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米国式「逆ピラミッド食事法」にタイ政府が警告!米食中心のアジア人が注意したい「理由」

米国発の逆ピラミッド型食事法に対し、タイ政府が米食文化のアジア人へのリスクを警告するニュースのアイキャッチ画像。
keita satou

2026年3月、米国のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(保健福祉長官)が主導する新食事指針「逆ピラミッド型」が話題を呼んでいます。肉や脂肪を推奨するこのモデルに対しては、「米国内でも議論が分かれている新モデル」であり、今回タイ保健省栄養局は「米食が中心のアジア人にはリスクが高い」と異例の警告を発信。

なぜ最新の米国流が、何故タイ政府が「危険」と警告したのか、そして我々日本人にも共通する「その理由」を解説します。

1. 米国「逆ピラミッド」とタイ「栄養旗」の比較

米国が打ち出した新モデルは、穀類(炭水化物)を底辺に追いやり、肉・卵・動物性脂肪を最優先するスタイルです。これに対し、タイ政府は自国の「栄養旗(Nutrition Flag)」を堅持するよう強く呼びかけています。

  • 最優先(土台)
    肉・卵・バター・全脂肪乳製品
    米・穀類(玄米推奨)
  • タンパク質
    1.2g〜1.6g / 体重1kgあたり
    適量(魚・卵・豆を中心に)
  • 脂肪の扱い
    飽和脂肪(牛脂等)を肯定
    砂糖・油・塩は最小限に
  • メッセージ
    加工食品と砂糖の完全排除
    穀物ベースの栄養バランス

2. アジア人が注意すべき「3つの理由」

タイ保健省栄養局は、欧米人とアジア人の「体格」と「インスリン分泌能力」の決定的な差を指摘しています。

  • 腎臓への過度な負担:米国基準の高タンパク摂取(従来比約2倍)は、小柄なアジア人の腎機能を酷使し、将来的な腎不全リスクを高める可能性がある。
  • 心血管疾患リスクの跳ね上がり:肉やバター由来の飽和脂肪酸、さらにチーズ等に伴う塩分過多は、タイで深刻な高血圧や脳卒中の原因を直撃する。
  • インスリン分泌能の限界:アジア人は欧米人に比べインスリン分泌能力が低く、高脂肪食による内臓脂肪の蓄積は糖尿病の悪化を招きやすい。

タイ政府がすすめる栄養バランスとは

タイ保険省のすすめる栄養バランスの取れた食事
タイ保険省 衛生局栄養局提供の画像から日本語翻訳

9つの食生活指針(โภชนบัญญัติ 9 ประการ)タイ政府推奨

  • 5つの食品群から多様に食べ、適正体重を保つ
    ‐ 主食・副菜・主菜・果物・乳製品をバランスよく。
  • 米または他の炭水化物源を適量とる
    • 精白米だけでなく、雑穀・根菜も含めて「主食は適量」。
  • 野菜と果物を毎日たっぷり食べる
    • 緑黄色+淡色を組み合わせて、食物繊維・ビタミン補給。
  • 魚・赤身肉・卵・豆類を定期的にとる
    • 動物性と植物性タンパク質を組み合わせて、過不足なく。
  • ⑤毎日十分な量の牛乳を飲む
    • 成長期の骨・歯、成人の骨粗しょう症予防に。乳糖不耐なら他のカルシウム源で代替。
  • 脂肪は適量にとどめる
    • 油もの・揚げ物を控えめにし、植物油や魚の脂を中心に。
  • 甘いもの・塩辛いものを摂りすぎない
    • 砂糖入り飲料・スイーツ・ナンプラー多用などを控える。
  • 清潔で安全な食品を食べる
    • 生ものの取り扱い・水・屋台の衛生に注意。
  • アルコール飲料は避けるか、できるだけ減らす

3.米食中心「アジア」の知恵

日本でも定期的に流行する、西洋発の「ダイエット法や食事法」がタイに流入するのを何度も見てきました。しかし、タイ政府が言う「米と野菜をベースに、肉や脂を控える」という基本こそが、実はタイ人の体に最も馴染みます。というのを伝えたいようです。

米国式の「超加工食品を減らす」という理念は素晴らしいですが、流行しているといる理由だけで「逆ピラミッド食事法」に飛びつく前に、自分の体にあった食事法を見直すのがよいかもしれません。

まとめ

タイ人は日本人よりも米を好む傾向があります。サンドウィッチやパンやハンバーガーよりもクィッティアオなどの米粉の麺や餅米や白米を食べています。近年ではワインやパスタや牛肉を食べる文化は普及していますが、まだまだ地元の食事文化が日本以上に根付いています。

今回の保健省が警告するように、自国の食文化と自身の体質に合った食事法を選択することが、健康管理において最も重要です。米・野菜・魚を大切にする文化は日本人にも共通するところがいくつもあります。米食文化圏の人種は欧米人よりも腸が長い傾向があるというのも耳にしたことがあります。そしてこういった機会に自分の食事バランスを再考することが何よりも大切なことだと思います。


著者プロフィール

【keita satou】
keita satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
ライター紹介:https://enjoy-bkk.com/about/
Facebook:https://www.facebook.com/thaimlinebkk

出典

  • Nation Thailand 「Nutrition Warning: US ‘Upside-Down Pyramid’」
  • Bangkok Biz News 「タイ栄養当局:新・栄養旗への改定方針(2026)」
  • Dietary Guidelines for Americans 2025–2030
  • タイ保険省: https://www.moph.go.th/

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about me
Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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