、入店時に避難経路を確認することが重要です。

まとめ

バンコク都は、ラートプラオの大規模火災を受け、824店舗を緊急検査し、56店舗を一時営業停止、551店舗に改善を命じました。検査は今後2カ月間継続され、対象は約1万4,000棟へ拡大される方針です。7月23日時点で、営業停止となった56店舗の名称や地区別内訳、各店舗の違反内容は公表されていません。

先日食事にいった商業施設でも検査現場に遭遇しました。施設のオーナーも店舗オーナーも突然抜き打ちで検査に来たそうです。一店舗ずつにかなりの時間をかけて警察官だけでなく、数十人の検査官(複数の機関)との合同で来ていたので、今回の検査の本気度が伺えます。飲食の利用客に何か話しかける様子もなく純粋に店舗の防災確認を行っていました。

在タイ日本人や駐在者の立場から見ると、トンローやエカマイなど普段利用している店が対象になっている可能性もゼロではありません。特に地下や2階以上のフロアで、避難経路がひとつしかないような店は、混雑時の滞在時間を短くするなど、自分なりの安全対策を意識しておくとよいと思います。今後2カ月は夜間の実地検査が続くとみられるため、突然の臨時休業に出くわす可能性がある点も、頭の片隅に置いておくと安心です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 一時営業停止となった56店舗はどこですか?

2026年7月23日時点で、店舗名、住所、地区別の一覧はバンコク都や主要報道で公表されていません。各店舗の告知や区役所の個別発表を確認する必要があります。

Q2. 営業停止になった店は二度と再開できないのですか?

いいえ、永久廃業ではありません。設備の修理や安全対策を行い、区役所や担当当局の再検査で問題が解消されたと確認されれば、再開できる可能性があります。ただし重大な欠陥がある場合は長期間営業できないこともあります。

Q3. 今後も同様の検査は続きますか?

はい。バンコク都は少なくとも今後2カ月間検査を継続し、対象を約1万4,000棟の建物へ拡大する方針です。

出典・参考サイト

  • ASEAN NOW「Bangkok shuts 56 venues after Lat Phrao brewery fire」
  • Thai PBS「กทม.สั่งปิดชั่วคราวสถานประกอบการ 56 แห่ง บกพร่องด้านความปลอดภัย」
  • PPTVHD36「”ชัชชาติ” สั่งปิด 56 สถานประกอบการ พบบกพร่องความปลอดภัยร้ายแรง」

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Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

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Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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