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タイの銀行の「県外ATM手数料」タイ中銀が廃止へ検討進める

タイのショッピングモールに並ぶカシコン銀行、SCB、バンコク銀行、アユタヤ銀行のカラフルなATMの列。上部にはタイ中銀が「県外ATM手数料」の廃止を検討していることを伝えるニュースの見出し。AIMAGE
keita satou

バンコクで開設した銀行口座なのに、パタヤやチェンマイのATMで現金を引き出すと15〜20バーツほど手数料が引かれる現象。タイ在住者の間で長年「謎」とされてきたこの「地域間手数料(Cross-province fees)」が、ついに廃止される見通しとなりました。

タイ中央銀行(BoT)は、時代にそぐわない銀行手数料体系の標準化に向けた検討を本格化させています。

2026年5月ごろまでに新たな料金体系が正式に発表される見通しです。

デジタル化により「現金輸送コスト」が激減

タイ中銀のウィタイ総裁は、手数料見直しの最大の理由として「デジタル決済の普及による物理的コストの低下」を挙げています。

  • 物理輸送の必要性が低下:かつては現金をトラック等で運搬するコストがかかっていましたが、現在はオンライン清算が主流です。
  • デジタル化の恩恵を還元:コストが激減した現代において、県境をまたぐという理由だけで手数料を取り続けるのは不合理だと指摘されています。
  • 地方居住者の負担軽減:遠隔地ほど負担が重くなる現在の仕組みを見直し、家計や中小企業の金融コストを削減する狙いがあります。

見直し対象は「ATM」以外にも及ぶ

今回の検討対象は地域間手数料だけにとどまらず、10〜15の主要な銀行手数料項目に及ぶ予定です。

標準化・上限設定が検討されている項目
  • 県をまたぐ入金・引き出し・送金手数料
  • 銀行取引明細書(ステートメント)の発行手数料
  • ATMカードの発行・再発行および年会費
  • 残高不足時の口座維持手数料

実施時期:2026年5月ごろに新体系発表か

中銀は今後2ヶ月以内に各銀行との協議を経て具体的なガイドラインを示し、2026年5月ごろまでに新たな料金体系が正式に発表される見通しです。

まとめ:地味ながら嬉しい「生活支援」

タイ全土どこでも自分の口座のようにATMを使えるようになることは、旅行者や出張者にとっても大きなメリットです。タイ在住者がタイ国内旅行で現金を引き出すときに手数料を支払った経験のある方も多いのではないでしょうか?

また「地方旅行時にATMを使うともったいない」と、不必要に現金を多く持ち歩くリスクも軽減されます。

ただし、日本への送金手数料の高さもどうにかしてほしいと思います。

「デジタル化の恩恵を消費者に還元する」というタイ中央銀行の英断により、長年の「不本意な手数料」が解消されようとしています。5月の正式な実施ルール公表を注視しましょう。


著者プロフィール

【keita satou】
keita satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

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Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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