パタヤで中国人理容師を現行犯逮捕! 外国人がタイで就業できない仕事について
2026年3月20日、、パタヤで中国人理容師が「タイ人専用の職業」に従事していたとして、おとり捜査による警察の突入を受けたのです。
タイには、ワークパーミットの有無に関わらず、外国人が絶対にプレーヤーとして働いてはいけない「予約業種」が存在します。今回の事件の解説と、日本人が「うっかり」ハマりやすい禁止職種についてまとめました。
1. 中国人理容師、おとり捜査による摘発
2026年3月20日午後5時ごろ、パタヤのスクンビット通り沿いにある施設で、移民警察とパタヤ警察による合同の現行犯摘発が行われました。
- 逮捕された人物:
中国籍の男性(40歳)。観光目的のビザで滞在していました。 - 逮捕の状況:
警察官がおとり捜査として客を装い店内に潜入。実際に男性がハサミを握り、客の髪を切っている「現行犯」で身柄を確保。バリカンやハサミ等の理容器具一式も証拠として押収されました。 - 適用された容疑:
労働許可なしでの就労、およびタイ法で「外国人に禁止された職業(理容・ヘアドレッシング)」に従事した疑い。 - 今後の処分:
パタヤ警察署にて法的処分を受けた後、強制送還およびタイへの再入国禁止(ブラックリスト)の対象となる見込みです。
2. 外国人が「現場」で従事できない職種リスト
タイには「タイ人のためだけの聖域」として、外国人が実務(プレーヤー)として働くことを禁じている業種があります。以下の仕事は、現場で実際に手を動かす行為そのものが禁止されています。
- 理容師・美容師(今回のケース):
散髪、パーマ、洗髪、ヘアスタイリング、メイク、ネイル、マニキュア、フェイシャルマッサージ等。 - タイ古式マッサージ:
マッサージ師としての現場施術。 - ツアーガイド・観光案内:
観光地での案内、誘導、解説業務。 - 店舗での対面販売:
露店、屋台、または店舗レジでの接客および販売。 - 車両の運転:
タクシー、トラック、バス、フォークリフト等の運転業務
(専門的な特定例外を除く)。 - タイ伝統工芸:
木彫、手織り、漆器、土器、仏像製作、金銀細工、伝統楽器の製作。 - 一般事務・秘書:
タイ語による事務および秘書業務。 - 法律実務:
訴訟代理人などの法律業務(タイ国内法に基づくもの)。 - 行商・仲介業:
街頭での販売や、一部の仲介・代理店業務。
3. 【よくある勘違い】
「経営者・管理者」として参加はできる。
「禁止職種=そのビジネスに参加できない」わけではありません。適切な法的手続きを踏めば、外国人も経営側として関わることが可能です。以下の「境界線」を正しく理解してください。
- オーナー(株主・出資者)としての経営:
外国資本比率(通常49%以下)を遵守し、法人のオーナーとして事業を所有・運営することは可能です。美容室やマッサージ店の「オーナー」になること自体は禁止されていません。 - マネージャー(管理職)としての就業:
現場でハサミを握るのではなく、店舗の売上管理、スタッフへの指示、マーケティング、財務等の「管理・監督業務」としてワークパーミットを取得することは適法です。 - 専門技術の指導:
実際に客へ施術を行うのではなく、タイ人スタッフに対して技術研修やデモンストレーションを行う指導官としての立場であれば、認められるケースがあります。
4. 在住外国人が「うっかり」違反する危険な瞬間
管理職としての許可を得ていても、以下の「現場作業」を行った瞬間に摘発対象となるリスクがあります。
- オーナーによる「ちょこっと施術」:
人手が足りないからと、オーナー自ら客の髪を整えたり、マッサージの仕上げをしたりする行為(完全アウト)。 - 飲食店での「接客・配膳」:
日本人マネージャーであっても、常習的にテーブルでの配膳やレジ打ちを行うことは「店頭販売・単純労働」とみなされる可能性があります。
5.日本にも同様のルールがあります
タイの「予約業種(禁止職種)」を特殊なルールだと感じがちですが、実は日本でも専門職や自国民を守るための厳格な規制が存在します。
- 理容師法・美容師法による制限: 日本でも国家資格(免許)を持たない者が髪を切ることは法律で厳しく禁じられています。「友人だから」「身内だから」という理由での無資格施術も、営業行為とみなされれば処罰の対象となり得ます。
- 在留資格(ビザ)による就労制限: 日本に滞在する外国人も、そのビザで許可された職種以外に従事することは「資格外活動」として禁止されています。観光ビザや留学生が勝手に理髪店で働くことは、日本でも当然「不法就労」です。
- タクシーや医療などの「聖域」: 日本での「白タク(無許可タクシー)」の取り締まりや、資格のない者が行う医療・マッサージ行為の制限など、国民の安全と生活を守るための規制は万国共通です。
タイは「自国民の雇用保護」に重きを置き、日本は「公衆衛生や品質の維持」に主眼を置いていますが、「無許可・無資格の就労を許さない」というスタンスは変わりません。
日本と同様にタイ人の仕事を守るためにあるルール
今回のパタヤの摘発は、「タイ人の雇用と聖域を守る」という新政権の強いメッセージです。「身内向けなら大丈夫」「自分は経営者だから」という言い訳は、警察の突入時には通用しません。日本と同様にタイ人の仕事を守るためにあるルールというのを理解しておきたいものです。
タイでのビジネスの継続のカギは、実務はタイ人に任せ、外国人は「経営・管理」の立場を徹底するという役割分担が不可欠です。ご自身のワークパーミットの許可内容と、日々の実務が乖離していないか、今一度ご確認ください。
日本の場合は、人手不足のために外国人労働者の規制緩和をしており、我々が最近よく目にするニュースの内容で就業できる職種が年々拡大しているのが日本の現状です。このルールは国ごとによっても違います。他の国では大丈夫だからとか日本では大丈夫だからというのは通用しないというのを理解しましょう。
免責事項
本記事の内容は、2026年3月21日現在の現地報道および公開情報に基づいた解説であり、特定の法的助言を行うものではありません。タイの労働法や外国人就業規制は、規制や緩和等頻繁に告示が更新されるため、実際に起業や就労を検討される際は、必ず専門家にご相談ください。
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著者プロフィール
【keita satou】
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
ライター紹介:https://enjoy-bkk.com/about/
Facebook:https://www.facebook.com/thaimlinebkk
出典・参考サイト
- ASEANNOW / Pattaya News (2026.3.20)
- Department of Employment (DOE), Ministry of Labour Thailand
- Foreign Business Act (1999) and Alien Working Act

