タイ全土で燃料価格が1リットルあたり6バーツの値上げ スタンドには長蛇の列も
2026年3月26日、タイ全土のガソリンスタンドで歴史的な価格改定が行われました。燃料基金運営委員会(OFMC)の決定により、全油種の小売価格が一律1リットルあたり「6バーツ(プレミアム系は8バーツ)」引き上げられました。昨夜は値上げ前の駆け込み給油で各地に長蛇の列ができ、一部では品切れも発生。タイ生活を直撃する「燃料ショック」の詳細を解説します。

1. 3月26日からの新旧価格比較(代表値)
今回の改定は、過去に例を見ないほど大幅な一括引き上げとなりました。バンコク都内主要スタンドでの代表的な新価格は以下の通りです(※地方税により地域差あり)。
- ディーゼル (B7):32.94B → 38.94B(+6.0B)
- ガソホール 95:35.05B → 41.05B(+6.0B)
- ガソホール 91:34.68B → 40.68B(+6.0B)
- ベンジン 95:43.64B → 49.64B(+6.0B)
- プレミアム・ディーゼル:48.64B → 54.64B(+8.0B)
2. なぜ「一気に6バーツ」もの値上げなのか?
これまでは段階的な調整が一般的でしたが、今回は「ショック療法」とも言える大幅な補助金カットが行われました。背景には深刻な事情があります。
- 燃料基金の巨額赤字: 価格抑制のための補助金支出が続き、基金の残高はマイナス3,500億バーツ超と過去最悪の水準まで悪化。
- 国際価格の急騰: 中東情勢の緊迫化により、シンガポール市場のディーゼル価格が短期間で大幅に跳ね上がりました。
- 補助継続の限界: 「少しずつ」の調整では追いつかないほどキャッシュフローが枯渇しており、市場価格に近づけるための苦渋の決断とされています。
3. 昨夜の混乱:スタンドに溢れる車列
値上げのニュースが報じられた3月25日夜、値上げが開始される直前のタイ全土のガソリンスタンドには少しでも安いうちに給油しようとする車やバイクが殺到しました。
スクンビットやラチャダーなどの主要道路では、スタンド待ちの車列が車道を塞ぎ、深夜まで渋滞が発生。一部のスタンドでは燃料が底をつき、「Sold Out」の看板を出して早仕舞いする事態となりました。
まとめ:今後の「生活コスト」への波及に警戒を
燃料価格の急騰は、単なる移動費の上昇にとどまりません。配送車両のコスト増により、デリバリー料金、生鮮食品の価格、タクシー運賃など、あらゆる物価に波及する可能性が極めて高い状況です。また一部のサプライヤー等は新規の受け付けを停止したり、配送日を減らす等の対応策がすでに始まっています。
私も先日タクシーで普段乗車拒否をされたことのない場所や時間帯で初めて2台連続で乗車拒否の体験をしました。庶民が体感する燃料不足による影響がすでにタイでは出始めています。
政府は便乗値上げの監視を強めていますが、家計にとっては当面「この高い燃料価格がベースライン」になると想定し、移動計画や支出の見直しが必要になりそうです。
著者プロフィール

keita satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。
- ライター紹介:https://enjoy-bkk.com/about/
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出典・参考サイト
- Thai PBS (Official News Reports)
- Thairath Money
- OFMC (Oil Fuel Fund Management Committee)

