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シラチャーソースに注意 「かけ過ぎ」による糖分・塩分のリスクを専門家が指摘

シラチャーソースのボトルと、ガパオライス・トムヤムクンなどタイ料理のイメージイラスト(AIIMAGE)
keita satou

卵料理、麺、揚げ物などにかける万能調味料として親しまれている「シラチャーソース」。海外の栄養専門家が、その糖分・塩分の摂り過ぎに注意を呼びかけていると報じられています。

低カロリーというイメージがある一方、かけ過ぎには思わぬ落とし穴があるようです。本記事では、海外の専門家が指摘するポイントと、日常での上手な使い方を整理します。

シラチャーソースとは

シラチャーソースは、赤唐辛子、酢、にんにく、砂糖、塩などを主原料とする辛味調味料です。唐辛子の辛味、にんにくの風味、酢の酸味に、甘みと塩気が組み合わさった味わいが特徴で、卵料理、揚げ物、麺、炒め物、海鮮料理、サンドイッチなど、幅広い料理に使われています。製品によって、辛さ、甘さ、塩分、粘度、添加物の内容が異なります。

カロリーは低め、しかし油断は禁物

シラチャーソースは、マヨネーズや油を多く使うソースに比べると、通常は低カロリーです。小さじ1杯あたり約5kcalとされる製品もあり、脂質もほとんど含まれていません。そのため、ダイエット中でも少ないカロリーで味を強くできる「風味を足す調味料」として利用できるという専門家の見解もあります。

ただし、低カロリーだからといって、無制限に使ってよいわけではありません。問題になりやすいのは、カロリーよりも糖分とナトリウムです。

意外と多い糖分

シラチャーソースには、辛さを和らげ、甘みと粘りを出すために砂糖が使われています。小さじ1杯程度なら糖分は多くない場合がありますが、大さじで何杯も使う、甘い飲料やデザートと一緒に食べる、毎食使うといった場合には、1日の糖分摂取量に影響する可能性があります。

WHO(世界保健機関)は、遊離糖類を総エネルギー摂取量の10%未満に抑え、さらに5%未満(目安として1日約25グラム程度)まで減らすと健康上のメリットがあるとしています。

特に注意したいのは塩分・ナトリウム

英国の栄養専門家で、人間栄養学の修士号を持つジェナ・ホープ氏は、大さじ1杯のシラチャーソースには、1日の推奨ナトリウム摂取量の約13%が含まれているとし、これは同量のケチャップに含まれる塩分の約2倍に相当すると指摘しています。

塩分の摂り過ぎは、高血圧や心血管疾患のリスクと関係します。特にタイ料理では、ナンプラー、醤油、オイスターソースなど、料理そのものにすでに塩分・ナトリウムが多く含まれていることが多いため、そこへシラチャーソースを大量に足すと、ナトリウム量がさらに積み上がりやすくなります。

WHOは、成人のナトリウム摂取量を1日2,000ミリグラム未満(食塩換算で約5グラム未満)に抑えることを推奨しています。

添加物について

商品によっては、保存料、増粘剤、酸味料などが使われている場合があります。ホープ氏は、一部の保存料が腸内環境などに影響する可能性について言及していますが、この点は研究の内容を正確に区別して理解する必要があります。

シラチャーソースに使われることがある亜硫酸塩については、試験管内の実験で、一定濃度以上において複数の有益な乳酸菌の増殖が抑えられたとする研究があります。ただし、これは人間がシラチャーソースを食べた結果として腸内細菌が減少したことを示す臨床試験ではありません。

また、ソルビン酸カリウムについては、2026年に発表された大規模な前向きコホート研究(約10万5,000人が対象)で、摂取量が多いグループにおいて全がん・乳がんの発症率との統計的な関連が確認されています。一方、同じ研究では大腸がんについて明確な関連は確認されておらず、研究者自身も、これは因果関係を証明したものではなく、さらなる研究が必要な「関連」の段階だとしています。心血管疾患についても、複数の保存料への高い曝露との統計的関連を示す大規模研究がありますが、こちらも観察研究であり、因果関係を証明したものではありません。

まとめると、「シラチャーソースの保存料が特定の病気を引き起こすと証明されている」とは言えませんが、一部の保存料について、摂取量と特定の健康指標との統計的な関連を示す研究が近年報告されている、というのが正確な理解です。添加物が入っていること自体が直ちに危険という意味ではなく、使用基準・使用量が守られている限り、保存性や品質を保つ目的で使われています。成分表示を確認し、賞味期限や保存方法を守って使用することが大切です。

「辛い=健康的」とも限らない

唐辛子に含まれるカプサイシンについては、代謝や心血管系との関係を調べた研究がありますが、通常シラチャーソースを小さじ1杯程度食べるだけでは、研究で使用されるような量には届かないとされています。健康効果を狙って大量に食べれば、今度は砂糖や塩分の摂取量が増えてしまうため、本末転倒になりかねません。

胃が弱い人は注意

少量なら一般的には問題ないとされていますが、唐辛子やにんにくによって、人によっては胸焼け、胃酸逆流、胃痛、過敏性腸症候群(IBS)の症状が出る可能性もあります。ただし、この点は体質による差が大きく、「シラチャーソースが胃に悪い」と一律に言えるものではありません。

タイの飲食店で注意したいこと

タイの飲食店では、テーブルにナンプラー、砂糖、唐辛子、酢、醤油、シラチャーソース、チリソースなどが並んでいることがあります。麺料理、炒め物、揚げ物、チャーハンなどには最初から味がついているうえ、さらに卓上調味料を加えると、糖分・塩分・ナトリウムが増えます。

特に注意したい組み合わせは、シラチャーソース+ナンプラー、シラチャーソース+甘いチリソース、シラチャーソース+加工肉、シラチャーソース+インスタント麺、シラチャーソース+甘いタイミルクティーなどです。

健康な人も完全に避ける必要はない

通常、健康な人がシラチャーソースを少量使うことまで禁止する必要はありません。大切なのは使い方です。

  • まず小さじ1杯程度から試す
  • 料理にかける前に味を確認する
  • ソースを「追加」するのではなく、別の調味料を減らす
  • 毎食ではなく、時々使う
  • 成分表示で砂糖・ナトリウム量を確認する
  • 食卓に出す量を小皿に取り分ける

「辛いから健康的」「低カロリーだから何杯使ってもよい」という考え方は適切ではありません。

持病がある人はより注意

次のような方は、シラチャーソースを含む調味料の使用量について、より注意が必要です。

  • 高血圧がある人
  • 腎臓病がある人
  • 糖尿病や血糖値が高い人
  • 心血管疾患のリスクがある人
  • 塩分制限・糖分制限を受けている人
  • 胃食道逆流症や辛味で症状が悪化する人

ただし、具体的な摂取量は病状や食事全体によって異なります。医師や管理栄養士から制限を受けている場合は、その指示を優先してください。

代替の工夫

より糖分・塩分を抑えたい場合は、オリーブオイル、レモン、生唐辛子、少量の塩を使った自家製ドレッシングなどが選択肢になります。砂糖を使っていないタイプのチリペースト(サンバルオレック等)も一つの方法ですが、こちらも塩分が高い場合があるため、栄養表示の確認が必要です。

バンコク在住者・旅行者へのポイント

タイの外食では、料理そのものにナンプラー、砂糖、醤油、調味ソースが使われていることが多いため、卓上のシラチャーソースは追加調味料として少量使うのが無難です。注文時には、次のようなタイ語が使えます。

  • ไม่หวาน(マイワーン):甘くしない
  • หวานน้อย(ワーンノーイ):甘さ控えめ
  • เค็มน้อย(ケムノーイ):塩分控えめ
  • ไม่ใส่น้ำปลา(マイサイナンプラー):ナンプラーを入れない
  • ซอสแยก(ソートイエーク):ソースを別添えにする
  • ใส่นิดเดียว(サイニッディアオ):少しだけ入れる

タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。

まとめ

シラチャーソースは、少量なら食事の風味を高める便利な調味料です。カロリーは比較的低いものの、大さじ1杯で1日の推奨ナトリウム摂取量の約13%に達するとされ、これはケチャップの約2倍に相当するといいます。「低カロリー=無制限に使ってよい」わけではなく、糖分とナトリウムの摂り過ぎには注意が必要です。

特にタイの外食では、料理自体に複数の調味料が使われているため、卓上のシラチャーソースは追加として少量にとどめるのがおすすめです。高血圧、糖尿病、腎臓病などがある方は、シラチャーソースの量だけでなく、料理全体の糖分と塩分を意識することが重要です。

シラチャーソースはタイ発祥でありながら、アメリカをはじめ世界中で大人気となった調味料です。日本でも自動販売機で売られていることが話題になったことがあり、ご存じの方も多いかもしれません。唐辛子・にんにく・酢・砂糖・塩を合わせたピリ辛の万能調味料で、タイの緑色のシーフードソース「ナムチンタレー」とは違い、程よい酸味とまろやかさがあるため、辛いものがあまり得意でない方にも人気があります。編集部としても、タイの屋台や食堂ではついシラチャーソースやプリックナンプラーを気前よくかけてしまいがちですが、辛いものが好きな方ほど「かけ過ぎ」に注意が必要だと感じています。特にタイ料理は塩味・甘味のベースがすでにしっかりしていることが多いので、卓上調味料は味見をしてから少しずつ足す習慣をつけると安心です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. シラチャーソースは食べると体に悪いのですか?

少量であれば、通常は問題ないとされています。ただし、大さじ1杯には1日の推奨ナトリウム摂取量の約13%が含まれるとされ、大量・頻繁に使うと糖分・ナトリウムの摂取量が増える可能性があります。「食べると病気になる」といった断定的な内容ではありません。

Q2. 低カロリーなら安心して使っても良いのですか?

カロリーが低いことと、糖分・ナトリウムが少ないことは別の話です。シラチャーソースは低カロリーの製品が多い一方、砂糖や塩が含まれているため、かけ過ぎには注意が必要です。

Q3. 保存料が入っているシラチャーソースはがんのリスクがありますか?

一部の保存料について、摂取量と特定の健康指標との統計的な関連を示す観察研究は報告されていますが、これは因果関係を証明したものではありません。「シラチャーソースの保存料ががんを引き起こすと証明されている」というのは正確ではなく、現時点では今後の研究の積み重ねが必要な段階です。成分表示を確認し、適切な保存方法・使用量を守ることが大切です。

出典・参考サイト

  • ASEAN NOW「Sriracha’s sugar and salt drawback for diners」
  • 世界保健機関(WHO)
  • 英国国民保健サービス(NHS)

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Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1900人)や複数のSNS(総フォロワー8万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。

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Keita Satou
タイ在住ライター
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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