タイの寺院で無許可で中国人旅行者をガイドする女性を摘発 チェンマイ・ドイステープ寺院
チェンマイを代表する観光地「ワット・プラタート・ドイステープ」で、必要なライセンスを持たずに中国人旅行者を案内していた疑いで、42歳のタイ人女性が観光警察に拘束されました。
何が起きたのか
報道によると、8月5日午前11時ごろ、観光警察とタイ観光局の職員が、チェンマイ市内のドイステープ寺院周辺で無許可ガイドの取り締まりを実施していました。
その際、女性は中国人旅行者3人にトヨタ・ヴェローズで同行し、次のような行動をしていたと警察は説明しています。
- ケーブルカーまたはリフトの乗車券を購入していた
- ドイステープ寺院について旅行者に説明していた
- 旅行者を引率するような行動をしていた
職員がガイドライセンスの提示を求めたところ、女性は有効なライセンスを提示できなかったと報じられています。現時点では警察発表に基づく容疑段階であり、有罪判決が確定したわけではありません。
中国のSNS「小紅書」でツアーを募集
警察による事情聴取に対し、女性は中国のSNS「小紅書(Xiaohongshu/シャオホンシュー)」を利用して旅行客を集めていたとされています。小紅書は、中国で広く利用されている写真・動画中心のSNSで、旅行、飲食、買い物、美容などの口コミが多く、日本のInstagramや旅行口コミサイトに近い使われ方をしています。
女性は同アプリ上で、チェンマイとランプーンを巡る2日間のツアーを宣伝・受注していたと報じられました。
ツアー料金は4,300バーツ
報道によると、女性が受け取っていたツアー料金は、2日間の日程で合計4,300バーツ(前金2,000バーツ、業務終了後の残金2,300バーツ)でした。食事、ホテル、入場券などの費用は、ガイド料金とは別に観光客が負担する契約だったと報じられています。
なお、この4,300バーツが中国人旅行者3人全体の料金なのか、車両代等がすべて含まれているのかなど、詳細までは明らかになっていません。
約5か月間、無許可で案内していたと供述
警察の説明では、女性は同様の方法で約5か月間、ライセンスを持たずに旅行者を案内していたことを認めたとされています。ただし、過去5か月間に何組を案内したのか、どの程度の収入を得ていたのか、ほかの人物や旅行会社が関与していたのかは報じられていません。
中国人旅行者3人は処罰されていない
女性と一緒にいた中国人旅行者3人について、警察は違法行為への関与を指摘していません。今回の取り締まり対象は、ライセンスを持たずにガイド業務を行った疑いのある女性であり、無許可ガイドであることを知らずにサービスを予約した旅行者が同じ罪に問われたという報道ではありません。
女性にかけられた容疑と罰則
報道では、女性は「観光ガイド登録官からガイド免許を受けずに、ガイド業務を行った疑い」で取り調べを受け、法的手続きに送られる予定とされています。根拠として、2015年観光事業・観光ガイド法および改正法の第86条・第49条が示されています。
タイ政府の広報情報によると、ライセンスを持たずに観光ガイドとして働いた場合、最大1年の禁錮または10万バーツ以下の罰金、もしくはその両方が科される可能性があります。これは法律上の上限であり、今回の女性に実際にどの罰則が適用されるかは、今後の捜査や司法手続きによって決まります。
なお、旅行日程を組み、交通・宿泊・食事・ガイドなどを組み合わせてツアー商品として販売する「無許可の旅行事業」については、最大2年の禁錮または50万バーツ以下の罰金と、より重い罰則が定められています。ただし、今回の報道で明示されている容疑は「無許可ガイド」のみであり、無許可旅行事業の容疑が追加されたとは確認できていません。
観光警察はどのように取り締まっているのか(一般論)
タイの観光警察は、ドイステープ寺院のように外国人観光客が多く訪れる観光地で、無許可ガイドや無許可ツアー業者の取り締まりを継続的に行っています。今回の事件では、職員が現場で女性の案内行為を直接確認したうえで、ライセンスの提示を求めたと報じられています。
なお、一般論として、タイの観光警察が無許可ガイドを摘発する際には、捜査員が観光客に変装してツアーに同行し、現場での案内行為や金銭の受け渡しを確認したうえで摘発するという手法が用いられることがあります。ただし、今回の事件で実際にこの手法が使われたかどうかは、確認できた報道の範囲では明記されていません。
日本人旅行者にも関係するニュース
今回の利用者は中国人旅行者でしたが、日本人も同様の点に注意する必要があります。Facebook、Instagram、LINE、TikTokなどで「チェンマイを日本語で案内します」「個人だから格安」などと募集している人物が、必ずしも正式なガイドライセンスを持っているとは限りません。
特に、次のようなサービスでは確認が必要です。
- 日本語での観光地案内
- 車を使った終日ツアー
- 複数の寺院や都市を巡る旅行
- 料金を受け取って歴史や文化を説明するサービス
- 宿泊や交通を含む旅行パッケージ
- SNSのDMだけで予約する個人ツアー
単なる送迎ドライバーと、観光地を説明するガイドでは、必要となる資格や業務範囲が異なる可能性があります。車をチャーターしただけなら、運転手は通常、観光ガイドとして説明する立場ではありません。運転手が観光地で歴史や文化を説明し、入場手続きを案内する場合は、ガイド業務に該当する可能性があります。
正規ガイドか確認する方法
タイ政府は、旅行者がツアー会社やガイドの名前、ライセンス番号を確認するよう呼びかけています。正規のガイドは、業務中にガイドライセンスを携帯・掲示する必要があります。予約前またはツアー開始時に、次の情報を確認すると安全です。
- ガイドの氏名
- ガイドライセンス番号
- ライセンスの有効期限
- 所属する旅行会社名
- 旅行会社のライセンス番号
- 緊急時の連絡先
- 料金に含まれるサービス
- 事故保険の有無
免許証の写真だけを送られてきた場合でも、それだけで信用せず、観光当局や正規の旅行会社を通じて確認するのが安全です。
旅行者・在住者へのポイント
今回の事件はチェンマイで発生しており、バンコクの観光客や在住者に直接の危険がある事件ではありません。ただし、バンコクでも王宮、ワット・ポー、アユタヤ、パタヤなどで、SNS経由の個人ガイドや車付きツアーを利用する場合は同じ注意が必要です。特に「日本語ガイド」「専用車込み」と書かれた個人広告では、ガイド資格、会社情報、保険、料金条件を確認してください。
無許可ガイド、料金トラブル、説明と異なるツアー、強引な買い物への誘導などがあった場合は、タイ観光警察(電話番号1155)へ相談できます。
タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。
まとめ
2026年8月5日、チェンマイのドイステープ寺院で、中国人旅行者3人を案内していた42歳のタイ人女性が、ガイドライセンスを持っていなかった疑いで摘発されました。女性は中国のSNS「小紅書」でチェンマイ・ランプーンを巡る2日間のツアーを募集し、4,300バーツを請求していたとされています。約5か月間、同様の方法で案内していたと供述したと報じられています。
同行していた旅行者に違法行為は確認されておらず、今回摘発されたのは無許可でガイド業務を行っていた女性のみです。無許可ガイドには最大1年の禁錮または10万バーツの罰金が科される可能性があり、SNSで個人ツアーを予約する際は、ガイドと旅行会社のライセンス番号を確認することが重要です。
タイでも日本同様旅行会社にはライセンスや保険加入の義務条件があります。またガイドについても外国人が就労できない仕事に分類されており、善意や無償であっても観光警察にガイドとして認定される場合もあります(視察や買い物動向やLIVEのおっかけ等)タイは日本以上に事故や金銭トラブルも多くその際に無許可の人たちは責任を取らず逃亡する可能性もありますので、必ず正規の旅行会社やガイドを依頼することをおすすめします。私の会社は旅行のライセンスを所持していますのでご参考にしてください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. このツアーに参加した中国人旅行者も罪に問われるのですか?
報道の範囲では、旅行者への処罰は確認されていません。今回の取り締まり対象は、ライセンスを持たずにガイド業務を行っていた女性であり、無許可であることを知らずにサービスを利用した旅行者が罪に問われたという内容ではありません。
Q2. 女性はすでに有罪になったのですか?
いいえ、現時点では容疑段階です。女性は法的手続きに送られる予定と報じられていますが、有罪判決が確定したという報道ではありません。
Q3. SNSで見つけた個人ガイドやツアーは利用しない方がよいですか?
SNSで募集していること自体が直ちに違法というわけではありません。ただし、料金を受け取って観光地を案内する人が、必要なガイド免許やツアー営業許可を持っているかを事前に確認することをおすすめします。ガイドの氏名、ライセンス番号、所属会社、保険の有無などを予約前に確認すると安心です。
出典・参考サイト
- ASEAN NOW「Chiang Mai: Unlicensed guide held at Doi Suthep」
- LINE TODAY(タイ語報道)

Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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