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バンコクの屋台1万軒が消える 路上から屋台が60%以上減少した理由と今後

「バンコクの屋台1万軒が消える 路上から屋台が60%減少した理由とタイの屋台の今後」という日本語テキストと、バンコクのローカル屋台(ร้านข้าวแกง)のモノクロ基調AI生成画像を組み合わせた縦型サムネイル。
Thaim Line Bangkok

バンコクといえば、歩道に並ぶタイ料理の屋台やストリートフードは観光名物の一つです。
しかし今、その風景が急速に変わりつつあります。
AFPがバンコク都のデータをもとに報じたところによると、
2022年以降、バンコク市内の移動式屋台の数は60%以上減少し、路上から約1万軒が姿を消したとされています。

※本記事はタイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。

この記事のポイント

  • 2022年以降、バンコクの移動式屋台が60%以上減少・約1万軒が路上から消えた
  • 背景は「歩道を歩行者に返す」政策の強化と衛生管理の徹底
  • バンコク都が進めるのはシンガポール型「Hawker Center(ホーカーセンター)」モデル
  • 2026年4月、ルンピニー公園横に新Hawker Centerがオープン・約130店舗を収容
  • 屋台側には「移転後の売上減・廃業リスク」への不安の声も
  • 旅行者・在住者にとっては「歩道の屋台が減り、施設型フードセンターが増える」時代へ

1. 何が起きているのか:2年で1万軒が消えた

The Straits Timesは、AFPの報道として
バンコク都(BMA)のデータをもとに
2022年以降、市内の移動式屋台の推定数が60%以上減少し、
路上から約1万人の販売者が減った
と報じています。

バンコク都のチャッチャート知事も2024年時点で、
過去2年間で屋台・露店販売者が1万人以上減ったと説明し、
今後は公共の歩道ではなく、用意された場所や私有地に移していく方針を示していました。

ここでいう「60%減」は、バンコクの飲食店全体ではなく、
主に歩道や道路沿いで営業する移動式の屋台・露店販売者を指します。

2. なぜ屋台が減っているのか:4つの理由

① 「歩道を歩行者に返す」政策

2014年以降続く「คืนทางเท้าให้ประชาชน(歩道を市民に返す)」政策のもと、
歩道をふさぐ屋台の撤去が進んできました。
特にスクンビット・シーロム・ラチャプラソンなど
人通りの多い中心部エリアでは整理が加速しています。
THE STANDARDは、クロントゥーイ区でスクンビット4・16などを含む
複数の営業地点が廃止されたと報じています。

② 衛生管理・都市景観の強化

排水溝への油や食べ残しの流入・悪臭・清掃不足などの問題が確認され、
衛生面での取り締まりも強まっています。
観光都市としてのバンコクを整えるため、
清潔で歩きやすい都市空間づくりが優先されるようになっています。

③ コロナ後の需要変化と物価高

原材料費の高騰・家賃や電気代の上昇・
GrabやLINE MANなどデリバリーアプリへのシフトにより、
路上一本でやっていく採算性が悪化しています。
クラウドキッチンや路地裏の目立たない場所へ
拠点を移す業者も増えています。

④ Hawker Center化(屋内施設への移転誘導)

バンコク都は屋台を単に排除するのではなく、
シンガポール型の「Hawker Center」モデルを参考に、
衛生設備・給排水・ゴミ処理・座席を備えた施設への集約を進めています。
報道によると、近年5つのHawker Centerが開設されています。

3. 注目の新施設:ルンピニー公園横Hawker Center

2026年4月、ルンピニー公園5番ゲート付近(ラチャダムリ通り沿い)
新たなHawker Centerがオープンしました。

  • アクセス:BTSサラデーン駅6番出口・MRTルンピニー駅1番出口
  • 収容店舗数:約130店舗
  • 営業時間:朝の部 5:00〜16:00 / 夜の部 16:00〜24:00
  • 賃料:1日約60バーツ(バンコク中心部としては非常に安く設定)
  • 設備:給水・排水・グリーストラップ・洗い場・飲食スペース完備
  • 区画:1店舗あたり約2×2メートルの標準区画

Khaosod Englishは、同施設が清潔さ・安定した商売・
手頃な価格の食へのアクセスを両立させる狙いがあると報じています。

4. 屋台側の声:移転への期待と不安

屋台販売者側のリアルな声も紹介されています。

チャイナタウンで餅菓子を売る販売者は
「生活のために商売している。退去だけさせられるのは公平ではないが、
言われれば従うしかない」と話しています。
20年以上ドリアンを売っている男性も、移転させられた場合の代替案はなく、
「バンコクは物価が高く、対応できないかもしれない」と不安を語っています。

一方で、ルンピニー公園で長年麺を売ってきた販売者は、
新施設では水道や電気へのアクセスが便利になったと話しており、
移転をポジティブに受け止める声もあります。

過去の調査でも、屋台撤去後に周辺店舗の売上が50〜80%減り、
10〜20%が閉店したケースが報告されており、
屋台の消滅は本人だけでなく周辺の小規模商店にも波及する問題です。

5. 旅行者・在住者への影響

旅行者への影響

  • 「いつもの場所に屋台がない」が増える:特にスクンビット・シーロム・ラチャプラソン周辺では整理が進む可能性がある
  • 清潔で利用しやすいフードセンターは増える:座席・トイレ・キャッシュレス決済が整った施設は、初めてタイを訪れる人にも入りやすい
  • ローカル屋台を探すならソイ奥・ローカル市場・ホーカーセンターへ:昔ながらの雰囲気は大通りの歩道より路地や施設内に移っていく

在住者への影響

  • 「足元フード」が減る:通勤・通学路で「いつものカオマンガイ」「屋台コーヒー」が消え、日常利用の安価な食事が減る可能性がある
  • 生活コストが上がる可能性:安価な路上食が減ることで、低所得層や会社員の食費が上昇するという指摘もある
  • 歩道は歩きやすくなる:屋台が減った分、歩行者の通行は改善されている

まとめ:「自由な路上」から「管理された施設」へ

バンコクの屋台は「消える」のではなく、
「歩道から指定された施設・エリアへ移されていく」という表現が正確です。

今後は、ヤワラートやカオサンなど一部の観光特区では屋台存続が認められる一方、
ビジネス街や住宅街では屋内施設への集約が進む見通しです。
将来的には、シンガポール型の「管理されたストリートフード文化」
近づいていく可能性が高いとされています。

また商業施設の家賃の高騰でもともと単価が安い上に、在庫リスクが高く、原価率の高いタイ料理店ではそもそも営業が難しいという問題が根底にあり新規モールでは、フードコート以外にはそもそもタイ料理店がない商業施設というのも多数あります。

バンコクの「東南アジアの混沌とした魅力」と
「近代的な国際都市としての清潔さ」のバランスをどうとるか。
屋台をめぐる議論は、バンコクという都市の未来を映す鏡でもあります。

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著者プロフィール

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Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

出典・参考サイト

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タイムラインバンコク編集部は、バンコクに在住する経験豊富な編集者とライターからなる専門チームです。日本人メンバーだけでなく、日本語能力試験N1を持つタイ人メンバーも在籍しており、多様な視点から情報を捉えることを大切にしています。 インターネット上の情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、独自の取材・調査を行うことを信条としています。グルメ、ビューティー、最新ニュースからカルチャーまで、バンコクで暮らす人、訪れる人にとって本当に価値のある、正確で信頼できる情報を厳選してお届けします。日本のメディアに情報提供することもあります。
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