タイ ボトル飲料水からサルモネラ菌検出 製造場所はタイヤ工場登録か

タイ東北部ナコンラチャシマ県(通称:コラート)で、
ボトル入り飲料水からサルモネラ菌(Salmonella spp.)が検出され、
県保健当局と消費者保護委員会事務局(OCPB)が緊急調査に入りました。
さらに調査の過程で、製造場所がもともとタイヤ加工工場として登録されていた場所だった可能性が浮上しており、
製造環境の衛生管理に深刻な疑問が生じています。
※本記事はタイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。
この記事のポイント
- ナコンラチャシマ県で販売のApoブランド・18.9リットル大型ボトル水からサルモネラ菌を検出
- 製造場所がタイヤ加工工場として登録されていた場所だった可能性が判明
- 首相府相がOCPBに緊急調査を指示・食品法違反なら最大5万バーツの罰金
- 対象は小型ペットボトルではなく大型業務用ボトル・家庭・職場・食堂での使用に注意
- 全国の大手ブランドへの言及はなし
- 地方・屋台・食堂での無名ブランドの水・氷の使用には注意が必要
1. 何が起きているのか

ナコンラチャシマ県保健事務所が実施したランダム検査で、
同県内で販売されていたボトル入り飲料水からサルモネラ菌が検出されたと報じています。
この報告を受け、首相府相スパマス・イサラパクディー氏が
OCPBに緊急調査と関係機関との連携を指示しました。
報道によると、対象として特定されているのは以下の飲料水です。
- 商品名:น้ำดื่มตราอาโป(Apoブランド飲料水)
- 食品登録番号:30-2-03760-2-0001
- 製造日:2026年3月26日
- 容量:18.9リットル(大型業務用ボトル)
- 製造者:ร้านไพบูลย์พาณิชย์
- 製造地:ナコンラチャシマ県カームサケーセーン郡
ナコンラチャシマ第9医科学センターでの検査により、
100ミリリットルあたりSalmonella spp.の汚染が確認されたとされています。
2. 製造場所はタイヤ加工工場登録か
今回の事案で特に注目されるのが、製造場所の問題です。
Thai PBSとThairath Englishによると、OCPBが現地調査を行ったところ、
対象の飲料水の製造場所はもともとタイヤ加工工場として登録されていた場所だった可能性が判明しました。飲料水は見た目が透明でも、製造場所の衛生管理・ろ過設備・ボトル洗浄・保管状態・再利用容器の管理が不十分だと、菌が混入するリスクが高まります。
当局は現在、製造基準(GMP等)の遵守状況および
他ロット・他商品への汚染拡大の有無を調査中です。
3. 当局の対応と法的措置
報道によると、汚染が確認された飲料水は
タイ食品法1979年第25条3項に違反する「基準不適合食品」に該当する可能性があり、
第60条に基づき最大5万バーツの罰金が科される可能性があります。
MGR OnlineとNaewnaによると、対象の製造者は現在、
食品製造を停止し、建物・製造工程・衛生状態を改善するよう指示されており、
再検査で基準を満たすまで販売を再開できない状態とされています。
また、OCPBは健康被害を受けた消費者に対し、
苦情申立てや法的手続きの支援を受けられると説明しており、
相談窓口としてOCPBホットライン1166を案内しています。
4. サルモネラ菌とは?
サルモネラ菌(Salmonella spp.)は、食中毒の原因となる細菌です。
Thai PBSはタイ医科学局の情報として、
サルモネラ菌は消化器系の感染症(サルモネラ症)を引き起こし、
腹痛・吐き気・嘔吐・下痢などが主な症状と説明しています。
CDCによると、感染後6時間〜6日で症状が始まり、
通常4〜7日続くとされています。
以下のような症状がある場合は速やかに医療機関を受診してください。
- 血便が出る
- 2日以上続く下痢・嘔吐
- 高熱(38.5℃以上)
- 強い脱水症状(口の渇き・尿が出ない・めまいなど)
5. 旅行者・在住者への注意点
今回の事案はナコンラチャシマ県の特定ローカルブランドの報告であり、セブン・ロータス・マクロ等で見かける大手メーカーへの言及はありません。ただし、以下の点には注意が必要です。
- 大型ボトル水に注意:今回の対象はコンビニで買う小型ペットボトルではなく、家庭・オフィス・食堂・寮などのウォーターサーバー用大型ボトル。地方滞在中や職場・宿泊施設での大型ボトル水の使用には注意が必要
- ラベルと食品登録番号を確認する:地方や小規模施設では聞いたことのないローカルブランドの水が使われることがある。ラベル・製造元・食品登録番号・製造日・密封状態を確認することが自衛策として有効
- 氷にも注意:飲料水だけでなく氷も水から作られる。屋台や地方の食堂で氷の出所が不明な場合は注意。子ども・高齢者・妊娠中・免疫力が落ちている方は密封された大手ブランドの水を選ぶ方が安心
- 地方出張・ドライブ時は特に注意:地方のコンビニや露店で、聞いたことのないローカルブランドの大型水ボトルを大量購入するのは避けた方が無難
6. 日本語で契約できる浄水器のレンタルサービス
バンコクで新生活をはじめる方、駐在予定の方一般的な家庭では浄水器のレンタルサービスを利用する家庭が多いです。フィルターや機器の定期的なメンテナンスも日本語対応です。1日あたり30~40バーツ程度(月900~1200B)の利用料金で1日の使用料の制限もない場合が多くコスパも良いです。以下のサービスはタイムラインバンコクが過去に直接取材しているものをご紹介します。



まとめ
今回の事案は、タイ全体のボトル水が危険というわけではありませんが、地方のローカルブランド・大型業務用ボトル水の衛生管理リスクを改めて示すものです。製造場所がタイヤ加工工場として登録されていた可能性という点は、タイの食品安全管理の課題を浮き彫りにしています。
タイで飲料水を選ぶ際は、価格だけで判断せず、ラベル・食品登録番号・製造日・密封状態を確認する習慣をつけましょう。また、飲用後に下痢・発熱・腹痛・嘔吐などの症状が続く場合は、自己判断で我慢せず速やかに医療機関を受診してください。
また食中毒への耐性もタイの生活に慣れるまでは、我々日本人は地元の人々に比べて低い傾向にあると体感しています。また別の報道によるとバンコクで見かける大型のタンクに入れる水の自販機の衛生面についても言及されている記事を見たことがあります。毎日体に摂取する大切な水。自分なりの安全な摂取方法を確立したいものです。
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著者プロフィール

Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
- ライター紹介:https://enjoy-bkk.com/about/
- Facebook:https://www.facebook.com/thaimlinebkk
出典・参考サイト
- Bangkok Post – Salmonella found in bottled water
- Thai PBS – สคบ.ลงพื้นที่ตรวจสอบปม「เชื้อซาลโมเนลลา」ปนเปื้อนในน้ำดื่ม
- MGR Online – สสจ.โคราช เตือนประชาชนตรวจพบเชื้อจุลินทรีย์ก่อโรค
- Thairath English – Investigation of Contaminated Drinking Water: Korat Consumer Protection Office
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