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食品や生活必需品の値上げが続く タイ政府は価格統制品目リストの追加へ

タイのスーパーマーケット店内の様子を描写したAI生成画像。画像上部に大きな赤い文字で「鶏・豚・卵の価格上昇が続く」、その下に黒い大きな文字で「タイ政府は生活必需品も含む価格統制品目リストの追加へ」というテキストが大きく配置されている。店内には卵や肉、野菜の棚があり、買い物客が卵を眺めている。卵の値札には「30個 115」とある。右下に「AI IMAGE」のロゴ。
keita satou

2026年3月、タイ生活を支える食料品や日用品の価格高騰が止まりません。商務省は「価格統制品目の値上げは一切承認していない」と主張していますが、現場の市場データはそれとは異なる過酷な実態を示しています。中東情勢に伴う原油高の影響が広がる中、政府が価格統制品目を71品目へ拡大する検討を始めた背景と、実際に私たちの家計を直撃している価格上昇の現実との乖離が明らかになりました。

1. 政府の「値上げ禁止」宣言と市場価格の乖離

商務省・国内取引局(DIT)の公式見解とは裏腹に、3月に入り主要な食肉・卵の価格は目に見えて上昇しています。最新の市場実態は以下の通りです。

  • 鶏のもも肉:
    3月初旬の80〜85バーツ/kgから、現在は90〜95バーツ/kgへ上昇。
  • 豚赤身肉:
    月初145〜150バーツ/kgだったものが、最高165バーツ/kgに達している。
  • 豚肉の出荷原価:
    ナコンパトム県の農場出荷価格が56バーツから62バーツへ急騰。これが消費者に直接転嫁されている。
  • 卵(サイズ3):
    1個3.5〜3.6バーツから3.7〜3.8バーツへ値上がり。
    小売店では1個4バーツ超えも。
  • 当局への不信感:
    消費者は「DITや農業経済局の数字は、政府の『値上げなし』という説明とは明らかに異なる」と指摘しています。

2. 【対策】統制品目を71品目へ拡大
(飲料水や原材料を追加)

この状況を受け商務省は、2026年3月25日の価格中央委員会において、新たに12品目を統制リストに追加する提案を行います。

  • 追加検討中の品目:ペットボトル飲料水、および容器・梱包材の原料となる「プラスチックペレット」。
  • 狙い:包装材コストの上昇を抑えることで、加工食品全般への「連鎖的な値上げ」を食い止める。
  • 厳格な罰則:不当な値上げ、売り惜しみに対しては、最長7年の禁錮刑、または最大14万バーツの罰金が科せられます。

3. 日用品13品目を「事前承認制」へ厳格化

既存のリストに含まれる日用品についても、監視ランクが引き上げられます。これまでの「事後報告」から、より強制力の強いルールへ変更される見通しです。

  • 事前承認の義務化:
    トイレットペーパー、ティッシュ、生理用ナプキン、洗濯用洗剤、食器用洗剤、シャンプー、石鹸など。
  • メーカーの対応:
    即席麺メーカーや大手飲料メーカーは、今後3ヶ月程度の価格据え置きを表明。
  • 今後の監視:
    3月25日の委員会承認後、これらの品目は値上げの前に政府の許可が必須となります。

まとめ:家計防衛のために事実を注視

スーパーに行く度に値段が上がっている昨今。駐在員家庭だけでなく飲食店の店主からの悲鳴もよく耳にします。また円安傾向も高まって食費への負担が増加する海外駐在者の現状です。ユニリーバ、ネスレ、P&Gを含む9つの主要消費財メーカーは4月までは価格を据え置くという発表もありましたが、中東情勢が解決しないと価格の安定は難しいのかもしれません。


著者プロフィール

タイムラインバンコク編集部keitasatouのアイコン

keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

出典・参考サイト

  • Nation Thailand (Online版)
  • Thairath English
  • Thai PBS World
  • Commerce Ministry (moc.go.th)

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about me
Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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