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タイ政府も72時間の緊急備蓄を推奨した理由と必要な防災用品6項目

タイの72時間防災備蓄をイメージした防災グッズ・食料品とバンコクの街並み(AI生成)
keita satou

タイ内務省傘下の防災・減災局(DDPM)は2026年11月2日、災害や緊急事態に備え、各家庭で72時間(3日間)を乗り切るための緊急用品を準備するよう呼びかけました。これは2026年10月29日にタイ国家安全保障会議(NSC)が否定した「中東情勢を理由にした戦争向けの72時間備蓄警告」とは別の話で、洪水・地震・停電など幅広い災害に備える一般的な防災対策です。この記事では、DDPMが発表した備蓄ガイドラインと、バンコク在住の日本人が準備しておきたいポイントを解説します。

タイ政府が72時間分の緊急用品を推奨した理由

タイ政府の防災・減災局が推奨する72時間(3日間)の緊急備蓄を図解。飲料水9L、保存食、常備薬、懐中電灯、モバイルバッテリー、重要書類などの防災用品6項目と、タイ在住日本人ができる備えを紹介。

報道によると、タイ防災・減災局は、災害発生後の最初の72時間が重要な期間になると説明しています。大規模な洪水や地震などが発生すると、道路の寸断や通信障害によって、行政の救援活動や支援物資の配布がすべての地域にすぐ届くとは限りません。そのため、各家庭が最初の3日間を自力で過ごせるよう、水や食料、医薬品などの基本的な物資を準備することが推奨されています。

DDPMは、次のような災害・緊急事態を想定しています。

  • 洪水や突然の河川氾濫
  • 豪雨による土砂崩れ
  • 地震
  • 火災
  • 感染症の流行
  • 大規模な通信障害

当局は、タイ語で「ตระหนัก แต่ไม่ตระหนก(警戒しつつも、過剰に恐れない)」という考え方を強調しています。あくまで推奨であり、備蓄の義務化や、していない場合の罰則はありません。

推奨される緊急持ち出し用品6項目

1. 医薬品・健康用品

  • 救急セット
  • 家庭用の常備薬・日常的に服用している処方薬
  • 診療記録や服薬情報

2. 飲料水・非常食

報道によると、DDPMは飲料水を1人1日3リットル準備することを推奨しています。72時間分では、1人当たり9リットルが目安です。4人家族の場合は3日間で36リットルとなります。これは家庭内で備蓄する目安であり、すべてを避難時に持ち運ぶ必要があるという意味ではありません。

  • 缶詰やレトルト食品
  • 保存期間の長いパンやクラッカー
  • 子供用の食品や粉ミルク、高齢者・持病のある人に適した食品

3. 通信機器・防災用品

  • モバイルバッテリー、懐中電灯、予備の乾電池
  • 携帯ラジオ(電池式または手回し式)
  • ホイッスル、筆記用具

バンコクのコンドミニアムでは、停電時にエレベーターや給水ポンプが停止する可能性があるため、水とモバイルバッテリーの確保は特に重要です。あわせて建物の避難階段や管理事務所の連絡先も確認しておきましょう。

4. 重要書類・現金

緊急時には銀行ATMやQRコード決済が利用できなくなる可能性があります。重要書類とそのコピー、現金、予備の鍵などを防水性のある袋にまとめておくことが推奨されています。日本人がタイで準備しておきたい書類は以下の通りです。

  • パスポート・ビザや滞在許可に関する情報
  • タイの運転免許証、健康保険証
  • 銀行口座・緊急連絡先の情報、家族の連絡先

パスポートなどの原本を常時バッグに入れたままにすると紛失・盗難のリスクもあるため、保管場所を決め、緊急時にすぐ持ち出せる状態にしておくことが大切です。

5. 衛生用品

  • ティッシュペーパー、ウェットティッシュ
  • 歯ブラシ・歯磨き粉、石けんなどの洗浄用品
  • ゴミ袋

6. 衣類・雨具・寝具

  • 着替え、レインコート、帽子
  • 毛布、必要に応じて寝袋

タイでは洪水や豪雨によって衣服が濡れる可能性があるため、着替えは防水袋などに入れておくと安心です。

緊急持ち出し袋と自宅の72時間備蓄は分けて考える

報道によると、DDPMの啓発内容では緊急用品を2種類に分けて準備する方法が紹介されています。

  • 緊急持ち出し袋(Go Bag):避難時にすぐ持ち出す用、最低24時間分
  • 家庭内の非常用備蓄:自宅にとどまる場合の生活維持用、最低72時間分

持ち出し袋は軽量で運びやすいことが重要です。非常食や水をすべて詰め込んで重くしすぎると、迅速な避難が難しくなる場合があります。自宅には3日間分の水や食料を備蓄し、避難用には持ち運べる範囲の必要最低限の用品をまとめておく方法が現実的です。

「戦争への緊急警告」ではない点に注意

報道によると、2026年10月29日、タイ国家安全保障会議(NSC)は、「中東情勢に備えて国民に72時間分の食料や医薬品を備蓄するよう警告した」との情報について、そのような警報や備蓄要請は出していないと正式に否定しています。

一方、11月2日の防災・減災局による発表は、洪水・地震・火災・停電など幅広い緊急事態への日常的な備えを呼びかけるものです。両者は異なる内容であり、矛盾しているわけではありません。

旅行者・在住者へのポイント

バンコクやタイ国内で生活する日本人にとって、最初に行いたいのは大量の買い出しではなく、自宅にある物の確認です。

  • 家族の人数に合わせて3日間分の水と非常食を確認する
  • 常備薬、懐中電灯、モバイルバッテリー、重要書類が使える状態か点検する
  • コンドミニアムの避難階段、管理事務所の連絡先、家族との集合場所を確認する
  • 食品や薬の使用期限、機器の動作状態を定期的に確認する

タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。

まとめ

日本・イギリス・アメリカ・スウェーデン・フィンランドの3〜7日分の防災備蓄目安を比較。タイ政府が72時間備蓄命令の情報を否定したことや、飲料水9L、保存食、常備薬などタイ在住者向けの防災対策を紹介するインフォグラフィック。

2026年11月2日、タイ防災・減災局(DDPM)は、各家庭が緊急時の最初の72時間を乗り切れるよう、水・食料・医薬品・通信機器・重要書類・衛生用品・衣類などを準備するよう呼びかけました。これは戦争や災害の発生を予告するものではなく、幅広い緊急事態に備える一般的な防災対策です。大切なのは過度に不安になることではなく、必要な物を少しずつ準備し、安全に行動できる状態を整えることです。

個人的には、バンコクのコンドミニアム住まいは停電時にエレベーターや給水が止まるリスクがあるため、水とモバイルバッテリーの備えは特に意識しておいた方が良いと感じています。また日本の住居と違いバスタブがない住宅も多いため、バスタブに水を貯めておくということもできませんので日常の買い物のついでに少しずつ備えておくのが無理なく続けられる方法だと思います。日本をはじめ世界の国々も備蓄については推奨していますので過去の記事もご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

タイ政府は全国民に72時間分の備蓄を義務付けたのですか?

いいえ。2026年11月2日のDDPMの発表は、緊急事態に備えるための推奨です。備蓄を義務化したり、していない人に罰則を科したりする制度ではありません。

これは戦争に備えた備蓄命令ですか?

いいえ。タイ国家安全保障会議(NSC)は10月29日、中東情勢を理由にした72時間備蓄の警告・命令を否定しています。今回のDDPMの推奨は、洪水・地震・停電など一般的な災害への備えであり、両者は別の内容です。

飲料水は家族4人で何リットル必要ですか?

DDPMが示す1人1日3リットルの目安で計算すると、4人家族で3日間に36リットルになります。家庭内の備蓄を想定した数量であり、すべてを避難時に持ち運ぶ必要はありません。

緊急持ち出し袋と家庭の備蓄は何が違いますか?

緊急持ち出し袋(Go Bag)は避難時にすぐ持ち出す最低24時間分、家庭内の備蓄は自宅にとどまる場合の生活維持用で最低72時間分が目安とされています。

今すぐ大量に買いだめした方がよいですか?

いいえ。DDPMは「警戒しつつも、過剰に恐れない」という姿勢を強調しています。一度に買いだめするのではなく、日常の買い物のついでに少しずつ備蓄を追加する方法が推奨されています。

出典・参考サイト


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バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

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Keita Satou
タイ在住ライター
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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